クラウドで利用できるエンディングノートのおすすめ5選|選ぶポイントも解説
近年、エンディングノートのデジタル化が進み、クラウド上で情報を記録・保存できるサービスが注目されています。
紙のノートは紛失や劣化のリスクがある一方で、クラウドを活用すれば、データの保全性や共有性に優れた管理が可能です。
本記事では、クラウド型エンディングノートの概要、利点と注意点、具体的な利用方法に加え、代表的なおすすめサービスを5つ紹介します。
クラウドを活用したエンディングノートの導入を検討している方に向けて、実用的な比較・選定の参考となる内容を提供するので、参考にしてください。
目次
クラウドサービス型のエンディングノートとは?

クラウドサービスとは、インターネットを通じて、ユーザーがソフトウェアやデータのやり取りなどの各種サービスを利用できる形態を指します。
クラウドサービスにより、ユーザーは自らのデバイスに特定のソフトウェアをインストールしたり、データを保存する必要がなく、ネットワーク経由で必要な機能やリソースを活用できます。
エンディングノートをクラウド上で管理することで、従来の紙媒体に比べ、情報へのアクセス性が大幅に向上するでしょう。
インターネット接続さえあれば、いつでもどこでも情報にアクセスでき、災害時や緊急時にも迅速に必要な情報を確認することが可能です。
エンディングノートをクラウドで保存するメリットは?
エンディングノートをクラウドで保存するメリットは以下の2点が挙げられます。
- 紛失のリスクが極めて低い
- 写真や音声、動画なども一緒に保存できる
紛失のリスクが極めて低い
紙のエンディングノートは、火災、盗難、誤って廃棄してしまうなど、物理的な紛失リスクが伴います。
また、エクセルやワードで作成したデータも、誤って削除してしまったり、パソコンの故障や買い替え時にデータを失う可能性があるでしょう。
対して、クラウド上にエンディングノートを保存することで、前述のようなリスクを大幅に軽減できます。
クラウドサービスでは、データはインターネット上のサーバーに保管されるため、デバイスの故障や紛失の影響を受けにくく、アカウント情報を適切に管理していれば、いつでもアクセスが可能です。
写真や音声、動画なども一緒に保存できる
クラウド型のエンディングノートでは、テキスト情報だけでなく、写真や音声、動画などのマルチメディアデータも一緒に保存できます。
これにより、思い出の写真や大切なメッセージをデジタル形式で残すことができ、家族や大切な人々と共有する際にも便利です。
デジタルデータをクラウドに保管しておけば、大量の画像や資料を整理された状態で残すことも容易になります。
エンディングノートをクラウドで保存するデメリットは?
一方で、エンディングノートをクラウドで保存するデメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- データ流出のリスク
- 存在が気づかれにくい
- サービス終了のリスク
データ流出のリスク
クラウドサービスにエンディングノートを保存する際、ハッキングなどによるデータ流出のリスクが考えられます。
オンライン上に個人情報を保管するため、強固なパスワードの設定や二段階認証の導入など、適切なセキュリティ対策が必要です。
存在が気づかれにくい
クラウド上にエンディングノートを保存している場合、その存在が家族や関係者に気づかれにくい可能性があります。
紙のノートと異なり、物理的な形がないため、事前に保管場所やアクセス方法を、信頼できる人に伝えておくことが重要です。
サービス終了のリスク
利用しているクラウドサービスが将来的に終了する可能性もあります。
サービスが停止すると、保存していたデータにアクセスできなくなる恐れがあります。
定期的にバックアップを取るなど、データ消失に備えた対策を講じると良いでしょう。
エンディングノートをクラウドで保存する方法

