葬儀の案内状の書き方とは?書くときのマナーや例文も徹底解説!
大切な人が亡くなり葬儀を行う際、葬儀の案内状を送ります。葬儀の案内状は送るタイミングによって内容が違ったり書き方にもならわしがあったりと、ほとんどの人が未経験で戸惑う方が多いでしょう。
「葬儀の案内状には書き方はどうしたら良いだろうか」
「葬儀の案内状を書くときのポイントはあるだろうか」
このような悩みを持つ方は多いかもしれません。そこでこの記事では葬儀の案内状の書き方を中心に、書くときのマナーや案内状の種類や例文までを解説します。
最後まで読めば、葬儀の案内状の書き方のマナーや常識を理解できるでしょう。
目次
葬儀の案内状の書き方ポイント7つ
葬儀の案内状の書き方は、ポイントが7つあります。
- 句読点は使わない
- 文面は縦書きが基本
- 忌み言葉に注意する
- 時候の挨拶や頭語や結語に関して
- 年数は元号を使う
- 香典や供花の受け取りについて書く
- 案内状は早めに出す
書き方を間違えると失礼にあたるので、注意しましょう。順番に解説します。
句読点は使わない
葬儀の案内状では句読点を使わないのがマナーです。句読点を使わない理由は3つあります。
- 日本での書状は元来、毛筆で書かれていたため
- 句読点は横書きでの習慣なため
- 句読点は区切れ=縁切れを連想させるため
日本では古来より巻物の書状を使い、縦書き・毛筆で書いてました。毛筆では「続け字」や「崩し字」で書き、句読点は使いません。そのならわしが今でも残り、葬儀の案内状では句読点は使わないというマナーになりました。
また句読点は、区切りで縁切れをイメージさせ縁起が悪いとされています。句読点の代わりに適切に改行やスペースを使って、文章の体裁を整えましょう。
文面は縦書きが基本
葬儀の案内状の文面は縦書きで書きます。日本は中国から伝わって来た漢文に即して、縦書きで文章を書く習慣が始まりました。和歌や俳句、むかしの書状などは全て縦書きで書かれているのが今でも見てわかるでしょう。
葬儀の案内状も書面で伝える観点から、縦書きが基本です。
忌み言葉に注意する
忌み言葉とは縁起が悪い、不幸を招くとされる言葉で葬儀の案内状では使用を避けるべきとされています。
- 重ね言葉…ますます、たびたび
- 繰り返しの言葉…追って、ますます
- 不吉なイメージの言葉…大変、苦しむ、苦しいなど
こうした言葉は不幸が重なる・縁起が悪いとされ、葬儀の案内状では使ってはいけません。普段から使う言葉が多いので、気を付けましょう。
時候の挨拶は基本的に不要/頭語や結語は記載しても問題ない
葬儀の案内状では、時候の挨拶は必要ありません。「残暑の候」や「早春の候」など季節感は不要です。ただし法事・法要の案内状では、時候の挨拶を入れる場合もあります。
また頭語と結語に関しては、書いても問題はありません。書く場合は、「謹啓ー謹白・敬具」など頭語と結語のセットで書くようにしましょう。
年数は和暦かつ漢数字で記載
葬儀の案内状では、故人の逝去した日時を記載します。その年月日は西暦(2023年)ではなく、必ず和暦(令和5年)で書きましょう。
また数字も全て漢数字で書くのが通常です。つまり、2023年の案内であれば「令和五年」と記載するのが正しいです。
香典や供花の受け取りについて書く
葬儀への参列では、香典を持って行くのが一般的です。しかし最近では家族葬の実施や香典返しの負担軽減の観点から、香典や供花を辞退する葬儀もあります。
葬儀で香典や供花を辞退する場合は、その内容を事前に記載するのがマナーです。
案内状は早めに出す
最後は案内状を出すタイミングです。葬儀のギリギリのタイミングで出すのは失礼になるので、早めに出すのを心掛けましょう。特に遠方から葬儀に参列する方には、日程の余裕が必要です。
参列する方の都合も考えて、早めに出しましょう。
葬儀の案内状は4種類
葬儀の案内状は、出すタイミングによって4種類に分けられます。
種類 | 送るタイミング |
---|---|
訃報連絡と葬儀の案内状 | 葬儀を行う前に出す |
葬儀参列のお礼状 | 葬儀の後に出す (参列した方のみ対象) |
葬儀実施の報告案内 | 葬儀の後に出す (参列していない方のみ対象) |
法事・法要の案内状 | 四十九日法要や年忌法要の前に出す |
順番に解説します。
訃報連絡と葬儀の案内状
葬儀を行う前の案内状は、訃報連絡と葬儀実施の連絡です。訃報は親族や友人、会社関係などに連絡します。同時に葬儀に参列してもらいたい人に、葬儀連絡を行いましょう。
記載するべき内容は以下の項目です。
- 故人の名前・年齢
- 故人の逝去した日時
- 生前の感謝
- 葬儀の日程・場所
- 喪主の名前・連絡先
また家族葬を予定して参列を遠慮してほしい場合には、「近親者のみで行います」と一言書いて出します。あわせて香典や供花を辞退する場合も同様に、相手がはっきり分かるように「遠慮する」と書いておきましょう。
