葬儀のときの会社への連絡とは?伝え方から忌引きの注意点まで解説!
家族に不幸があったときに親戚や友人、知り合いに葬儀の連絡をする必要があります。
これらの連絡先の1つに、勤め先の会社にも連絡の必要があるでしょう。葬儀当日はもちろん、葬儀に至るまでの準備段階から休暇を伝えなければなりません。しかし葬儀のときの会社への連絡をする機会は、そう多くないと思います。
「会社への連絡方法はどうしたら良いんだろうか」
「会社に連絡する際は何を伝えたら良いんだろうか」
多くの方が会社への葬儀連絡に、さまざまな疑問を持っているでしょう。そこでこの記事では、葬儀の際の会社への連絡の方法や注意点、さらには忌引きの目安や休暇後の対応とあらゆる会社への対応方法を紹介します。
これさえ読めば自分が葬儀において会社へ連絡するときの心構えがわかり、会社への応対が適切に取れるでしょう。
目次
家族葬のときに会社へ連絡は必要なのか
通常の一般葬では、親戚や知人・友人の参列とともに会社関係の方も参列をするのが通例なので会社への連絡は必要です。一方近年増えている家族葬では、会社への連絡の扱いはどうでしょうか。
答えとしては、家族葬でも会社への連絡はするべきです。その理由は3つあります。
- 忌引き休暇に必要
- 会社によっては弔慰金がある
- いない間の仕事の引継ぎをしてもらう
家族葬で規模は小さくても、葬儀自体やその他の諸手続きをするのに日数が大切です。そのためには忌引き休暇を申請する必要がありますし、会社によっては従業員とその家族に対して弔慰金が支給される場合があります。
家族葬だからといって連絡をおろそかにするのではなく、会社へしっかりと連絡をしましょう。
葬儀を会社に連絡する方法と例文
葬儀を会社へ連絡する方法は、3つあります。
- 直接伝える
- 電話で伝える
- メールで伝える
それぞれ例文とともに、順番に解説します。
直接伝える
まずは所属している部署での直属の上司に口頭で伝えるのが、葬儀の連絡には望ましいとされています。伝えるべき要点は、全部で5つです。
- 誰が亡くなって、自分との関係性は何か
- 葬儀の場所と日時と時間
- 一般葬か別の葬儀スタイルかどうか
- 遠方の場合など休暇の必要日数
- 香典や供花の受入れ有無
口頭での葬儀の連絡は、以下を参考にしてください。
昨日父(母)が亡くなりました。通夜・告別式の場所は〇〇で、〇〇月〇〇日と〇〇月〇〇日に行います。ご迷惑をお掛けしますが、忌引き休暇を頂きたいと思います。また故人の希望で家族葬にて執り行う予定です。香典や供花などのお心遣いは不要です。忌引き中皆さんにはご迷惑をお掛けしますが、宜しくお願い致します。
上記は家族葬を念頭にした文例ですが一般葬の場合は香典や供花は通常に受け付けるので、あえて触れる必要はないでしょう。直属の上司が不在の場合は、直近の上司やさらに上役の上司へ伝えます。
電話で伝える
電話で伝えるときも口頭の場合と同様に、必要な情報を簡潔に伝えます。
お疲れ様です。〇〇です。昨晩入院中だった父(母)が夜遅くに亡くなりました。通夜・告別式は〇〇で行います。日程は通夜は〇〇月〇〇日、告別式は〇〇月〇〇日です。生前の父(母)からの希望で家族葬とさせて頂きます。ご了承ください。また香典や供花などのご厚誼は辞退させて頂きます。また忌引き休暇を頂きたいと思っております。休み中の連絡先は〇〇です。忌引き中はご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
電話で伝えるときは、早朝や深夜などの時間帯にも注意しましょう。日中に連絡できなければ、最短の翌日の連絡でも問題はありません。
メールで伝える
メールで伝える方法は、連絡の取りづらい時間帯に事前に伝えるのに有効な手段です。前もってメールを送信し、改めて電話にて連絡をするのが配慮ある行動でしょう。
〇〇様
夜分遅くに失礼いたします。かねてより入院していました父(母)が亡くなりました。下記ご報告致します。
故人:〇〇〇〇 (享年〇〇歳)
続柄:実父(母)
つきまして忌引き休暇の申請を致したく、お願い致します。
通夜:〇〇月〇〇日
告別式:〇〇月〇〇日
場所:〇〇
なお故人の希望により葬儀は近親者のみでの家族葬とさせて頂きます。香典や供花などのご厚誼は辞退させて頂きます。
休暇中の連絡先は〇〇にお願い致します。
喪主:〇〇
メールは口頭や電話での連絡より時間を問わず、連絡できる利点があります。先方がメールを見ない場合も考えられるので、電話でも必ず報告をしましょう。
葬儀を会社に連絡するときの注意点3つ
葬儀を会社に連絡するときの注意点は、全部で3つ。口頭や電話、メールのいずれの手段にも共通する大事な内容です。
- 早めに連絡をする
- 葬儀日程を伝える
- 弔問や香典の扱いを伝える
順番に解説します。
早めに連絡をする
まずは早めの連絡が、最も大事です。大切な家族が亡くなると大きな悲しみがあるのはもちろんですが、葬儀の準備や手続きなどで多忙な時間を過ごします。その中で会社への連絡はつい後回しになってしまいがちです。
しかし会社でも忌引きの申請や必要な手続きもあるので、時間を空けないで早めの連絡を心掛けましょう。
葬儀日程を伝える
葬儀日程を伝えるのも大事なポイントです。葬儀の形式を家族葬でやるのを決めていて会社関係の方の参列を予定していなくても、葬儀の日程は伝えましょう。会社の福利厚生の書類上、通夜・告別式の日程は必要である場合が多いです。
