【保存版】お葬式での数珠の持ち方は?意味や相場も徹底解説!
「お葬式で数珠の持ち方はどうすればいい?」
「そもそも葬儀で使われる数珠にはどんな意味がある?」
「葬儀の数珠はどこで入手できる?相場はどれくらい?」
本記事では、葬儀での数珠の持ち方にまつわる疑問にお答えします。
急な葬儀への参列で数珠の持ち方がわからなくて不安に思う方もいるでしょう。しかし、正しい数珠の持ち方を知っておけば、安心して葬儀に望めます。
そこで今回は、お葬式での数珠の持ち方や入手方法などについて解説します。最後まで読めば葬儀での数珠の持ち方を理解できるので、参考にしてみてください。
目次
葬儀の数珠とは
葬儀で使う数珠は3500年以上前のインドで誕生し、現代に受け継がれてきました。
ここから、葬儀で使う数珠の意味や起原などについて具体的に解説します。
意味
葬儀の数珠とは、たくさんの小さな珠に糸を通した仏具のことで、本来はお経を唱えた回数を把握するために使われてきました。
数珠を必要としたのは基本的に僧侶だけで、一般の参列者にとっては必要ではないもの。しかし現代では、下記の理由から参列者も数珠を持つようになっています。
- 魔除けや厄除け
- 仏様に対する礼儀
ただし、数珠は宗教によって使い方などのマナーが異なります。信仰する宗教がない場合、略式数珠を持って行くようにしましょう。
クリスチャンなど仏教徒ではない方の場合、基本的に数珠を持っていく必要はありません。
起源
数珠の起原は諸説ありますが、下記の通り古代インドで誕生したといわれています。
- バラモン教の経典に、念珠の原型になった記述が残っている
- ヒンドゥー教の教徒は祈りをする際に数珠を使う習慣があった
のちに釈迦によって仏教に数珠が取り入れられ、中国に伝わったとされています。
日本に数珠が伝わったのは、仏教が日本に伝わった時期と同じだと考えられており、記録に残っている中で最古のものは、743年の法隆寺の資材帳です。
平安末期から鎌倉時代以降になると、一般庶民の間でも数珠が使われるようになりました。
鎌倉時代には鎌倉仏教が誕生し、庶民の救済のための仏教が多数誕生。各宗教に合わせた数珠が作られ、現代にも受け継がれています。
江戸時代になると仏教が国教に定められ、庶民の間で数珠の売買が行われるようになりました。
種類
数珠は宗教ごとにいろいろな種類がありますが、大きく分けると下記の2つになります。
- 略式数珠
- 本式数珠
それぞれ詳しく紹介します。
略式数珠
略式数珠とは簡略化された数珠のことで、片手数珠や念珠、寿珠などともいわれます。
前述の通り、信仰する宗教がない方の場合、略式数珠を1連手元においておくと便利。
略式数珠は男女による違いがあるため、購入の際はよくチェックしましょう。
以前は、正式数珠の弾の数を基準として、珠の数が54個、36個、27個などと決められていました。
近年では、実用性を重視して弾の数にこだわらずに作られるケースもありケースもあります。一連式で持ちやすく、初めて購入する方にもおすすめです。
本式数珠
宗教ごとに正式に決められている数珠のことで、一般的には108個の珠から成り立っています。人間の持つ煩悩の数は108個だといわれており、最も神仏からの恵みを得やすいと考えられているからです。
お守りとしても使われるケースがあり、108の煩悩を抑える働きがあるとされています。
下記のようにいろいろな呼び方がされます。
- 本連数珠
- 二連数珠
- 二輪数珠
特定の宗教を信仰している場合、本式数珠を1連購入しておきましょう。
葬儀の数珠の基本的な持ち方
特定の宗教を信仰していない方の場合、基本となるのは略式数珠の持ち方になります。
数珠の持ち方は葬儀の場面ごとに変わるため注意してください。
- 座っている時:左手首にかける
- 歩く時:房を下にして左手で持つ
- 焼香する時:左手親指以外の4本指にかけて両手で持つ
葬儀中に略式数珠を持つ場合の基本は、左手で持ちましょう。左手は仏様との世界を繋ぐ手だといわれているからです。
葬儀中は、数珠を左手首にかけて持つようにするのが基本。葬儀に参列してる方の中には焼香のときにバッグから数珠を取り出す方もいますが、基本的にはマナー違反となります。
葬儀の数珠の宗教別の持ち方
