家族葬の葬儀費用の相場とは?費用を安く抑える方法や注意点を解説!
葬式は遺族・親族以外に会社関係や友人などが集まる一般葬が通常です。しかし最近では、家族のみで行う小規模の家族葬が増えています。家族葬は規模が小さく、費用も安いイメージがありますが果たしてどうでしょうか。
「家族葬を考えているけど、葬儀費用はどれくらいだろう」
「家族葬するのにどうしたらいいだろう」
このような悩みを持った方がいるかもしれません。この記事では家族葬の葬儀費用の相場や内訳、さらに安く抑える方法まで解説します。
これさえ読めば家族葬をするときの悩みを解決できるでしょう。
目次
家族葬の費用は40万円~150万円程度
家族葬の費用は参列者や葬儀の規模、準備する葬儀品によって変わってきます。人数は数名~多くて30名程度です。
葬儀費用は40万円~150万円と幅があり、平均金額は100万円前後といわれています。また200万円近く掛ける地域もあり、地域差が大きいのも特徴です。
コロナ禍を経て生活様式も変わり、家族葬を選んで費用を抑えたいと考える人は増えています。
家族葬と一般葬の違い
家族葬と一般葬に実は、明確な定義はありません。しかし両者には多くの違いがあります。違いは以下の通りです。
家族葬 | 一般葬 | |
---|---|---|
葬儀の中身 | 一日で全てを終わらす形態もある 喪主次第で簡略化も可能 | 一般的な通夜から告別式までの2日間 |
参列者と人数 | 家族や親族などごく少数 家族単位~30名くらい | 遺族から会社関係・知人などあらゆる関係者 最低でも50名以上が一般的 |
香典の有無 | 身内のみでは香典を辞退する場合もある | 香典があり、香典返しとお礼状まで通常の形態 |
葬儀費用 | 40万円~150万円 | 140万円~200万円 |
近年では大人数を避け、近親者のみで故人との時間をゆっくり取れる家族葬を選ぶ方が増えています。
家族葬で掛かる主な費用3つ
家族葬で掛かる主な費用は以下の通りです。
- 葬儀自体の費用:40万円~80万円程度
- 寺院や僧侶へのお布施やお礼の費用:20万円程度
- 参列者への飲食・返礼品の費用:20万円~40万円程度
順番に解説します。
葬儀自体の費用:40万円~80万円程度
葬儀は故人を安らかに送る大事な行事です。どんな形態であれ最低限掛かるものがあります。
- 会場、斎場の費用
- 家族葬を行うための人件費
- 故人を安置する祭壇や棺
- 故人を送る霊柩車や火葬場費用
これらは葬儀一式費用と呼ばれ、規模でも変わりますが40万円~80万円が相場です。また葬儀会社に依頼したときには、上記の項目が含まれるかどうかを確認しましょう。中には葬儀社のプランに含まれていなかったり、公共施設を利用した方が安かったりする場合があります。また自宅で行う場合は、会場費用も省けます。
家族葬でもプロの手は必要なので、故人のための費用は考慮しておきましょう。
寺院や僧侶へのお布施やお礼の費用:20万円程度
故人の供養をしてもらったときのお礼の費用が必要です。お布施やお礼の金額は「お気持ち」と言われ難しいですが、20万円程度が相場と言われています。ちなみに仏教ではお布施、神道では神饌料、キリスト教では献金と呼んでいますが、中身は同じです。
また車代という、供養者が来てくれた場合の交通費もあります。いずれも宗教上で故人を偲ぶための行事には、お礼の費用がかかります。
参列者への飲食・返礼品の費用:20万円~40万円程度
参列者へのお返しとして当日の飲食、精進落としや直会(なおらい)があります。キリスト教には、葬儀後の飲食の慣習はありません。参列者の人数によって金額の幅がありますが、20万円~40万円と言われています。
また参列者への返礼品、香典返しも葬儀費用のプランに含まれていますが、参列者人数や返礼品の程度で大きく変わるので葬儀社へ確認をしましょう。
家族葬のメリット・デメリット
近年増えている家族葬は費用が安くなるなどメリットが大きく取り上げられていますが、デメリットもあります。ここではメリットとデメリットを解説します。
両方の側面を知れば、後悔なく選択ができるでしょう。
家族葬を選ぶメリット
家族葬を選ぶメリットは以下の通りです。
- 葬儀費用を安く抑えれらる
- 行事に集中せず故人を偲ぶ時間がしっかり取れる
- 参列者の対応が少なく、遺族の負担が少なくて済む
家族葬は葬儀費用を一般葬に比べて、安く抑えられます。参列者が少なければ葬儀費用も減るからです。規模によっては100万円近く変わる場合もあります。
また段取りもしっかり葬儀社と打合せができ、柔軟な対応が可能です。参列者も家族や親族が中心なので気配りを多く取る必要もなく、精神的に負担が少なく済みます。
家族葬は金銭面、精神面の負担が少ないのが大きなメリットです。
家族葬を選ぶデメリット
一方の家族葬のデメリットは以下の通りです。
