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【例文付】葬儀でのお別れの言葉とは?構成から読み方まで徹底解説!

あなたにとって親しい方が亡くなったときに、お別れの言葉を頼まれたらどんな挨拶をしますか。

「どんな事を話したらいいのだろう」

「注意点とかあるのか、参考になる例文はあるのか」

そんな疑問を持つかもしれません。実際誰もが経験するものではなく、人前で話すのは緊張もします。

そこでこの記事では、葬儀のお別れの言葉の例文を紹介します。さらにお別れの言葉のマナーや、構成方法から読み方や書き方のポイントまでを解説。

これさえ読めば葬儀でのお別れの言葉の準備ができ、依頼があっても安心して引き受けられます。

目次

葬儀のお別れの言葉とは

葬儀 お別れの言葉 手紙

葬儀のお別れの言葉とは、故人へ贈る言葉を意味し、仏教葬儀では弔辞(ちょうじ)といわれ「故人を弔い、慰める」言葉や文章を表しています。

ここでは、多くの仏教式の葬儀で目にする弔辞をメインにみていきましょう。

弔辞を書く紙は奉書紙を選ぶ

弔辞を書くときは奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)を準備します。奉書紙は和紙の種類の1つで、室町時代には幕府が公文書として使っていました。今でも冠婚葬祭などの大事な場面で、使われています。

普通の和紙に比べて厚みがあり、しっかりしているのが特徴です。奉書紙は、和の格調高い雰囲気を出せます。

最近の略式の葬儀の代表である家族葬では、便箋を使う場面も増えているようです。しかし、さまざまな方が参列する葬儀では正式な奉書紙を使いましょう。

弔辞は毛筆で書く

弔辞を書く際は毛筆を使って、薄墨で縦書きで書きます。毛筆を普段使う機会は少ないですが、ボールペンやサインペンで書くのはマナー違反です。

毛筆、または毛先が毛筆状の筆ペンを使いましょう。

また「悲しみの涙で墨がにじんだ」「墨をする時間もないくらい慌てて駆けつけて来た」そんな言われから、薄墨で書くのも大事なマナーです。

弔辞の紙の包み方マナー

弔辞を書いた紙をそのまま持ち歩くのはよくありません。弔辞を書いた奉書紙を包むための、包み紙を用意します。

包み紙の使い方は以下の通りです。

  1. 包み紙の上に弔辞を書いた奉書紙を置く
  2. 包み紙を右→左の順番に折る
  3. 折った包み紙をひっくり返して、表面に「弔辞」と記入する

包み紙も奉書紙と同じものがベストですが、白い紙でも問題はありません。

葬儀のお別れの言葉の例文6選

葬儀 お別れの言葉 挨拶

葬儀のお別れの言葉の例文を解説します。状況別に全部で6つ。

  • 親しい友人への弔辞
  • 会社の上司への弔辞
  • 会社の同僚・部下への弔辞
  • 取引先への弔辞
  • 子供が読む弔辞
  • 孫が読む弔辞

順番に1つずつ紹介します。

親しい友人に向けての例文

参列されている方が故人とあなたとの関係性がわかるように、出会った経緯やエピソードを話しましょう。

親しい友人なので、普段呼んでいた呼び名やあだなで語りかけると、より気持ちのこもった弔辞になります。

〇〇さんのご霊前に謹んでお別れの言葉を申し上げます。
この度は〇〇さんの突然の訃報に接し、驚くと同時に深い悲しみの気持ちでいっぱいです。
〇〇さんと出会ったのは大学の〇〇部でした。何をするか迷っていた私にあなたは、その強烈な個性とユーモアで初めて会った私を強引に誘いました。
そこからは毎晩のように語らい、あなたのお陰で大学生活は本当にかけがえのないものとなりました。
卒業後、会う機会は減って行きましたが、常にお互いを気にし合う垣根のない友人でした。
今はもう、あなたに悩みを聞いてもらったり、大声で笑ったりできません。
辛いとき、苦しいとき、いつも夜中に車で来てくれた〇〇さんはもういません。
残念ですが、お別れのときです。どうぞ安らかにお眠りください。さようなら。

会社の上司に向けての例文

会社の上司へは仕事でお世話になったエピソードを中心に話しましょう。

家族の知らない故人の仕事ぶりを話すのが、遺族へのなによりの慰めになります。

〇〇さんのご霊前に哀悼の辞を捧げます。〇〇さんの訃報を聞き、深い悲しみを感じています。
〇〇さんの部署に配属になってから、〇〇さんは私を大いに助けてくれました。部下を気遣えるよい特質もあり、〇〇さんは私の理想の上司でした。
娘さんや息子さんの話しを楽しそうにする〇〇さんの笑顔が忘れられません。
大きな悲しみの中にいますが、〇〇さんが残してくれた精神をもって仕事を続けていきたいと思っています。
どうぞ安らかにお眠りください。ご冥福を祈ります。