数珠の正式な持ち方は宗教によって異なります。
ここから、各宗教ごとに正しい数珠の持ち方をご紹介します。
- 禅宗(曹洞宗・臨済宗)
- 浄土宗
- 日蓮宗
- 真言宗
- 天台宗
- 浄土真宗
臨済宗
臨済宗とは禅宗であり、念仏よりも座禅に重きをおいている点が特徴です。
合掌する際は下記のようにしましょう。
- 数珠の輪を二重にして左手にかける
- 右手を添えるようにして両手を合わせる
- 房を下に垂らして合唱する
曹洞宗
曹洞宗も臨済宗と同じく禅宗なので、座禅に重きをおいている点は同じ。
具体的な合掌の方法は下記に示します。
- 数珠を二重にする
- 親玉が人差し指の上になるようにして左手にかける
- 右手を添えるようにして左手と合わせる
- 房を下に垂らす
浄土宗
浄土宗の数珠の持ち方は下記の2つに分けることができる点が特徴。
- 親指側に房が垂れる持ち方
- 4本の指から手の甲にかけて房が垂れる持ち方
親指側に房が垂れる持ち方をする場合は下記のようにしましょう。
- 合掌した両手の親指に数珠をかける
- 房を手前に垂らす
4本の指から手の甲にかけて房が垂れるようにする場合、下記の通り。
- 4本の指に数珠をかける
- 合掌した両手の甲の下に房を垂らす
日蓮宗
日蓮宗の場合、下記のように分かれる点が特徴になります。
- 法華宗
- 日蓮正宗
- 不受不施派
- 本門佛立宗
数珠の持ち方は同じであり、具体的には下記に示すとおり。
- 一重の状態で、8の形になるように数珠を1回ひねる
- 房の部分を両手の中指にかけて合掌する
ただし、房が3つある方を左手側に、房が2つある方を右手側にするようにしましょう。
真言宗
真言宗は豊山派や醍醐派など細かく分かれますが、いずれも数珠の持ち方は同じ。
- 一重のままで、房の部分を両手の中指にかける
- 房が左右の手の甲に垂れ下がるようにして合掌する
真言宗では長い数珠を二連にして持つことから、「振分数珠」といわれます。
天台宗
天台宗の数珠は二重になっており、大きく3つに分けられます。
- 9寸サイズ:男性
- 8寸サイズ:女性
- 大平天台:僧侶
天台宗の数珠の使い方は下記のとおりです。
- 親玉が左手の手のひらに来るように、左手の親指にかける
- 房が手の中にある状態で合掌する
浄土真宗
浄土真宗は本願寺派(西本願寺)と真宗大谷派(東本願寺)に分けることができます。
浄土真宗では煩悩具足そのままでいいという教えから、数珠の選び方に決まりがありません。
本願寺派の場合、数珠の具体的な持ち方は下記のとおり。
- 数珠を合掌した4本の指から甲に向かってかける
- 房が手の甲から下に垂れるようにする
真宗大谷派の場合、数珠の持ち方は下記のとおりです。
- 合掌した4本の指から手の甲にかけて数珠をかける
- 房は手前にして、左手の甲に垂らす
葬儀の数珠の入手方法と相場
葬儀の数珠を入手する場合、現代ではいろいろな場所があげられます。
販売場所 | 特徴 |
---|---|
仏具店 | ・品質にこだわっている・葬儀に必要なものが一式揃う |
インターネット | ・全国のお店の中から比較できる・手元に来るまでは質感などがわかりにくい・数千円のものから数万円のものまで、幅広く取り揃えている |
100均 | ・100円から300円で買える・作りが粗末なケースが多い |
コンビニ | ・簡易的な作りになっているケースが多い |
紳士服店 | ・実際に手に取って見られる・他の商品と購入すればセット割になるケースがある |
ホームセンター・ショッピングセンター | ・比較的安くシンプルなものを購入しやすい・2000円前後で購入できる場合がある |
数珠を初めて買う方の中には「なるべく安く抑えたい」という方もいるでしょうが、数百円のものなど極端に安いものはおすすめできません。作りが簡易的で壊れやすく、葬儀に向かう途中で数珠がバラバラになる恐れもあるからです。
数珠の相場は略式数珠なのか本式数珠なのかによって変わります。
略式数珠の場合、相場は大体5,000円から1万円となっており、本式数珠の場合は1万円から3万円が相場です。高いものになると、本式数珠では1連で数十万年するケースもあります。
葬儀の略式数珠の選び方4つ
葬儀の略式数珠を選ぶときには、抑えたいポイントが6つあります。
