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葬儀での食事とは?通夜振る舞いや精進落とし・家族葬での食事も解説!

葬儀を行うときには参列された方への感謝の気持ちと故人を偲ぶ場として、食事を振る舞う場面があります。しかし葬儀での食事は場面や予算、マナーなど知っておくべき内容が多いです。

「通夜振る舞いや精進落としはどんな食事を準備したら良いだろう」
「一般葬以外での食事はどうしたら良いだろう」

予算もあるし、参列者に失礼があってはいけないしと悩みは尽きないでしょう。そこでこの記事では一般葬での通夜振る舞いや精進落としについてはもちろん、最近増えている家族葬や一日葬での食事の扱いや仏教以外での葬儀の食事についても解説します。

最後まで読めば葬儀での食事について理解が深まり、いざのときの準備に落ち着いて取り掛かれるでしょう。

目次

葬儀で食事をする場面4つ

葬儀 食事

一般的に、葬儀で食事を提供する場面は4つあります。地域ごとに呼び名や風習の違いはありますが、以下の4つが主なものです。

  • 通夜振る舞い
  • 精進落とし
  • 宿泊したときの朝食
  • 火葬場での昼食

順番に解説します。

通夜振る舞い

「通夜振る舞い」とは通夜に参列して頂いた方に感謝の意を込めて、食事の席を設けるものです。弔問客に対しお酒や軽い食事を振る舞い、故人と最後の食事をする意味も込められています。

また通夜振る舞いにはお清めや穢れを払う意味もあり、食事を楽しむ場ではなく慎ましく会食をする場です。地域によって通夜振る舞いは関東地方を中心とした東日本地域での慣習で、関西などの西日本地域では通夜振る舞いはないのが一般的と言われています。

精進落とし

精進落としは元々は遺族が忌中は精進料理を食し、四十九日明けた時点で元の通常の食事に戻る意味がありました。その意味が転じて初七日法要での食事、さらに現代では火葬が終わった後に振る舞う食事が「精進落とし」です。

精進落としも通夜振る舞いと同様に故人への供養の気持ちと、参列者に対するお清めの意味が込められています。地域によっては精進あげや忌中祓いとも言われ、食事を設けないなどの違いもあるので注意しましょう。

宿泊したときの朝食

遠方からの参列者で前日から宿泊する方がいるときには、朝食を準備する必要があります。ただしホテルに朝食が付いている場合は、準備する必要はありません。

また葬儀の準備のためや、故人との最後にそばにいるために泊まったりする場合も考えられます。この場合も宿泊先の斎場などに朝食の準備がされている場合もあるので、事前の確認が重要です。

火葬場での昼食

告別式を終えたあとに火葬をしますが、火葬の時間は多くが昼の時間に掛けて行います。そのため昼食を準備する場合も想定されるでしょう。この場合は一席設けるというよりは、弁当や軽食といった感じの長い時間をかけないものが多いです。

また精進落としのタイミングもあるので、そもそも準備しない場合もあります。

通夜振る舞いとは

通夜振る舞い

通夜振る舞いは、通夜のあとに振る舞う食事を指します。通夜に参列してくれた弔問客に参列の感謝と故人を偲んでもらうための場を設けて、食事をしてもらいます。

むかしは故人が極楽浄土へ行けるようにとの思いを込めて四十九日までは肉や魚を絶つ精進料理を食べる習慣がありました。しかし現在では柔軟になり故人が好きだったものや、お酒や大皿の寿司やオードブルを準備する場合が多いです。

通夜振る舞いの流れと挨拶

通夜振る舞いの流れは以下の通りでおよそ1時間~2時間に渡って行われます。

  • 通夜中に喪主から別会場にて通夜振る舞いの案内がある
  • 通夜振る舞いの会場にて喪主からの挨拶
  • 喪主や親族が中心となって参列のお礼挨拶
  • 1時間~2時間を目安に喪主より閉会の挨拶があり終了