会社の同僚・部下に向けての例文

同僚・部下へは会社での苦労話しや、達成した出来事を話しましょう。

故人の仕事での一面を伝えるのが、遺族にとって貴重な機会です。

〇〇さんの御霊前に、謹んでお別れの言葉を捧げます。
〇〇さんと会社でもう会えないと思うと、いまだに信じられません。あまりにも突然の出来事で、現実を受け止められません。
〇〇さんには、本当に助けられました。ときには厳しく、そして優しく接してくれたのを忘れません。
突然の別れでまだ信じられませんが、〇〇さんの仕事ぶりや優しさを忘れず、日々の仕事に励んでいきたいと思います。〇〇さん、本当にお世話になりました。
社員を代表して、心よりお礼を申し上げます。
〇〇さん、どうぞ安らかにお眠りください。

取引先に向けての例文

取引先への生前の取引に感謝を述べるとともに、今後についても話しましょう。

また会社を代表しての挨拶なので、より言葉遣いなどに注意して下さい。

〇〇株式会社〇〇社長の葬儀にあたり、謹んで哀悼の辞を申し述べます。〇〇社長の訃報に接し、弊社一同の哀しみは深く、誠に残念でなりません。
〇〇社長、あなたは御社を一代で立ち上げ、業界全体のリーダーとして、業界の発展にご尽力をされてきました。
あなたの業績は、万人の認めるところでございます。
今後も〇〇社長のご指導を仰ぐべきときにご逝去されましたのは、正に痛恨の極みです。
ここに弊社を代表しまして、感謝を改めて申し上げます。
〇〇社長の生前のご恩に報いる為にも、引き続き御社との関係をより強固にするのが、弊社ができるご恩に報いる道であると信じています。
〇〇社長に深い哀惜の思いを込めて、心からのご冥福をお祈り申し上げます。

子供が読み上げる例文

子供が弔辞を読む場合は、小さかったころの話しや家族での思い出を話しましょう。

まさに家族へ向けて、最後の言葉を語る場面です。

お父さんへ。お別れの言葉を申しあげます。
私は、あなたの息子でいられたこと、こうしてあなたに弔辞を述べることができて幸せに思います。
お父さんが倒れたという知らせを受けた時、すぐには信じられませんでした。
子どものころは、いろんなところに連れて行ってくれました。
結婚して〇〇が生まれて、本当にかわいがってくれた。ありがとう。
70歳を超えても自分の好きな仕事に邁進できるなんて、本当に素敵な人生だと思います。
いつも人に優しく、ときに頑固で腹立つこともあったお父さん。誇りの父です。
あなたに負けないような、人生を歩んでいきます。
天国に行っても変わらずお母さんを、そして私たち家族を見守っていてください。
お父さん、これまで本当にありがとう。どうか安らかにお眠りください。

孫が読み上げる例文

孫の世代によっても文章の質は変わってきますが、ここでは小学生が祖父に話す弔辞を紹介します。

おじいちゃんへ
今日、おじいちゃんとお別れをするのが悲しくてたまりません。
おじいちゃんは夏休みと冬休みにたくさん遊んでくれたね。毎年おじいちゃんの家に遊びにいくのが楽しみでした。おじいちゃんは夏になると海水浴や釣りに連れて行ってくれました。
やさしかったおじいちゃんの思い出は忘れません。
来年も再来年も、お墓参りに行きます。
おじいちゃん本当にありがとう。
これからもずっと見守っていてね。

葬儀でのお別れの言葉の構成5ステップ

葬儀 お別れの言葉 構成

葬儀でのお別れの言葉は、5つの中身で構成されています。

  • 呼びかけによる導入
  • 訃報に触れたときの心境
  • 故人との思い出やエピソード
  • 現在の自身の心境
  • 故人への別れと感謝の言葉

この流れに沿って構成を意識して組み立てると、うまくまとまったお別れの言葉になるでしょう。

呼びかけによる導入

弔辞の導入では故人へ呼びかけをしましょう。いつものような呼び名、あだ名で語りかけるのが気持ちがこもります。呼び方が気になるなら遺族に確認しましょう。

ぜひ、故人の遺影に向かって話しかけてあげてください。

訃報に触れたときの心境

哀悼の気持ちを込めて、故人の訃報を聞いたときの率直な気持ちを述べましょう。故人とどれだけ親しかったか、お世話になったかなど亡くした悲しみを伝えてください。

故人への喪失感を共有するのが、遺族への慰めにもなります。ていねいな気持ちで語りかけましょう。

故人との思い出やエピソード

弔辞の中で一番大事な部分です。故人との関係性や生前のエピソードを伝えます。

故人の人柄がわかる話しや、ともに達成した出来事や苦労したエピソードを端的に話しましょう。ここではマイナスな話しは避けて、参列者や遺族が不快にならないように共感できる思い出にふれてください。