ここから、略式数珠を選ぶ時のポイントを具体的に解説します。
男性用か女性用かを確認する
略式数珠を選ぶ時のポイントは、男性用と女性用と混同しないようにすること。
略式数珠の種類 | 珠の大きさ | 好まれる房の色の傾向 |
---|---|---|
男性用 | 22玉、20玉、18玉(10mm〜18mm) | ・青、緑、茶、黄 |
女性用 | 6mm、7mm、8mm | ・ピンク、水色、紫 |
男性用と女性用では珠の大きさの違いが特徴になります。
男性の場合、珠の大きさは22玉が一般的ですが、立派な数珠を持ちたい方には18玉がおすすめ。女性の場合、手の大きに合わせて珠の大きさを選ぶケースと持った時の直感で選ぶケースがあります。
自分に会った数珠を持つと、手にはめたときにしっくり来る感覚を得られるため、直感で選ぶのも一つの方法になるでしょう。
素材で選ぶ
略式数珠を選ぶ時のポイントは、数珠の素材をチェックすることです。数珠で使用してはいけない素材は基本的にないため、ご自分の好きな素材を選んでください。
数珠で使われる素材は具体的に下記のとおりです。
- 水晶
- サンゴ
- 真珠
- アメジスト
- アクアマリン
- ガラス
- ヒスイ
- 菩提樹
- オニキスなど
数珠に使われる素材はさまざまです。天然木素材を使えば風合いの変化を楽しみやすくなりますし、天然石素材を使えば美しい輝きに心ときめく場合も。
東海地方や北陸地方の一部では、数珠に使う素材が決められている場合があるので、一度確認してみましょう。
房の形で選ぶ
略式数珠を選ぶ時のポイントは、房の形を確認することです。
房の形は具体的に下記の表に示します。
房の形 | 特徴 |
---|---|
切り房 | ・装飾がない・基本となる形 |
梵天房 | ・さくらんぼのように丸い |
頭付房 | ・一般的によく見かけるデザイン・切り房の上に丸い頭がついている |
紐房 | ・太めの紐が垂れている・もともとは浄土真宗の男性用の本式数珠だった |
房の形は大きく4つに分けられ、素材には絹とレーヨンなどの人口素材の2種類。房の色に決まりはないので、ご自分の気に入ったデザインを選びましょう。
葬儀の数珠の基本的なマナー3つ
葬儀で数珠を使う場合、基本的なマナーがあるため抑えておきたいところです。
ここから、葬儀での数珠の取り扱いマナーを具体的に解説します。
貸し借りをしない
葬儀で数珠を使う時のマナーは、家族や親戚と数珠を共有しないことです。数珠とは本来仏と持ち主とをつなぎ、持つ方を守る役割がある仏具だからです。
家族や親戚とはいえ、数珠の共有はマナー違反になるといえます。
特に、焼香するときに家族間で数珠の貸し借りをするケースがありますが、持ち主以外の人が数珠を使うのはやめましょう。
急な葬儀で数珠を忘れてしまったり、葬儀に向かう途中で数珠を破損したりしてしまうケースも。万が一に備えて、数珠を2連持っておくと安心できます。
お葬式用の数珠を使う
葬儀で数珠を使う時のマナーとして、お葬式用の数珠を使う点があげられます。近年ではパワーストーンが流行したことから、日常的にアクセサリーとして数珠を使う方もいるでしょう。
しかし、アクセサリー用として売られている数珠の場合、通夜やフォーマルな場では相応しくありません。葬儀は神聖な場所になるため、喪服に合わせて数珠も葬儀用のものを用意するのがマナーです。
前述の通り、現代では比較的安く葬儀用の数珠を手に入れる方法もあります。
床や椅子に置かない
葬儀での数珠の取り扱いマナーとして、床や椅子などに置き去りにしない点があげられます。
前述の通り、数珠は持ち主の分身であるといわれますし、持ち主と仏を繋ぐ仏具としての役割があるため。大切なものであるため、葬儀の間は肌身離さず持ち歩きましょう。
離席する場合、女性でしたらお持ちになっているバックに入れ、男性の場合はパンツのポケットに入れるのがおすすめです。
まとめ
ここまで、葬儀での数珠の持ち方や入手方法などについて具体的に解説してきました。
葬儀の数珠の持ち方を理解すれば、自信をもって葬儀に望むことができます。数珠の持ち方のマナーで恥をかいたりすることもないでしょう。
本記事を参考に、葬儀での数珠の持ち方などを理解していただければ幸いです。