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【保存版】葬儀の靴のマナーとは?男性・女性別に徹底解説!

「葬儀の靴のマナーとして、どんな点に気をつければいい?」

「葬儀の靴のマナーって男性と女性ではどんな点が違う?」

「葬儀のではどんな素材、デザインの靴を履けばいいのか分からない…」

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお答えします。

葬儀に参列する機会のない方の中には、黒い靴であれば何でもいいと考えている方もいるでしょう。

しかし、葬儀はフォーマルな場面で、正しい靴選びをすることが求められます。

そこで今回は、葬儀の靴に関するマナーについて男女別に具体的に解説。最後まで読めば、葬儀で恥をかく心配をする必要はありません。

目次

葬儀の靴の特徴

葬儀の靴も喪服と同じく、葬儀の場に相応しいものを選ぶのがポイントで、哀悼の意を表せます。男性も女性も、基本的に派手なデザインや色の靴を避けて、シンプルなものを選ぶようにしましょう。

明るい色の靴やデザインがされている靴の場合、遺族や他の参列者を不快な気持ちにする恐れがあります。葬儀の靴は男性も女性も黒にし、なるべくツヤのないものを選ぶのが基本です。

ワニ革やスエードの素材などは殺傷をイメージさせ、光沢のあるエナメル素材は派手な印象を与え、相応しくありません。

葬儀の靴に関するマナー

男性や女性などによって、葬儀の靴に関するマナーが変わる点が特徴です。

  • 男性の場合
  • 女性の場合
  • お年寄りや妊婦の場合
  • 子供の場合
  • 幼児の場合

上記の5つのパターンに分けて、葬儀の靴に関するマナーを具体的に解説します。

男性の場合

ここから解説するのは、男性の靴のマナーについてです。

紐靴を選ぶ

靴紐の結び方は、「シングル」と「パラレル」の2種類に分けられるのが特徴。よりしっかり結べるのはシングルの方で、葬儀でのマナーとして相応しいとされています。

シングルの靴紐の結び方は、具体的に下記の通りです。

  1. つま先側の両穴に、外側から紐を通す
  2. 2段目の右側の穴に、左側の紐を下から通す
  3. 2段目の右穴の上から出ている紐を、左側の2段目の穴に上から通す
  4. 下の段まで繰り返す
  5. 結んだら完成

