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葬儀の準備の流れは?やることや通夜と葬儀・告別式の流れを解説!

「葬儀の準備って何をすればいい?」

「葬儀の流れがわからない…」

「通夜と葬儀・告別式では準備に違いがある?」

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。

ある日突然人が亡くなるケースは多く、急な葬儀で慌てる方も多いかも知れません。

結論、葬儀の準備の流れを知っておけば、深い悲しみの中にある状態でもやるべきことを押さえやすくなります

今回は葬儀の準備の流れや、やるべきことのポイントを具体的に解説。

最後まで読めば、突然の訃報を受けたときも、落ち着いて行動しやすくなるでしょう。

目次

葬儀までの準備の流れ

葬儀までの準備の流れ

葬儀までの準備は多岐に渡るものの、大まかに理解しておきたい点は以下のとおりです。

  • 死亡診断書を発行してもらう
  • 故人の処置・搬送
  • 親族や親戚などへ連絡
  • 納棺

ここから具体的に解説します。

死亡診断書を発行してもらう

故人が亡くなったあとは、まず医師に報告し、死亡診断書を発行してもらうのがポイントです。

亡くなった場所によって、以下の通り依頼方法は異なります。

  • 病院:担当医に依頼
  • 自宅:かかりつけ医に依頼。いない場合、警察か救急隊に連絡

費用は病院によって異なるのが特徴で、3,000円から1万円が目安となります。死亡診断書を取得したあとは、死亡届の欄に必要事項を記入・捺印しましょう。

死亡の事実を知った日を含め、7日以内に「死亡者の本籍地・死亡した場所・届出人の居住地」のいずれかの市区町村役場に提出する必要があります。

故人の処置

死亡診断書を発行したもらったあとは、故人を処置する流れとなります。故人を処置する内容は、具体的に以下の表のとおりです。

処置方法具体的な内容
末期の水・故人に水を含ませる行為
・死に水ともいわれる
・故人が生き返ることや、死後の世界で飢えないことの願いが込められている
・仏教に限らず、他の宗教でも行われるケースもある
清拭・故人の体の中で、露出している部位をアルコールで丁寧に拭くこと
湯灌・故人の身体や髪を洗うこと
・悩みや煩悩を洗い落とし、成仏できるようにとの願いも込められている
エンバーミング・殺菌消毒や修復などをしたあとで、化粧をすること
・生前に近い状態で故人を見送れる
着替え白い浴衣や故人が好んでいた衣服などを着せること
死化粧・髪の毛をとかしたり化粧を施したりすること
・女性のみでなく、男性にも薄化粧を施すようになってきている

故人の搬送

故人に処置を施したあとは、遺体を搬送する流れとなります。24時間は火葬できないと法律で定められていることから、自宅か葬儀社で一時的に安置しましょう。

病院には霊安室があるものの、長時間に渡り安置させてもらうことは難しいものであると、理解しておくのがポイント。

親族で搬送することも可能ですが、搬送中のトラブルを防止するうえでは、専門の業者に依頼するのが望ましいです。

親族や親戚などへ連絡

故人を搬送したあとは、親族や親戚など近しい関係のある方に訃報を伝えましょう。訃報を伝えるときに効果的なのは電話で、早く確実に連絡できます。

両親や子どものほか、近親者となる範囲は具体的に以下のとおりです。

  • 配偶者の兄弟姉妹
  • 伯父・叔母
  • 甥・姪
  • 曾孫

優先的に連絡するとよいのは遠方に住む近親者で、移動に時間がかかるためです。

斎場の日時についてはFAXやメールなどを利用すると、伝達ミスを防ぎやすくなります。

納棺

納棺とは故人を棺に納める儀式のことで、思い出のものを一緒に入れるのが特徴です。地域や家庭によって異なるものの、一般的には親族や友人など、故人と親しい関係にある方のみで行われます。