通夜振る舞いは通常、通夜の会場とは別に設けるので、喪主や親族からの案内が必要です。また喪主による開会と閉会の挨拶と、参列者への挨拶周りも大切な役目になるでしょう。

通夜振る舞いの開会の挨拶は、以下を参考にしてください。

本日はご多用の中、起こし頂きまして誠にありがとうございました。

ここに生前賜りました、ご厚誼に厚く御礼申し上げます。
故人もさぞかし喜んでいると存じます。

ささやかではございますが、お食事の準備をしております。どうぞお時間の許す限り、ご参加頂き生前のお話しなどお聞かせください。

通夜振る舞いの開会の挨拶から、1時間~2時間後に閉会の挨拶を行います。会場でも思わぬ出会いから、話しが弾んでしまう方もいます。会場の時間も限られているので、閉会の挨拶をして時間管理もしっかり行いましょう。

ご列席の皆様、本日は誠にありがとうございました。つつがなく無事に通夜を執り行う事ができました。

お名残惜しいですが、ご多忙の方もいるでしょうから本日はこのへんで終了とさせて頂きます。故人もさぞ喜んでいると思います。

なお明日の告別式は〇〇時から行わさせて頂きます。何卒宜しくお願い致します。

本日はありがとうございました。

閉会の挨拶では参列のお礼と告別式の案内を行います。参列頂いた方をしっかりお見送りしましょう。

通夜振る舞いの食事と相場

かつては精進落としまでは、肉や魚を食べない精進料理を提供する慣習もありました。これは四十九日法要が終わるまでは喪中で、故人が極楽浄土へ行けるように残された遺族も配慮をするといった考えからです。

しかし現代では通夜振る舞いの場で、厳格に精進料理を出す必要はありません。主に大皿に盛られた寿司桶や、オードブルが食事として提供されます。

相場としては1人につき3,000円程度の計算で準備すれば十分でしょう。通夜は、参列者の人数を事前に把握できません。また通夜振る舞いも参列者全員が参加するものではないので、予想される人数の半分程度を目安に準備するとよいでしょう。

あまり余分に準備するのも食事が無駄になってしまいますし、葬儀社に相談するのが望ましいです。

通夜振る舞いのマナー

通夜振る舞いのマナー以下の3つです。遺族や他の参列者に不快な思いをさせないように注意を払いましょう。

  • 通夜振る舞いの誘いは基本的には断らないほうが良い
  • 出されたものには少しでも食事をして長居はしない
  • 名刺交換や故人と関わりのない話しなどを長々としない

喪主からの通夜振る舞いの誘いは、基本的には受け入れましょう。事情や都合がある場合は、遺族へ参加できない旨を伝えるのがマナーです。

また提供された食事を全く食べない・飲まないのは、かえって失礼に当たります。食事をありがたく頂き、長時間居ないようにするのが節度ある行動です。

通夜振る舞いの場での、会話の内容にも注意しましょう。故人の死因などプライベートに関わる内容には十分注意し、会場で会った方との名刺交換など葬儀と関係のない行動は慎むべきです。必要なときは会場を出てからにしましょう。

精進落としとは

精進落とし

かつては家族が亡くなって、殺生を戒める考えから精進料理を四十九日までは食していました。その後四十九日法要のタイミングで日常に戻る意味で、精進落としをして喪中明けになります。

しかし現在では喪中明けの意味は薄れて告別式や火葬の当日に参列頂いた方への感謝の気持ちや、僧侶へのねぎらいの意味が強くなっています。

精進落としの流れと挨拶

精進落としは、通夜振る舞いよりは参加される人数が限定されます。主に、親族や近しい関係者が中心です。故人への思いと共に親族や近親者の交流を深める意味も込められている精進落としの流れは、以下の通りです。

  • 告別式・火葬が終わった時点で喪主から精進落としの案内がある
  • 決められた席で喪主や代表者から献杯の挨拶で開始
  • 食事、歓談後喪主からのお礼挨拶で解散

