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葬儀の引き出物とは?マナーや相場・渡し方のポイントを徹底解説!

「葬儀の引き出物と香典返しって、何が違うの?」
「葬儀の引き出物を渡すときのマナーがわからない…」
「相場や相応しい品物について知りたい!」

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。

葬儀で渡す引き出物に関して、押さえておきたいマナーやポイントなどがあるものの、よくわからない方もいるでしょう。

結論、葬儀の引き出物とは、参列してもらった方全員に対して渡す品物のことで、会葬御礼ともいわれます。

今回は、葬儀で渡す引き出物のマナーや相場、渡し方のポイントなどを解説。

最後まで読めば、葬儀の引き出物に関する疑問点を解消できるでしょう。

目次

葬儀の引き出物とは

葬儀の引き出物とは

葬儀で渡す引き出物の特徴として押さえておきたい点は、以下の2点です。

  • 香典返しとの違い
  • 名前の由来

ここから具体的に解説します。

香典返しとの違い

葬儀の引き出物とは会葬御礼ともいわれており、葬儀に参列してもらったことに対し、御礼の意味合いを込めて品物を渡すのが特徴です。

葬儀の香典返しと引き出物とは定義が異なり、具体的には以下のとおり。

  • 引き出物(会葬御礼)
    すべての会葬者に対して渡す品物のこと
  • 香典返し
    葬儀で香典をもらった方に対して渡す品物のこと

引き出物と香典返しは、渡すタイミングや金額が異なります。

いずれにしても、贈るのに相応しい品物と相応しくない品物は共通しており、マナーを押さえたうえで選ぶことがポイントです。

名前の由来

平安時代の宴において、貴族が庭先に馬を引き出し、客人に贈ったことが「引き出物」の由来となります。

次第に、客人に渡す金品や土産物などが引き出物といわれるようになり、現代まで受け継がれてきました。

引き出物という言葉に対して、結婚式で使われる印象が強く、違和感を覚える方もいるでしょう。

葬儀においても「引き出物」は使われていることから、マナー違反を心配する必要はありません。

葬儀で引き出物と香典返しの渡し方の種類

葬儀で引き出物と香典返しの渡し方の種類

葬儀で渡す引き出物と香典返しには渡し方のパターンがあり、具体的には以下の2つです。

  • 引き出物と香典返しを渡す
  • 引き出物のみ渡す

ここから詳しく見ていきましょう。

引き出物と香典返しを渡す

葬儀において、引き出物と香典返しの両方を渡すのが本来のあり方となります。

香典返しとは、無事に四十九日が終わった報告や、御礼などをすることが目的とされてきたためです。

近年では、葬儀の当日に引き出物と香典返しを渡すケースもあります。

御礼状を添えるなど、引き出物と香典返しの両方用意していることを、会葬者に知ってもらうとよいでしょう。

高齢の方にとっては馴染のない方法で、マナー違反と受け取られる可能性もある点は注意が必要です。

引き出物のみ渡す

葬儀では、香典をもらった御礼として、香典返しも含めた引き出物のみ渡すケースがあります。

引き出物と香典返しを兼ねることによって、時間や手間などを省けるのがメリットです。

近所に住んでいる方の香典など、比較的低い金額の香典に対して効果的な方法。

高額な香典をもらった場合、後日改めて品物を郵送することで対応するケースもあります。

葬儀の引き出物の渡し方のポイント

葬儀の引き出物の渡し方のポイント

葬儀の引き出物を渡すとき、押さえておきたい点は以下の2点です。

  • 会葬者に対して
  • 僧侶に対して

ここから具体的に解説します。

会葬者に対して

引き出物を渡すタイミングとして最も望ましいのは、会葬者が帰るとき

葬儀の途中で渡す場合、引き出物を持ち運ぶ手間や、置き忘れるリスクが発生するためです。

会葬者が帰るタイミングで直接引き出物を渡すことで、御礼の気持ちを伝えられるでしょう。

会葬者が多く、葬儀のあとに会食の場を設ける場合、会食する場所にあらかじめ置いておくのも一つの方法です。