- 家族葬を理解してもらえず、葬儀後の対応が増える場合がある
- 一般葬ではある香典が家族葬ではほとんどなく、香典費用を葬儀代に充当できない
葬式行事は、伝統的な故人を偲ぶ行事です。深い悲しみが家族にはあるでしょうが、故人にお別れを言いたい気持ちは、ご縁のあった方や生前お世話になった方も当然持っています。そんな中で家族葬は閉鎖的、配慮が足りないと思われてしまうかもしれません。結局葬儀後に、その対応に追われる可能性もあります。
また一般葬で参列者から頂く香典がほとんどなく、葬儀費用の持ち出しが多くなる場合もあります。
これらデメリットも踏まえて家族葬の選択肢を考えてください。
家族葬の費用を安く抑える方法5選
家族葬の葬儀費用はもともと安いですが、紹介する5つを実践してより安くできます。
- オプションを選ばずシンプルに済ます
- 無宗教の形でお布施やお礼費用を省く
- 葬儀の生前予約の特典を利用する
- 参列者の参加人数を抑えたり会食を省く
- 自治体の還付金制度があれば利用する
順番に解説します。
オプションを選ばずシンプルに済ます
葬儀費用は葬儀に必要なものが、セットになって販売されています。オプションでは、祭壇や返礼品や棺が豪華になったりします。しかし基本のセット価格からオプションを追加せずに、シンプルなプランを選ぶのが安くするコツです。
また葬儀社のアドバイスにも全て従うのではなく、自分で調べて必要なものだけを選びましょう。オプションを追加しなくても基本的なセットで葬儀を行うのは十分可能です。
あくまで自分が必要と思うものには支払い、不必要なオプションは追加しないようにしましょう。
無宗教の形でお布施やお礼費用を省く
宗教的な形で葬儀を行うと、供養をしてくれる僧侶などにお布施やお礼の費用が発生します。しかし無宗教での葬儀では、お布施やお礼は発生しません。葬儀の段取りや流れは、喪主が自由な形を選べます。
ただし菩提寺がある場合は、事前に自由葬を選ぶのを伝えておくなどの注意が必要です。あとで納骨でのトラブルになりかねません。
葬儀の生前予約の特典を利用する
葬儀社には葬儀の生前予約の制度があり、葬儀費用の割引があるのでうまく活用するのも安く抑えるコツの1つです。事前に相談をすれば価格や葬儀内容をしっかり確認でき、納得のいく葬儀を執り行えます。
最近では終活のエンディングノートなどでこんな葬儀にしたい、誰を呼んで欲しいなど自分の葬儀を自分らしくしたいと考える人も増えています。
葬儀内容を家族で話すのはコミュニケーションも深まるうえ、お互いの考えがわかってメリットが大きいです。ぜひ葬儀の事前予約を活用してみましょう。
参列者の参加人数を最小限にし、会食を省く
参列者の参加人数を少なくして、会食を省くのは最もシンプルな方法です。もともと家族葬は、参列者をできるだけ限定する葬式です。もし家族以外で参列される方がいれば、人数を把握し会食はしないと事前に伝えましょう。
自治体の還付金制度があれば利用する
故人が加入していた保険の種類にもよりますが、埋葬料が自治体によって1~7万円くらいの範囲で給付金制度の適用を受けられます。給付金を受けるには、書類の手続きや証明が必要ですし、期限もありますので注意しましょう。
こうした申請は、自分で申請しないと給付はされません。事前に自治体や葬儀会社などに相談をしておくのが良いでしょう。
家族葬を選んだときに気を付けること
家族葬はメリットも多く選ばれている葬儀の新しい形ですが、次の2点に注意しましょう。
- 家族葬の費用は香典を当てにできない
- 家族葬のプランに何が含まれているか事前に確認する
順番に解説します。
家族葬の費用は香典を当てにできない
家族葬では参列者が少ないので、頂く香典も少なくなります。通常頂いた香典は葬儀費用に当てる方が多いですが、家族葬ではそれができません。
家族葬をするときは、自分で葬儀費用をある程度準備する必要があります。一般葬より安く済むのが家族葬ですが、葬儀費用に香典を当てにできないのは注意しましょう。
家族葬のプランに何が含まれているか事前に確認する
家族葬のプランには、葬儀の準備から終わりまでに必要なものが含まれています。しかし、プラン内容を確認しないのはNGです。基本的なものはプランに含まれていますが、自分の葬儀に不必要なものもあるかもしれません。
スムーズな家族葬ができるように、プランに何が含まれているかをしっかり確認しましょう。
まとめ:家族葬の葬儀費用を理解し、大切な故人とのお別れの時間を取ろう
近年増えている家族葬は、葬儀費用の明細も分かりやすく提示されて安く抑えられます。またプランには家族葬に必要なものがしっかり含まれていて、喪主が1つ1つに悩む場面も少ないでしょう。
忙しく過ぎてしまう一般葬と違い、家族葬は故人との最後の時間をしっかり送れます。ぜひ家族葬を理解し、故人との時間と家族との大切な時間を過ごしてください。