普段履く靴の場合でも、シングルの結び方は活用できます。 

ストレートチップやプレーントゥの靴を選ぶ

葬儀の靴のマナーとしては、装飾がされていないシンプルなデザインの靴を選ぶ点。

葬儀に相応しいデザインの靴は、具体的に以下の通りです。

  • ストレートチップ:爪先部分に横一文字の線が入れられている靴
  • プレーントゥ:つま先に何もデザインがされていないシンプルな靴

葬儀に最も相応しいとされているのはストレートチップですが、プレーントゥを選んでも問題はありません。

相応しくない靴は、ウイングチップと言われる穴飾りが施されているものや、紐のついていないローファーやスリッポンなどです。

内羽根の靴を選ぶ

葬儀の靴のマナーとして、外羽根式ではなく内羽根式の靴を選ぶ点があげられます。羽根とは靴紐を通す部分で、内羽根式と外羽根式に分けられる点が特徴です。

具体的な違いは下記の通り。

  • 内羽根式:紐を通す羽根の部分が靴の内側にある
  • 外羽根式:紐を通す羽根の部分が靴の外側にあり、着脱しやすい

内羽根式の靴の方がフォーマルなシーンでは相応しいとされており、葬儀ではなるべく内羽根式の靴を選ぶようにしましょう。

内羽根式の靴を一足持っておくと、結婚式でも使えて便利です。

靴下にも気を遣う

葬儀の靴のマナーの1つとして、靴下にも気を遣う点があげられます。無地で黒色のものを選ぶのが、葬儀の靴下の基本です。

もし無地で黒色の靴下がない場合、ワンポイントが付いているものやリブソックスなどで代用できます。

椅子に座ったときに素肌が見えないように、ミドル丈より長い靴下を選ぶのもポイント。

靴下は疎かにしやすい部分であり、特に注意が必要です。

女性の場合

ここから、女性の靴のマナーに関して具体的に解説します。

プレーントゥやスクエアトゥの靴を選ぶ

女性の場合、葬儀ではプレーントゥやスクエアトゥの靴を選ぶのが基本。

具体的な特徴は以下の通りです。

  • プレーントゥ:つま先が丸くなっている靴
  • スクエアトゥ:つま先が角張っている靴

葬儀で最も相応しいとされているのは、プレーントゥの靴。ストラップのついている靴の場合、派手なデザインでなければ葬儀でも使えます。

葬儀で相応しくない靴は以下の通りです。

  • オープントゥ:つま先がない靴
  • ポインテッドトゥ:つま先が尖っている

男性同様に、シンプルなデザインの靴が望ましいと言えます。

3cmから5cmのヒールの靴を選ぶ

女性の靴のマナーとしては、高すぎたり低すぎたりするヒールの靴を選ばない点。カジュアルな印象を与えたり、ファッションを重視していると思われる可能性があるためです。

足の疲れを軽減させるために、なるべく低いヒールの靴を選びたい方もいるかも知れませんが、葬儀ではマナー違反。なるべく太いヒールを選ぶと足の疲れを軽減しやすくなります。

細すぎるヒールの靴を選ばない

葬儀でのマナーとしては、細すぎるヒールの靴を選ばないようにする点。ヒールが細すぎる場合、歩くたびにコツコツと大きな音を立てる原因になるためです。

大きな足音を立てると、葬儀の厳粛な雰囲気を壊しかねません。なるべく大きな音を立てないようにするためには、静音ヒールや柔らかめの素材の靴を選ぶと効果的です。

サイズが合わない靴を履いている場合、歩くたびに靴が脱げ、地面にヒールの部分を強く打つことで大きな音がなる原因になります。なるべく足のサイズに合わせた靴選びをするようにしましょう。

ストッキングにも気を遣う

葬儀の靴のマナーの1つとして、ストッキングにも気を遣う点があげられます。

黒のストッキングを履くのが、葬儀での基本です。夏場は熱くてつらいかも知れませんが、必ずストッキングを履くようにしましょう。

厚さについては、一般的に売られている20デニールくらいのもので特に問題ありません。

真冬の葬儀の場合、80デニールくらいまでであれば許容範囲だとされており、厚すぎるストッキングはマナー違反となります。

網タイツやラメの入っているものなどは、葬儀では不適切です。

お年寄りや妊婦の場合

お年寄りや妊婦の場合、一般的な葬儀の靴のマナーを守る必要はありません。無理して靴を履くと、健康上の悪影響が懸念されるためです。

脱ぎ履きしやすい靴や、歩きやすい靴などを選ぶようにしましょう。バレエシューズのような、足に負担がかかりにくい靴があると便利です。

故人を偲ぶ気持ちが最も重要で、基本的にお年寄りや妊婦には一般的な靴のマナーが適用されません。

子供の場合

子供の場合、葬儀での靴のマナーとしては学校指定の靴を選ぶ点です。

もし、学校指定の靴がない場合、ローファーやスニーカーなどで参列しても問題にはなりません。

大人の場合、ローファーは基本的にマナー違反となりますが、子供の場合は履けます。なるべく黒や紺など、落ち着いた色の靴を選ぶと最適です。

黒や紺などの靴がない場合、白のスニーカーを合わせるようにしましょう。

なるべく目立ちにくい色を選ぶのがポイントです。

幼児の場合

幼児の場合、派手な靴でなければ葬儀でのマナー違反にはならず、なるべく落ち着いた色の靴を選ぶのがポイント。

赤や黄色の靴やリボンなどがついている靴は、葬儀に相応しくないため注意が必要です。

近年では、幼児向けにフォーマルな靴が販売されており、入学式や発表会などでも使えるため、1足用意しておくのも1つの方法です。

葬儀の靴を長持ちさせる4つのポイント

葬儀で履く靴に関して、ほとんど使う機会がない方もいるかも知れませんが、適切なメンテナンスをすれば長く着用可能です。

  • 革靴用のクリームを塗る
  • 本皮の靴を選ぶ
  • シューキーパーを利用する
  • 防水スプレーを利用する

ここから、靴を長持ちさせるために効果的な上記の点について、具体的に解説します。

1、革靴用のクリームを塗る

葬儀の靴を長持ちさせるには、革靴用のクリームを使ってメンテナンスすること。時間の経過とともに、革が乾燥してカサカサになったり、最悪の場合ヒビ割れたりするケースがあるためです。