現在の自身の心境

故人を失った深い悲しみ、喪失感を語ってください。遺族へ寄り添う気持ちも一緒に話すといいでしょう。

いまだに信じられない気持ち、今は生前の思い出がたくさんよみがえって来ているなど、自分の気持ちに素直になって述べてください。

故人への別れと感謝の言葉

最後に、お別れの挨拶と感謝の言葉です。いわゆるこの世では二度と会えない、今生の別れとさよならを伝えます。

また生前一緒に過ごした感謝、これからは天国から見守ってほしいという語りも良いでしょう。

葬儀のお別れの言葉を書くときの注意点

葬儀 お別れの言葉 注意点

葬儀のお別れの言葉を書くときの注意点は3つあります。

  • 適切な長さにまとめる
  • 使ってはいけない忌み言葉に気を付ける
  • 宗教・宗派の使い分けに注意する

順番に1つずつ紹介します。

適切な長さにまとめる

弔辞を読む時間は3分くらいが目安です。文章の総数は800~1,000文字、原稿用紙で2~3枚が適切でしょう。

時間の感覚ではかなり短いように思われますが、話したい内容を書き上げてみると3分、2~3枚はすぐに行ってしまいます。

大切なのは簡潔に、わかりやすく話すのを心掛けてください。書きあがったら、一度音読をするのがよいでしょう。

使ってはいけない忌み言葉に気を付ける

葬儀の場では縁起の悪い、使ってはいけない忌み言葉があります。普段使っているものが該当する場合があるので、気を付けないとつい、使ってしまうので注意しましょう。

  • 重ね言葉 まだまだ、ますます、つぎつぎなど
  • 繰り返し・継続・強調の言葉 再度、これから、追伸など
  • 不吉なイメージの言葉 苦しむ、死ぬ、倒れるなど

こうした言葉は不幸が重なったり続くのを想起させ、死に直接ふれている言葉からも避けるべき言葉の数々です。

不安になったときは、必ず確認をしましょう。

宗教・宗派の使い分けに注意する

宗教・宗派によっても、お別れの言葉で使い分けが必要になったりします。基本的に供養や成仏などは、仏教式の葬儀のみで使ってください。さらに極楽浄土は浄土真宗のみです。

またキリスト教では死後に天に召されるのは神の世界に行く、喜ばしい出来事と考えられています。

こうしたそれぞれの宗教・宗派の注意点は事前に確認をし、遺族や参列者が不快にならないように注意しましょう。

葬儀でのお別れの言葉を読むときのポイント2つ

葬儀 お別れの言葉 読み方

葬儀でのお別れの言葉を読むときのポイントは2つあります。

  • ゆっくり話す
  • 難しい言葉は使わない

順番に1つずつ紹介します。

ゆっくり語りかけるように話す

お別れの言葉を述べるときは、ゆっくり語りかけるようにしてください。原稿を読み上げるのに集中しないように故人の遺影を見ながら、読み上げましょう。

文章を読むのではなく、語りかける気持ちがポイント。

また人前で話す緊張感から、早口になりがちです。何度か練習を重ね、ゆっくりと落ち着いて述べましょう。

難しい言葉は使わない

葬儀の場は、いわゆる形式的な厳かな雰囲気です。つられて文章や言葉も、難解な言葉をつい使ってしまう傾向にあります。

しかしお別れの言葉は、故人との最後の対話です。難しい言葉で、立派な文章を読み上げようとしないでください。

大事なのは参列者や遺族の心に伝わる言葉、故人への想いをまっすぐに話すようにしましょう。

葬儀でのお別れの言葉に関するよくある質問

葬儀 お別れの言葉 質問

葬儀でのお別れの言葉に関して、よくある質問をまとめました。

具体的に解説します。

弔辞の依頼は断れますか、弔辞の立候補はできますか?

弔辞の依頼は遺族が、故人との生前の関係の深さから選びます。親しかった友人や付き合いの深かった方、お世話になった方などです。遺族はこの人のお別れの言葉なら、故人も喜ぶだろうと考えての選出でしょう。

ですから、基本的には引き受けるのがマナーです。故人のためと思って快く引き受けましょう。

弔辞の立候補は遺族の決定次第ですが、可能です。しかし立候補したから必ず弔辞ができるわけではありません。

当日のスケジュールの都合で難しい場合も考えられます。あくまで決めるのは遺族なので、遺族の判断を尊重しましょう。

弔辞で冗談を言うのはNGでしょうか?

弔辞は故人を偲び、悲しみの気持ちを言葉で表すのが大前提です。しかし弔辞の中で故人の人柄が伝わる、プラスな印象を与えられるようなエピソードであれば差支えありません。

気になるようでしたら、遺族や葬儀スタッフに事前に確認するのが良いでしょう。参列者や遺族が、不快にならないかが大事な点です。

まとめ:葬儀でのお別れの言葉を学んで故人へ最後の言葉を伝えましょう

葬儀 お別れの言葉

葬儀でお別れの言葉を話すのは、故人と生前本当に親しかった、関係が深い方です。お別れの言葉は故人への最後のメッセージであり、遺族への慰めの気持ちを伝えるもの。

いつかは訪れるあなたにとっての大切な人との別れに備えて、葬儀でのお別れの言葉のマナーや書き方を学んでおくのは故人への最後の語りかけに必要なものです。

あなたも事前に備えておけば、急な弔辞の依頼にも適切に心を込めて対応できるでしょう。