また通夜・告別式を実施しない、あるいは一日葬で済ますなど一般葬とは違う形式の葬儀をする場合も伝えたほうが良いでしょう。
弔問や香典の扱いを伝える
通常の一般葬であれば会社へ葬儀の連絡をした場合、会社側は葬儀への参列や香典を出すのが慣例です。葬儀を近親者や家族のみで行う家族葬などをするときは必ず、会社に伝えておきましょう。その中で、弔問や香典は辞退するといった内容を加えておきます。
自分がどういった葬儀をして故人を送り出したいかを決めて、それに合わせた形で会社への連絡も忘れずに行いましょう。
忌引き日数の目安とは
忌引き日数は、申請者本人と故人との関係性によって休暇の日数が変わってきます。忌引き休暇は特に法律などで決まっているものではなく、会社の福利厚生の一環として運用されている場合が多いです。どの会社にも必ず忌引き制度があるわけではないので、事前に会社の就業規則などで忌引き休暇の内容を確認しておきましょう。
忌引き休暇の目安は以下の通りです。
故人との関係性 | 日数 |
---|---|
配偶者 | 10日 |
実父・実母 | 7日 |
子供 | 5日 |
兄弟姉妹 | 3日 |
祖父母 | 3日 |
配偶者の父母 | 3日 |
叔父・叔母 | 1日 |
配偶者の兄弟姉妹・祖父母 | 1日 |
上記の日数とは別に喪主の場合は1日~2日が追加される場合があります。いずれも目安なので、会社に確認を取るのが良いでしょう。
忌引き休暇申請の注意点3つ
忌引き休暇申請のときの注意点は、3つあります。会社への申請なので、しっかり確認しておきましょう。
- 就業規則は事前に確認しておく
- 葬儀日程を知らせる
- 上司・同僚への仕事の依頼と詫びの伝達
順番に解説します。
就業規則は事前に確認しておく
忌引き休暇は、法律などで決まっているわけではありません。あくまでも会社の福利厚生の一環なので、就業規則で事前に確認しておきましょう。また正社員か派遣社員かなどの雇用形態でも変わってきます。
後でトラブルにならないように自分で判断をしないように、就業規則を確認したり人事部へ問い合わせをしましょう。
葬儀日程を知らせる
葬儀の日程の連絡は、忌引き休暇の申請にとって重要な項目の1つです。通常は一般葬を想定して忌引き休暇を受け付けるので、通夜・告別式の日程を伝えましょう。
自身が家族葬や一日葬などの一般葬とは異なる形式の葬儀を考えている場合も葬儀日程はあるはずなので、漏れずに連絡をしてください。
上司・同僚への仕事の依頼と詫びの伝達
会社への忌引き休暇の申請とは違いますが、上司や同僚へ休暇を取る際の仕事の引継ぎとお詫びを伝えるのも大切です。自分がいない間はどうしても、他の仕事仲間に仕事を引き継いでもらう必要があります。
特に喪主を務めるなどの長期で休暇を取る場合は、今後の円滑な仕事関係のためにも上司や同僚への配慮を心掛けましょう。
忌引き休暇後の対応とは
忌引き休暇後の会社への対応は、3つです。スムーズに仕事に戻れるように、理解しておきましょう。
- 上司や同僚へ忌引き休暇の詫びと仕事の感謝を伝える
- 弔電・香典返しなどのお礼をする
- 不在時の仕事の確認をする
順番に解説します。
上司や同僚へ忌引き休暇の詫びと仕事の感謝を伝える
自分が忌引き休暇中は、上司や同僚があなたの仕事を代理でやってくれています。休暇中の不在の詫びと仕事の代理の感謝を伝えましょう。職場の方に小分けにできる菓子折りなどを持って行くのも良いかもしれません。
またお悔やみの言葉を掛けられたら、「御迷惑をお掛けしました。おかげ様で無事に終わりました」などと返答するのがマナーです。
弔電・香典返しなどのお礼をする
葬儀に際して、弔電や香典をもらう場合もあります。この場合は必ず香典返しをしましょう。葬儀を無事に終えた報告と感謝を述べたお礼状を添えて、できれば直接会って手渡しするのが良いです。
葬儀で誰から香典をもらったのかを把握しておくのが、大切です。
不在時の仕事の確認をする
忌引き中の不在は、長い場合は1週間近くに及びます。仕事に戻ったときは、不在時の仕事の成り行きを必ず確認しましょう。上司や同僚が、代わりにしてくれた案件や途中の仕事があるかもしれません。
取引先に支障がないよう円滑に仕事に戻れるように、内容をチェックしましょう。
会社から香典をもらった場合はどうしたら良いか
会社から香典をもらった場合は、必ず香典返しをしましょう。ただし会社の福利厚生の一環として出される弔慰金は、お返しが不要です。弔慰金は会社の規定で支払われているものなので、もらった際は香典とは別に管理をするようにしましょう。
また香典とは別に供花や供物をもらう場合もありますが、これらのお返しは基本的に必要ないとされています。
まとめ:葬儀の会社への連絡は早く伝えましょう
突然の家族や近親者の不幸は受入れがたく、また悲しみに暮れてしまいます。そのような中でも葬儀に向けてはやるべき内容がたくさんあり、忌引き休暇が必要です。
そのためには葬儀の会社への連絡はなるべく早く、葬儀内容を確実に伝えるのが大切です。最近では家族葬や一日葬など一般葬とは違う形式を取る葬儀が増えてはいますが、葬儀形式の伝達も含めて会社への連絡は必ずします。
葬儀前も葬儀後も円滑に仕事が進められるように、会社への連絡方法などを確認して葬儀を無事に行えるようにしましょう。