会葬者が帰るタイミングで、引き出物を持ち帰ってもらうことを呼びかけると、置き忘れを防ぎやすくなります。

僧侶に対して

僧侶に引き出物を渡すタイミングとして理想的なのは、僧侶が帰るときです。

葬儀によっては、会葬者のみでなく、僧侶に対して引き出物を用意するケースもあります。

お寺や地域の慣習によって異なることから、引き出物を用意する必要があるのかを事前に確認しておくとよいでしょう。

引き出物を用意する場合、以下の点を押さえるのがポイントです。

  • 会葬者と同じ品物を用意する
  • 掛け紙の表書きは空欄、もしくは御礼と書く

引き出物を用意しない場合、料金表とは別に、3,000円から5,000円程度の金額を加えるケースもあります。

葬儀の引き出物のマナー

葬儀の引き出物のマナー

葬儀の引き出物のマナーとして押さえておきたい点は、以下の2つです。

  • 掛け紙をつける
  • 送る相手や状況を考慮する

ここから具体的に解説します。

掛け紙をつける

葬儀の引き出物を渡すときは、のしではなく掛け紙をつけることがマナーとなります。

お祝いごとなど贈り物を贈る場面において、のしが利用されるためです。

掛け紙の付け方のポイントは、具体的に以下の表の通り。

掛け紙の項目具体的な内容
表書き【上側】
・宗派や地域によって異なる
・迷った場合は、全国的に使われている「志」と書くのが無難
・神式やキリスト教などにおいても、表書きとして志は使える
・西日本の一部地域では、粗供養や茶の子と書くケースがある
・神道では偲び草と書くのが一般的である
【下側】
・喪主の名字を記入するのが一般的である。例:〇〇家
・喪主のフルネームを書くケースもある
・四十九日までは故人の姓を用い、一周忌以降は喪主の姓にするケースもある
水引の色・形・全国的に使えるのは黒白のもので、神道やキリスト教においても利用できる
・関西や中国・四国地方:黄色と白のものが使われる傾向にある
・菊や蓮の形のもの:仏式の葬儀においては利用できる
文字の色・薄い墨を利用するのが基本
・関東の一部地域では、濃い墨を利用するケースがある
掛け方・関東は外、関西は内にするのが一般的となる
・引き出物を贈るときの状況や地域などによって異なる

上記は一般的なマナーはあるものの、わからない場合は親族に確認するのが望ましいです。

送る相手や状況を考慮する

葬儀の引き出物を贈るときは、相手や状況などを考慮するのがポイント。

引き出物とは、会葬者全員に渡すものであるものの、身内に対して贈る決まりは明確になっていません。

同じ家で生活していない子どもや両親に対しては、引き出物を渡すと考えてもよいでしょう。

葬儀とは、「一つの家」単位で執り行われるものだと考えられているためです。

葬儀の引き出物として好ましい品物

葬儀の引き出物として好ましい品物

葬儀で引き出物として送るのに相応しい品物は、以下のとおりです。

  • お茶
  • お菓子
  • カタログギフト
  • タオル・ハンカチ
  • QUOカード
  • せっけん

ここから具体的に見ていきましょう。

お茶

葬儀で引き出物として送るのに好ましいものとして、お茶があげられます。

お茶を選ぶことのメリットは、具体的に以下の点です。

  • どの家庭でも好まれる傾向にあること
  • 仏教と関係があること
  • 賞味期限の目安が約1年となっており、保存しやすいこと
  • 軽く、持ち運びに便利なこと

中国で仏教を学んだ栄西により、中国で飲まれていたお茶が日本に伝わったとされています。

お茶には境界を区切るという意味があることから、故人とお別れする意味でもお茶が選ばれてきました。

お菓子

葬儀の引き出物として、お菓子を選ぶのが一つの方法。

お菓子は消え物の一つで、悲しみをなくすことを連想できるためです。

お菓子のメリットは、具体的に以下のとおり。

  • 洋菓子や和菓子など種類が豊富で、贈る相手や好みなどによって商品を選べること
  • 日持ちするものや小分けになっているものなどがあり、利便性が高いこと
  • 重さが軽いものもあり、会葬者が持ち帰る場合も負担になりにくい