エンディングノートをクラウド上で保存する方法には、主に以下の3つがあります。
各方法の特徴を表にまとめました。
方法 | 特徴 |
クラウドストレージに エクセルやワードなどのファイルを保存 | エクセルやワードで作成したエンディングノートを、GoogleドライブやDropbox、OneDriveなどのクラウドストレージに保存する方法。 手書きノートをスキャンや撮影でデジタル化して保存することも可能。 |
Googleスプレッドシートや Googleドキュメントで作成 | Googleのオンラインツールで直接作成・編集でき、自動的にGoogleドライブに保存される。 複数人での同時編集も可能で、家族との共有にも適している。 |
Web上でエンディングノートを作成できる 専用サービスを利用 | エンディングノートの入力や管理に特化したWebサービスを利用する方法。 通知機能など独自の機能を持つサービスもあり、利便性や安全性が高いものが多い。 |
それぞれの方法について詳しく解説します。
エクセルやワードなどをクラウドストレージに保管する
クラウドストレージとは、インターネット上のサーバーにデータを保存し、どこからでもアクセスできるサービスです。
サーバーへデータを保存することで、デバイスの故障や紛失時でもデータを安全に保管・復元できます。
エンディングノートをエクセルやワードで作成し、ファイルを以下のようなクラウドストレージサービスに保存します。
- OneDrive
マイクロソフトが提供するサービスで、WordやExcelと連携が容易です。 - Google ドライブ
Googleが提供するサービスで、15GBまで無料で利用できます。 - Dropbox
多様なデバイスで利用可能なサービスで、2GBまで無料で利用できます。
また、手書きで作成したエンディングノートを写真に写してストレージに保管するという方法もあります。
ノートをスキャナーでスキャンするか、スマートフォンのカメラで撮影してデジタルデータ化します。
そして、得られた画像のデジタルデータをパソコンやスマートフォンに保存し、クラウドストレージサービスにアップロードすると完了です。
共有機能を活用すれば、家族や信頼できる関係者と必要な情報を安全に共有することも可能です。
GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントで作成する
Googleスプレッドシートは、Googleが提供するオンラインの表計算ソフトで、インターネットを通じてリアルタイムでの共同編集が可能です。
一方、Googleドキュメントは、同じくGoogleが提供するオンラインのソフトで、文書の作成や編集、共有が容易に行えます。
両者のツールで作成したファイルは、作業内容が自動的にGoogleドライブに保存されます。
そのため、手動での保存操作は不要で、インターネットに接続されている限り、入力された内容はリアルタイムで保存されます。
GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントは、複数のユーザーが同時に同じファイルを編集できるため、共同作業に適しています。
例えば、夫婦でエンディングノートを共同作成する場合、リアルタイムでの情報共有や編集が可能となり、効率的に作業を進めることができるでしょう。
Web上でエンディングノートを作成できるサービスを利用する
クラウド型のエンディングノートサービスの中には、利用者に万が一の事態が発生した際、事前に指定した家族や関係者へ自動的に通知を送る機能を備えているものがあります。
通知機能により、エンディングノートの存在が家族に気づかれにくいという課題を解消し、重要な情報を確実に伝えることが可能となります。
通知機能を活用することで、エンディングノートの情報が適切なタイミングで家族や関係者に共有され、安心して終活を進められるでしょう。
クラウドで保存できるエンディングノートのおすすめ5選

現在は、クラウド上でエンディングノートを作成・管理できる専用サービスが複数登場しており、それぞれに特徴や機能の違いがあります。
以下では、代表的なサービスを5つ取り上げ、それぞれの機能や利便性について紹介します。
遺言ネット

「遺言ネット」は、終活をトータルにサポートするクラウド型の総合サービスです。
エンディングノートの作成はもちろん、遺言書の準備や相続税対策、さらには家族や友人へのメッセージの記録まで対応しています。
オンライン上で手軽に情報を入力・編集でき、作成したデータはクラウド上に安全に保管できます。
弁護士や税理士など専門家との連携も視野に入れて設計されており、必要に応じて共有も可能です。
終活をこれから進めたい方にとって、信頼性と機能性の両面を備えたサービスといえるでしょう。
メッセージバンク