精進落としの挨拶は通夜振る舞いと違い、親族や近しい方へ向けてのものです。

本日は長い時間ありがとうございました。無事葬行えました。

朝から参列頂き、お疲れだと思います。ささやかですが、食事を用意致しました。故人の思い出などを語りながら、お時間をお過ごしください。

内容としては、参列のお礼と親族通しの今後のつながりを述べます。また供養して頂いた僧侶が列席の場合は、合わせて感謝を伝えましょう。挨拶も普段から付き合いのある親族が中心の参列でしたら、もう少しくだけた会話調になる場合も考えられます。

精進落としの食事と相場

精進落としは、事前に参加する人数が決まっている場合が多いです。通夜振る舞いのように大皿での準備ではなく、個別の仕出し弁当や出前などで対応しましょう。また故人が生前好きだった料理屋などで、実施する方法もあります。

また親族を中心に語らう場でもあるので、お酒などの飲み物の準備はしっかりしましょう。相場としては1人につき3,000円~5,000円程度が相場とされています。

精進落としのマナー

精進落としのマナーは主に3つです。独自のマナーもあるので注意しましょう。

  • 僧侶が参加辞退の場合は御膳料を用意する
  • 席次は上座・下座を考えてあらかじめ決めておく
  • 献杯を静かに行い、グラスを合わせない

まずは僧侶への参列を確認します。参加する場合は上座に着席してもらい、遺族や喪主は下座に付くのが着座のルールです。僧侶が参加辞退の場合は食事の代わりの「御膳料」として5,000円~10,000円を包みましょう。また菩提寺以外の自宅や斎場に来てもらった場合は「車代」も必要です。

喪主挨拶と一緒に献杯の挨拶をします。献杯は故人と生前付き合いの深かった方や、会社関係の方などに事前にお願いをしましょう。献杯はグラスを低く持ち上げて、隣の人とグラスを当てる行為はNGです。

仏教以外での葬儀の食事とは

葬儀 食事

日本における葬儀では仏教式がメインですが、その他宗教での食事を紹介します。

  • 神道
  • キリスト教

順番に解説します。

神道式の場合

神道式の葬儀では、通夜振る舞いや精進落としを直会(なおらい)の儀といいます。故人の弔意とともに神様への感謝もあり、肉や魚などを出すのは問題ありません。また神前にも同じものを用意し、お酒がお清めとして全員に回るのが形式的になっています。

キリスト教式の場合

キリスト教式の葬儀には、食事を設ける習慣はありません。ただし日本でのキリスト教式の葬儀では、仏教式にならって遺族や親族のみでの故人を偲ぶ場として食事会をするときもあります。

その場合も特に料理の制限もなく、遺族の意向で食事を選ぶのが可能です。

家族葬・一日葬での食事に関する注意点2つ

葬儀 食事 注意点

一般葬以外の最近増えている家族葬・一日葬での食事に関しては、注意点が2つあります。新しい葬儀の形式なので、注意点をよく理解しておきましょう。

  • 食事を設けない場合は事前に伝えておく
  • 僧侶への御膳料の準備をする

順番に解説します。

食事を設けない場合は事前に伝えておく

家族葬・一日葬は、参列する人がかなり限られる葬儀の形式です。会社関係や友人が参列しない、家族・親族のみが参列をするのがメインになります。そもそも家族葬・一日葬は故人との別れを家族でゆっくり過ごしたい思いや、葬儀自体を安く済ませたい思いから実施するものです。

そうした思いから食事の席を設けないケースが一般的です。しかし、食事をしない場合は、事前に家族以外に参列した方に伝えましょう。他の参列者や僧侶にとってはやはり通常とは違う形式の葬儀なので、事前に説明して事情を理解してもらうのを心掛けるべきです。