引き出物としておすすめのお菓子はフィナンシェやおかきなど、日持ちするものや個包装になっているものです。

カタログギフト

葬儀の引き出物として好ましいものは、カタログギフト

近年では、さまざまな会社から、香典返し・法要専用のカタログギフトが出されているためです。

カタログギフトを選ぶメリットは、以下のとおり。

  • 贈り相手に好きなものを選んでもらえる
  • 品物を選ぶ時間や手間などを省ける
  • 軽くかさばらず、持ち運びに便利なこと
  • 引き出物として相応しくない品物でも、送り相手の嗜好で選べる

有効期限が決まっており、期限を過ぎると品物をもらえなくなる点はデメリットです。

タオル・ハンカチ

葬儀の引き出物として、タオルやハンカチを贈るとよいでしょう。

悲しみを拭い去るという意味があることから、葬儀の引き出物として選ばれ続けてきたためです。

タオルやハンカチを贈るメリットは、以下のとおり。

  • 食品と異なり、利用するうえで期限がないこと
  • 生活するうえで必要なもので、喜ばれやすいこと

バスタオルを選ぶ場合など、大きさによっては持ち運びに不便となる点は注意しましょう。

QUOカード

葬儀の引き出物として、QUOカードを選ぶのが一つの方法。

QUOカードとは、全国のコンビニや書店などで利用できるカードで、葬儀向きのデザインもあるためです。

引き出物としてQUOカードを選ぶメリットは、以下の点。

  • オリジナルデザインを作成できるケースがあること
  • 食品やカタログのように利用期限がないこと
  • 何を贈るのかに関して迷う必要がないこと

ただし、地域の風習や慣例などにより、相応しくないケースもあることから、親族と相談したうえで判断すると無難です。

せっけん

葬儀の引き出物として相応しいものの一つは、せっけん

不幸を洗い流すという意味合いから、葬儀の引き出物として選ばれてきたためです。

せっけんを引き出物にするメリットは、具体的に以下の点。

  • 実用性が高く、贈り相手に関係なく喜ばれやすい
  • 利用期限がないことから、保管しやすいこと

せっけんを選ぶ場合、商品によってはかさばったり、重くなったりする点に関して押さえておくとよいでしょう。

葬儀の引き出物として相応しくない品物

葬儀の引き出物として相応しくない品物

葬儀では引き出物として送るのに相応しくないものがあり、具体的には以下のとおりです。

  • 肉・魚
  • お酒
  • 鰹節・昆布
  • 縁起物がモチーフのお菓子

ここから深掘りして解説します。

肉・魚

葬儀の引き出物として相応しくないものは、肉や魚などの生物

神聖な葬儀において、死をイメージさせる生物は相応しくないためです。

引き出物に限らず、殺生をイメージさせるワニ皮やヘビ皮などを身につけることは、葬儀においてNGマナーとなります。

引き出物としてカタログギフトを選び、贈り相手が肉や魚を選ぶ場合は問題ありません。

お酒

葬儀の引き出物に相応しくないものはお酒

一般的に、結婚式などお祝いの場面でお酒が利用される傾向にあるためです。

仏教においては不飲酒戒という言葉がある通り、昔から仏事において、お酒を飲むことが禁じられてきました。

通夜振る舞いや精進落としなどでお酒を振る舞うことから、地域によっては引き出物として選ばれるケースもあります。

贈ってよいのか迷う場合は、選ばない方が無難です。

鰹節・昆布

葬儀の引き出物として、鰹節や昆布を選ぶことは避けましょう。

お酒と同様に、おめでたい席で利用される傾向にあるためです。

鰹節と昆布がおめでたい席で利用される理由は、それぞれ以下のとおり。

  • 鰹節
    夫婦円満や健康長寿をイメージさせるため
  • 昆布
    喜ぶの発音と似ているため。古来は「広布」といわれており、広めることをイメージできるため

鰹節や昆布などを贈る場合、結婚式などおめでたい場面にするのがポイントです。

縁起物がモチーフのお菓子

葬儀の引き出物として相応しくないのは、縁起物モチーフのお菓子

結婚式や卒業のお祝いなど、慶事で贈ることを目的としているためです。

縁起物がモチーフとなっているお菓子は、具体的に以下のとおり。

  • 鶴や亀
    長寿でめでたいこと
  • ひょうたん
    家運興隆、子孫繁栄
  • ふくろう
    福がやってくること
  • ウサギ
    子孫繁栄