以下のとおり棺の中には入れられないものもあるため、注意が必要です。

  • ビン類
  • 缶類
  • 金属類
  • 現金

基本的に、燃えない素材のものは棺にも入れられないと理解しておくとよいでしょう。

【葬式1日目】通夜の準備の流れ

【葬式1日目】通夜の準備の流れ

通夜は葬式1日目に執り行われるもので、準備の流れは以下のとおりです。

  • 準備の最終確認
  • 受付準備
  • 受付開始
  • 通夜の開始
  • 読経・焼香
  • 通夜の終了

ここから具体的に解説します。

準備の再確認

通夜の準備で優先的にやるべきことは、以下の事項が抜けていないかの確認です。

  • 供花の並べ方:上段より交互に右、左の順番で並べていく
  • お礼状や返礼品の数:足りなくなった場合、ギフト専門店から即日発送する方法も
  • 葬儀全般を仕切ってもらえる世話役:規模の大きな葬儀では複数名必要

葬儀ならではの決まりやマナーなどがいくつもあり、葬儀会社の担当社や親族とコミュニケーションを取りながら確認すると安心できます。

受付準備

通夜の開始時刻1時間から2時間前を目安に、喪主と遺族は受付の準備を始めましょう

受付で必要なものは、具体的に以下のとおりです。

  • 芳名帳
  • 筆記用具
  • 香典受け
  • 名刺受け

芳名帳とは、参列者の方に住所と名前を書いてもらう名簿のこと。なるべく使いやすい場所に必要な備品類を配置しておくと、効率的に受付を進められるでしょう。

現金を扱うことから、受付の担当者に関しては主催者側で用意します。

受付開始

通夜が始まる30分前くらいを目安に、受付を開始しましょう。受付で求められる役割とは、具体的に以下のとおりです。

  • 芳名帳の記帳のお願いと、参列者が持参する香典を受け取る
  • 受付まで参列者を案内する
  • コートや携帯品などを預かる
  • 返礼品を渡す

通夜の開始15分前くらいになると、喪主や遺族は自分の席に座るのがポイントです。

通夜の開始

通夜の開始時刻の数分前になると僧侶が入場し、通夜の開式となります。地域や宗教によって異なるものの、起立して僧侶を迎えるケースも。

一般的に、通夜の開始時刻は18時から19時となっており、仕事帰りのタイミングでも参列しやすいといえます。

読経・焼香

通夜が始まると、まずは僧侶の読経となります。宗派や僧侶によって異なるものの、読経の時間の目安は30分から1時間程度で、終了したあとに焼香をする流れです。

葬儀会社の指示により、焼香が開始されます。焼香は一般的に、焼香する順番は遺族、親族、一般の参列者で、席順となります。

通夜の開始前に、席順をしっかりと決めておくことは重要なポイントです。

通夜の終了

読経のあとに僧侶が退場すると、通夜の終了です。僧侶からの法話がある場合、法話が終わったあととなります。

通夜の終了時間は、通夜開始より1時間から1時間30分程度あとが目安です。

通夜終了後は、参列してもらった方に対してお酒や食事を提供する「通夜振る舞い」をするケースもあります。

通夜振る舞いの所要時間は、1時間ほどです。

【葬式2日目】葬儀・告別式の準備の流れ

【葬式2日目】葬儀・告別式の準備の流れ

葬式2日目に行われる葬儀・告別式の流れは以下のとおり。

  • 準備
  • 受付開始
  • 開式
  • 僧侶の読経・弔辞と弔電の読み上げ
  • 焼香
  • 閉式
  • 出棺
  • 火葬
  • 骨上げ
  • 還骨法要
  • 精進落とし

ここから具体的に解説します。

準備

葬儀・告別式が始まる2時間から1時間ほど前に喪主や遺族は集合し、準備をする流れとなります。葬儀・告別式は午前中に執り行われる傾向にあり、一般的に火葬する時間をもとに計算されるのが特徴です。