「メッセージバンク」は、大切な人へ想いを残すためのデジタルメッセージサービスです。
情報を整理するというよりも、「言葉」で伝えることに特化しており、テキストだけでなく動画や音声メッセージの登録・保存が可能です。
記録されたメッセージはクラウド上に安全に保管され、指定したタイミングで家族や友人に自動送信される仕組みが整っています。
万が一の際に、気持ちをしっかり届けたいというニーズに応える、シンプルかつ実用性の高いサービスです。
わが家ノート by MUFG

「わが家ノート」は、三菱UFJ信託銀行が提供する終活支援アプリです。
エンディングノートとしての機能に加え、家族構成や財産、医療・介護の希望など、将来に向けて必要な情報を包括的に記録・管理できます。
データはクラウドに保存され、スマートフォンからいつでも確認・更新が可能。UIも直感的で使いやすく、終活初心者でもスムーズに利用できます。
大手金融機関による運営という安心感もあり、情報の管理と保全を重視する方にとって信頼性の高い選択肢です。
見守り機能付きデジタルエンディングノートアプリ《つなまも》

「つなまも」は、エンディングノートの作成機能に加え、日常的なスマートフォンの利用状況から安否を確認できる「見守り機能」を搭載した終活支援アプリです。
利用者に一定期間操作がない場合、あらかじめ設定された相手に通知が届く仕組みがあり、エンディングノートの存在に気づいてもらいやすくなっています。
記録した情報はクラウドに保存され、スマートフォンからいつでも確認・更新が可能。
自分の想いと情報を、安全かつ確実に届けたい方に適したサービスです。
SMBCデジタルセーフティボックス

「SMBCデジタルセーフティボックス」は、三井住友銀行が提供するデジタル保管サービスです。
大切な書類やパスワード、エンディングノート情報などを一元的にクラウド上で管理でき、家族や信頼できる第三者への引き継ぎ設定も可能です。
スマートフォンやパソコンからいつでもアクセスできるほか、万が一に備えた「信託設定」や自動通知などの機能も充実。
セキュリティ面でも銀行基準の高い信頼性を誇り、ライフエンディングにおける情報管理手段として有力な選択肢といえるでしょう。
クラウド型のエンディングノートを選ぶポイント

クラウド型のエンディングノートサービスには、機能や使い勝手、費用などさまざまな違いがあります。
実際に導入する際は、自身の目的や利用環境に合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは、サービス選定時に確認しておきたい基本的なチェックポイントを解説します。
使いやすいか
クラウド型エンディングノートを選ぶ際は、画面の構成が分かりやすく、操作が直感的に行えるかどうかを確認することが重要です。
複雑な手順を要するサービスや、文字が小さく読みづらい設計のものは避けたほうがよいでしょう。
スマートフォン、タブレット、パソコンなど、どのデバイスでも快適に使えることも選定基準となります。
実際にアカウント登録や入力作業を試してみて、ストレスなく操作できるかを確認しておくと安心です。
無料で利用できるか
クラウド型エンディングノートを選ぶ際、費用面は重要な検討ポイントです。
手軽に始めたい方には、無料で利用できるサービスが適しています。
一方で、有料サービスは機能が豊富で、より多くのデータを記録できるなどのメリットがあります。
無料・有料それぞれの特徴を理解し、自身のニーズに合ったサービスを選択することが大切です。
まとめ
クラウド型のエンディングノートは、紙媒体に比べて保管性や共有性に優れており、万が一の時にも情報が確実に届けられる手段として大変便利です。
サービスごとに特徴や機能が異なるため、自身の利用目的や環境に合ったものを選ぶことが重要です。
今回ご紹介した各サービスの内容や選定ポイントを参考にしながら、早めに準備を進めることをおすすめします。
将来に向けて安心して備えられるよう、デジタル技術を活用した終活をぜひ始めましょう。