革は「生きている素材」とも言われており、定期的にメンテナンスすることが求められる素材の1つ。

最低限必要になるクリームは乳化性クリームです。水と油とロウから作られており、革に適度な水分や油分をもたらしてくれます。

光沢感を出しにくい点が特徴ですが、葬儀の靴にとっては好都合です。

2、本皮の靴を選ぶ

葬儀の靴を長持ちさせるためには、本皮の靴を選ぶ方法があげられます。お手入れ次第で、長年使える点が本皮の特徴だからです。

本皮の靴によく似た製品に合皮のものがありますが、布地にポリウレタンや塩化ビニールなどの合成樹脂を使ってできており、全くの別物になります。

合皮は本皮に比べて値段も安く扱いやすい点が特徴ですが、長く使う面では不向き。一足の靴を長く愛用するためには、本皮の靴を選ぶ方が効果的です。

3、シューキーパーを利用する

葬儀の靴を長持ちさせるには、シューキーパーを利用する方法があげられます。

シューキーパーとは、靴を保管するときに使われる道具で、具体的な効果は以下の4点です。

  • 履きジワを伸ばして型崩れを防止する
  • 消臭・脱臭、除湿・乾燥の効果がある

上記のように、シューキーパーには靴の寿命を伸ばすために欠かせない役割を持っていると言えます。

特に、保管時に靴の履きジワを伸ばすことで、長期間靴の形を整えられる点が特徴です。履きジワがあるとヒビ割れの原因になり、長持ちさせるためには効果的。

また、木製のシューキーパーを使えば、脱臭効果や除湿効果などが期待できます。

4、防水スプレーを利用する

葬儀の靴を長持ちさせるためには、防水スプレーを使う方法も。防水スプレーを使うと革の表面をフッ素樹脂で覆え、通気性を保ったまま汚れや水などから守れます。

雨の浸透を防いでくれたり汚れをつきにくくしたりしてくれ、靴を傷みにくくすることが可能。

雨の中を一定時間歩いていると効果が弱まってくる傾向にあり、こまめにスプレーすると効果的です。

葬儀の靴に関するよくある質問

葬儀の靴に関してよくある質問は以下の3点。

  • 安い靴で葬儀に参列してもいいですか?
  • 平服でと言われた場合にはどのような靴を選べばいいですか?
  • 葬儀にブーツや長靴を履いて行ってもいいですか?

ここから具体的に解説します。

安い靴で葬儀に参列してもいいですか?

問題ありません。

葬儀で重要なのは故人を弔う気持ちで、ファッションではないためです。

むしろ、高級感のあるツヤがある靴などは周囲から目立つ可能性が高く、葬儀の場に相応しくありません。葬儀の靴の場合、値段よりもデザインや色などを重視して選ぶ方が重要です。

平服でと言われた場合にはどのような靴を選べばいいですか?

基本は黒の靴ですが、紺やグレーなどの装飾のないものであれば問題ありません

葬儀によっては平服でと案内されるケースがありますが、普段着で参列していいわけではない点に注意が必要です。

葬儀での平服とは略喪服のことを意味しており、ブラックスーツやダークスーツなどを着用することが望ましとされます。

男性の場合、靴下は黒や紺などの地味な色を選ぶのが基本です。

女性の場合、黒やベージュのストッキングを履くのがマナーとなっています。タイツはマナー違反とされるため注意が必要です。

葬儀にブーツや長靴を履いて行ってもいいですか?

場合によっては問題ありません。葬儀の場所や季節によっては、雨や雪などの悪天候に見舞われる可能性があるためです。

悪天候の日に葬儀が行われる場合、無理にマナー通りの靴を履いていく必要はありません。

安全に葬儀会場に向かえるように、ブーツや長靴を選びましょう。

まとめ

ここまで、葬儀の靴の特徴や男女別のマナーなどを具体的に解説してきました。

葬儀では喪服を着用するように、靴も場にふさわしい色やデザインのものを選ぶことが求められます。値段に関係なく、黒色でシンプルなデザインのものを選ぶことがポイント。

おしゃれをする場面ではないため、自分に似合っているかではなくマナーに沿っているかが重要です。

葬儀の靴のマナーを理解すれば、ご遺族に対して弔意を表しやすくなります。

葬儀の靴のマナーで恥をかくことはないでしょう。