前述の通り、葬儀でお菓子を贈ることはできるものの、縁起物のお菓子を選ばないことがポイントとなります。

葬儀の引き出物の相場

葬儀の引き出物の相場

地域や宗派などによって異なることから、葬儀の引き出物の相場を明確にはできません。

一律で用意するのが特徴で、金額の目安としては1,000円から2,000円程度になるでしょう。

前述の通り、引き出物として贈れる品物は多岐に渡るのが特徴で、それぞれ細かく料金設定されています。

金額に合わせ、品物を選定するのがポイントです。

葬儀会社の方と相談したり、地域の慣習に合わせたりすることで好ましい引き出物を選定できます。

葬儀の香典返しの相場

葬儀の香典返しの相場

香典の費用が5,000円から1万円となる傾向にあることから、香典返しの目安として、2,500円から5,000円程度となります。

香典返しの場合、受け取ったお金の半額を返す「半返し」が一般的。

葬儀当日に香典を返す「当日返し」を選択し、高額な香典をもらった場合、半返しにこだわる必要はありません。

故人と特に親しい関係にあった方や親族などから、親族を援助する気持ちで贈られるケースが一般的なため。

高額な香典をもらい、お返しをする場合、金額の目安は3分の1程度とするのが一般的です。

葬儀の引き出物に関するよくある質問

葬儀の引き出物に関するよくある質問

葬儀の引き出物に関して、よくある質問は以下のとおりです。

  • 香典返しと何が違う?
  • 御礼状を添える必要はある?
  • 親族にも渡す必要がある?
  • カタログを渡してもよい?

ここから詳しく見ていきましょう。

香典返しと何が違う?

渡す対象やタイミングなどが異なります。

引き出物を渡す対象はすべての会葬者である一方、香典返しとは香典をもらった方が対象です。

引き出物は葬儀当日に渡すのが基本であるものの、香典返しは四十九日のあとで渡すのが本来の形式。

近年では、香典返しと引き出物を兼ねた「即日返し」が選ばれるケースもあります。

御礼状を添える必要はある?

決まりはありませんが、添えられると理想的です。

会葬者に対し、直接引き出物を渡せる葬儀においては、御礼状を添える必要がないとする意見もあります。

会葬者が多い葬儀の場合、一人ひとりに対して丁寧に御礼の気持ちを伝えることが難しいケースもあるでしょう。

御礼状を書いておけば、より感謝の気持ちを伝えやすくなります。

親族にも渡す必要がある?

生計をともにしている親族に対しては不要といえるでしょう。

個人ではなく、葬儀とは「家」が一つの単位となるのが特徴です。

生計をともにしていない親族に対して、引き出物を渡すと御礼の気持ちをより伝えられます。

ルールではないものの、気持ちとして引き出物を渡すのが望ましいです。

カタログを渡してもよい?

渡してもよいです。

葬儀向けのカタログもあり、引き出物として選ばれるケースがあるためです。

カタログのメリットとして、持ち運びしやすく好きなものを注文できる点があげられます。

急な葬儀で、引き出物として何を贈ればよいのかまで考えが及ばない状況において、カタログギフトを選ぶのも一つの方法です。

まとめ

まとめ

葬儀の引き出物のマナーや相場、渡すときのポイントなどを解説してきました。

葬儀において、引き出物と香典返しとは異なるもので、違いを理解しておくのがポイントです。

渡すときのポイントやマナー、好ましい品物など、細かいルールが多数あります。

難しく感じるかも知れませんが、一つひとつポイントを押さえて用意するとよいでしょう。

基本的なルールはあるものの、地域の慣習に合わせたり、親族と相談したうえで決めたりすることが重要です。

不明な点があれば、葬儀会社の担当の方に聞くことも効果的。

葬儀の引き出物のマナーを押さえておけば、葬儀で不安を抱く必要はありません。

本記事を参考に、葬儀の引き出物に関する疑問点を解消してもらえれば幸いです。