僧侶への御膳料の準備をする

僧侶へは通常、精進落としなどの食事に参加してもらいます。そこで故人の供養への感謝や、今後も続くお付き合いへのお願いなどをするのが習わしです。しかし家族葬・一日葬では食事会をそもそも設けたりしません。

食事会を設けない場合、僧侶へはおもてなしの代わりとして「御膳料」を包むのが基本です。御膳料はお車代や読経のお布施とは別物なので、別にして分かるように包みましょう。

相場としては、5,000円~10,000円が失礼のない金額です。

家族葬・一日葬での食事とは

家族葬 食事

家族葬・一日葬は一般葬と違い、葬儀の流れや参列者の数など全てが小規模に行われます。故人との別れをゆっくり過ごしたい、葬儀費用を安く抑えたいなどのニーズから家族葬や一日葬での葬儀は増えています。

家族葬・一日葬での食事の扱いと一般葬とで異なる点は、以下の3つです。

  • 家族だけなのでそもそも食事をしない
  • 出前などで故人の好きだった物を食べる
  • 故人の思い出の場所で食事をする

順番に解説します。

家族だけなのでそもそも食事をしない

家族葬・一日葬は参列者は、限定されます。家族のみで葬儀を行うものです。

通夜振る舞いや精進落としなどを行わず、食事をせずに葬儀だけで済ますのは全く特別ではありません。注意点は僧侶への配慮として、事前の説明と御膳料の準備は忘れずにしましょう。

出前などで故人の好きだった物を食べる

家族だけで行うので、出前などを取って済ます場合も多いです。その際に故人を偲んで好きだったものを頼み、霊前にも供えるようにします。

他の方に気を使う必要なく、小規模に手軽に食事を済ますのにおすすめです。

故人の思い出の場所で食事をする

故人の思い出の場所で、食事をするのも供養の1つです。故人が好きだった物を故人の思い出の場所で親しい家族で一緒の時間を過ごすのは、家族の絆を深め故人に想いをはせるのに良い時間となるでしょう。

そこの店の人から故人のエピソードを聞けて、新たな発見があるかもしれません。故人の思い出にふけながらする食事は、良い思い出になるでしょう。

葬儀で故人に供する食事とは

葬儀 故人 食事

葬儀では故人への霊前に供する食事があります。これは「極楽浄土までの道のりにお腹を満たせるように」や「極楽浄土への途中に徳を積めるように」との願いからとされ「枕飯」と「枕団子」の2つです。

枕飯

枕飯は故人の最後の食事として、故人が使っていたお椀で白米を盛り箸を中心に立てるのが習わしです。枕飯の由来はいくつか伝えられていますが、以下のように言われています。

  • 故人の最後の食事として供する
  • 故人が白米の味を求めて生き返るだろうとの願い

どれもむかしから伝わる枕飯の言い伝えです。また箸を立てるのも、あの世とこの世の架け橋とされています。現代では箸を立てる行為は縁起が良くないとされていますが、ルーツはこの意味です。

枕団子

枕団子は地域によって違いはありますが、基本形は6個でピラミッド型です。枕団子のいわれは、以下のように伝承されています。

  • 故人が極楽浄土までの道に空腹に困らないようにする
  • 故人が極楽浄土までの道程中に徳を積めるようにする

仏教では亡くなると6つの世界を行き、成仏すると言われています。この6つの世界にちなみ、枕団子の数も6個が一般的です。またピラミッド型は故人が早く天上に行けるようにとの願いもこもっています。

まとめ:葬儀での食事は故人を偲び供養する場

葬儀 食事

葬儀での食事は故人を偲び供養をし、参列した人に感謝の意を表す場です。むかしから食事をもって相手をもてなすのは、葬儀に限らず実施されてきました。

最近では家族葬や一日葬の普及でそうした場も減りつつありますが通夜振る舞いや精進落としは食事を通して、参列者と遺族や故人とをつなぐ大切な場です。

葬儀での食事に参加するときは、故人への思いを大切に臨みましょう。