喪主は以下の内容について、改めて確認する必要があります。

  • 弔電を読む順番
  • 焼香の順番
  • 挨拶の内容など

準備をしっかりしておけば、余裕を持って葬儀・告別式を迎えやすくなるでしょう。

受付開始

開式時間の1時間ほど前になったとき、受付を開始します。

葬儀開始の15分ほど前になると、喪主や遺族は席に着席するとよいでしょう。

開式

僧侶が入場したあとで、葬儀会社の担当者の司会により、葬儀の開式が告げられます。

開式時間の数分前に、僧侶が入場。葬儀の進行時間を気にしつつ、葬儀会社の担当者の指示に従いましょう。

僧侶の読経・弔辞と弔電の読み上げ

葬儀が始まると、僧侶の読経となります。

読経が終わったあとは、以下の通り弔辞と弔電を読み上げる流れです。

  • 弔辞:故人と深い関係に合った方が、霊前で読む手紙のこと
  • 弔電:参列できない方が送る電報のこと

弔電を読み上げる順番は、一般的に親族から会社関係者となります。

複数の弔電が届けられている場合、数通のみ本文を読み、残りの弔電に関しては肩書と名前のみ紹介するのが特徴です。

焼香

僧侶の読経が再び始まると、焼香をする流れとなります。焼香は葬儀会社の担当者の指示に従いましょう。

故人の信仰する宗派に応じて、焼香の方法が異なるケースもあり、事前に確認しておくと安心できます。

閉式

参列者の焼香と僧侶の読経が終わり、司会者が閉式の辞を述べると、葬儀の閉式となります。

以下の通り、花入れの儀や釘打ちの儀をする流れです。

  • 花入れの儀:遺族や親族などが棺にお花を入れること
  • 釘打ちの儀:故人と深い関係にある順番で2回釘を打つこと

宗派によっては、釘打ちの儀をしないケースもあります。

出棺

続いて、遺族や親族によって棺が霊柩車に乗せられる流れとなります。

火葬場に行くのは遺族や親族、故人と深い関係にあった方に限られるのが特徴です。

一般参列者にとっては、故人とお別れする最後のときとなります。

火葬

火葬場へ到着したあとは、僧侶による読経と、親族や遺族による最後の焼香。火葬は「納めの式」といわれており、火葬炉の前か専用の空間で行われるのが特徴です。

時間の目安は5分から10分程度で、終わったあとで火葬炉に納める流れとなります。

骨上げ

火葬が終わると、遺骨を箸で拾う骨上げをします。骨上げとは「骨揚げ」や「拾骨」などともいわれています。

まず喪主が骨上げをし、血縁の深い順番でする流れで、2人一組になり脚の骨から順番に骨壷へ納めていきましょう。

還骨法要

骨上げのあとは、遺骨を自宅などに持ち帰り行われる「還骨法要」となる流れです。

遺骨のほかに遺影や位牌、線香などを机に置き、故人を供養することを還骨法要といいます。僧侶の読経と焼香が行われ、時間の目安は30分程度です。

近年では、繰り上げで初7日法要や四十九日の法要をするケースもあります。

精進落とし

還骨法要のあとは、会葬者や僧侶に感謝の意を表すための食事会「精進落とし」をする流れです。精進落としは遺族から参列者に対して、おもてなしをする場面。

故人が亡くなってから、49日目の忌明けにするのが本来の習わしではあるものの、近年では意味やタイミングが変わってきています。

葬儀までにやること6つ

葬儀までにやること6つ

葬儀までにやるべきことの中で、特にポイントとなる点は以下の6つです。

  • 喪主を決める
  • 日程を決める
  • 精進料理やお菓子などを手配する
  • 葬儀の種類を決める
  • 葬儀会社を決める
  • 遺影を決める

ここから具体的に解説します。

喪主を決める

葬儀までにやるべきこととして、喪主を決めることがあげられます。喪主の決め方に関しては明確なルールがなく、臨機応変に対処することになるでしょう。

故人の配偶者や子ども、両親、兄弟などから喪主を選ぶこととなります。以前では男性が優先される傾向にあったものの、近年では故人との関係性に応じ、性別に関係なく決められる傾向に。