葬儀参列のお礼状(会葬礼状)
葬儀参列のお礼状は、会葬礼状と呼ばれています。本来は後日葬儀参列のお礼挨拶回りをするのがならわしでしたが、現在では会葬礼状で参列の感謝を伝えるのが通例です。
弔電や供花を送ってくれた方にはお礼状はハガキで送り、直接参列してくれた方にはお礼状を添えて香典返しを渡します。
葬儀実施の報告案内
最近では社会情勢や葬儀に対する考え方の変化から、一般葬ではなく家族のみでの家族葬が増えてきています。家族葬を実施したときに葬儀を行った報告をするのが、葬儀実施の案内状です。
会社関係者や故人の友人・知人に生前お世話になった感謝を伝えます。一般葬なら参列したいと考えている方もいるので、後でトラブルにならないように葬儀終了後の早めに出しましょう。
その際には、家族葬で実施した・案内が遅れたお詫びなどを添えて書きます。また年末に近いときは寒中見舞いや喪中ハガキで代用し、年始の挨拶を遠慮すると同時に逝去の連絡をするといった方法も用いられます。
法事・法要の案内状
四十九日法要やその後の年忌法要の参列を知らせる案内状です。年忌法要の参列は家族や親族が中心ですが、故人と関係の深かった友人などの参列もあります。
そうした親密だった方に参列をお願いしたいときに案内状を送ります。
記載するべき内容は以下の項目です。
- 故人名
- 法要の日数・年数
- 実施場所・時間
- 主催者の名前・連絡先
- 参列の可否確認
相手のスケジュールの都合も考えて、実施の1ヵ月前くらい前には案内をするのがマナーです。
葬儀の案内状の書き方例文4選
葬儀の案内状の書き方の例文を4つ紹介します。ある程度は定型文なので例を参考にして書けば、問題ありません。
訃報連絡や葬儀の案内状の例文
訃報連絡や葬儀の案内状の例文は以下の通りです。
父(母)〇〇は令和〇年〇月〇日永眠致しました
故人に対する生前のご厚誼に深謝申し上げます 尚 葬儀は下記のとおり行います
通夜式 令和〇年〇月〇日〇時より
告別式 令和〇年〇月〇日〇時より
葬儀会場 〇〇
喪主 〇〇〇〇
連絡先 〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
令和〇年〇月〇日
〇〇〇〇(喪主名)
主に記載すべき内容は「逝去した事実」と「葬儀の案内」の2点です。葬儀の案内については日時と会場を詳細に記載しましょう。
葬儀参列のお礼状例文
葬儀参列のお礼状の例文は以下の通りです。
〇〇様
この度はご多忙にもかかわらず 亡〇〇の葬儀にご参列いただきまして誠にありがとうございました
過分なお心遣いを頂き心より御礼申し上げます おかげさまで葬儀を無事につつがなく済ませることができました
故人の生前同様 今後ともご厚誼賜りますようお願い申し上げます
本来であれば直接伺って お礼を申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中にて失礼致します
喪主 〇〇〇〇
葬儀参列のお礼は本来は直接訪問して挨拶を述べるのが正式ですが、現代では書中でのお礼状が通例です。
葬儀実施の報告例文
葬儀を実施した内容を伝える例文は以下の通りです。
父(母)〇〇〇〇 儀 が 去る〇月〇日 〇〇歳にて永眠いたしました
ここに故人が生前賜りましたご厚誼に対し深謝申し上げます
尚 葬儀につきましては 故人の遺志により 近親者のみにて執り行いました ご連絡を遅れましたことを深くお詫び申し上げます 略儀ながら謹んでご通知申し上げます
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇
家族葬を行ったときは参列を予定していた方もいるので、早めに出すのがマナーです。
法事・法要の案内状例文
法事・法要の案内状の例文は以下の通りです。
謹啓
時候の挨拶 貴家益々ご清祥のこととご推察申し上げます
この度亡父(母)〇〇〇〇の〇〇忌法要を執り行います ご多忙の中僭越ですがご参列頂きたくご案内申し上げます
敬具
記
日時 令和〇年〇月〇日 〇〇時から
場所 〇〇
法要後は粗酒粗餐を準備しております
令和〇年〇月〇日
連絡先 〇〇〇〇
施主 〇〇〇〇
法事・法要の挨拶では頭語と結語、時候の挨拶を書いても問題はありません。
また文頭では、送り先への挨拶文を添えるのも通例です。他にも、法事・法要を行う場所や時間、法要後の食事があれば記載しましょう。
まとめ:葬儀の案内状の正しい書き方を知って案内しましょう
葬儀の案内状は、出すタイミングによって内容が大きく変わります。また文章であればこそルールやマナーを守って書かないと、特に年配の方からはマナー違反とされてしまうでしょう。
長年培われてきたマナーは、お互いのコミュニケーションを円滑にする上でも大事なものです。葬儀の案内状のルールや書き方を知って、気持ちのこもった案内状を出しましょう。