葬儀に限らず、喪主に選ばれた方は法要なども主催する点を押さえたうえで、判断するのが望ましいです。

日程を決める

葬儀までにやるべきなのは、日程を決めることです。一般的には、故人が亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式となります。

ただし、以下の通り日程を決めるうえで考慮すべき点があり、調整を求められるケースも。

  • 僧侶のスケジュール
  • 火葬場の空き状況
  • 六曜
  • 遠方に住んでいる親族の移動時間など

特に優先して考えるとよいのは、火葬場の空き状況や僧侶のスケジュールなどです。

スケジュールに空きがない場合、葬式を行えないためです。

精進料理やお菓子などを手配する

葬儀までには、精進料理やお菓子などを手配する必要があります。精進料理を選ぶときのポイントは、具体的に以下のとおりです。

  • 幅広い年代に好まれやすいものを選ぶ
  • なるべく一人一膳にする
  • お祝いごとで用いられる鯛や海老などの料理を避ける
  • アルコールやジュースなどの飲み物を揃える

精進料理の金額の目安は4,000円から1万円程度です。お菓子を用意する必要があるのは、火葬場での待ち時間。

火葬が終わるまでは1時間以上時間がかかることから、お茶菓子を用意しておくと望ましいです。

葬儀の種類を決める

葬儀までに決める必要があるのは、葬儀の種類。葬儀の種類は大きく以下の4つに分けられており、予算や規模に合わせて選べるためです。

  • 一般葬:親族や知人など幅広い参列。広い会場や食事の手配などが必要
  • 家族葬:親族のみの他、親しい友人数名程度が参列するケースも
  • 一日葬:お通夜なしで、告別式から火葬までを1日で執り行う
  • 直葬:病院から火葬場まで直行するもの

一般葬か家族葬を選択するケースが大半ではあるものの、一日葬や直葬を選ぶ方もいます。

葬儀会社を決める

葬儀までにやるべきことは、葬儀会社の選定があげられます。葬儀会社によって料金や葬儀の形式などが異なり、希望する葬儀をするうえで重要なポイントの一つです。

葬儀会社を決定するときは、口コミ評判をチェックすると判断しやすくなります。よい口コミ評判が多い葬儀会社を選ぶと、安心して葬儀を任せられるでしょう。

近年では、故人が亡くなる前に葬儀会社について相談したり、決めておいたりするケースもあります。

遺影を決める

葬儀までにやるべきことの一つは、遺影を決めることがあげられます。遺影とは、葬儀の祭壇上に飾られる故人の写真のことです。

遺影を決めるうえでは明確な決まりがなく、比較的自由に選べるといえます。遺影として望ましい写真とは、具体的に以下のとおりです。

  • 亡くなる数年前の写真
  • 故人らしさが伝わる写真
  • 自然で明るい表情をしている写真

専門の業者や写真館などで遺影の撮影に対応してもらえます。

予算に合わせて、プロに依頼するのも一つの方法です。

まとめ

まとめ

葬儀の準備の大まかな流れや、通夜と葬儀・告別式の流れの違いなどについて解説してきました。

突然の訃報を受け、深い悲しみにある状況で、慣れない葬儀の準備をするのは大変かも知れません。

葬儀の流れややっておくべきことを理解しておけば、故人との最後のお別れを落ち着いた気持ちで迎えやすくなります

「不謹慎ではないか」と不安になる必要はなく、遺影や葬儀会社を決めるなど、できる範囲でやっておくのも一つの方法です。

本記事を参考に、葬儀の準備に関する不安を解消してもらえれば幸いです。