終活は30代から始めよう!メリットや具体的な終活準備を徹底解説!
近年、「終活」を耳にする機会が増え、親がすでに終活を始めている家庭も少なくありません。
親の終活をきっかけに興味は湧いているけれど、終活を始めるには30代では早すぎると思っていませんか?しかし、30代でも終活を始めるのに早すぎることはありません。むしろ、30代は終活を始めるベストタイミングといえます。
では、30代の終活とは、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?本記事では、30代から終活を始めるメリットや、具体的な終活準備を解説します。
目次
「終活」とは?
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略で、人生の最期を迎えるにあたっての準備を整える活動です。この終活という言葉は、2010年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたことをきっかけに、広く知れ渡りました。
近年は、少子高齢化や単身世帯の増加によって、介護や看取りを担う人材が不足しています。そうした背景から、高齢者が自ら老後や死後に備える「終活」に関心が集まりました。
ただ「死」という言葉は古くから縁起が悪く、死をイメージさせる終活もマイナスな印象を持たれることも少なくありません。しかし、終活をすることで死や老後に対する不安の払拭につながります。
家族への負担も軽減されるので、自身だけではなく家族にとってより良い活動となるでしょう。また終活の目的は、これまでの人生を振り返り、残りの余生を謳歌することです。終活は残りの人生に活力を持って過ごすために、必要な活動といえます。
終活は30代から始めよう!
終活を始める方は、仕事を退職した60代が多いです。そのため、「30代ではまだ早すぎるのではないか?」と思いますよね?しかし、終活は30代から始めても、決して早すぎることはありません。
楽天インサイト株式会社が行った2019年の調査によると、「終活を意識している割合」は20代から60代の中で、30代が46%と最も多い結果でした。つまり、30代の2人に1人が終活への意欲や関心があります。
特に30代は仕事で昇進したり、結婚をして子供ができたりと変化の多い年齢です。仕事やプライベートで責任が増える時期だからこそ、終活を始めるベストタイミングといえます。
もしものことを考えて早めに備えることで、残された時間を前向きに捉えられ、大切に過ごせるでしょう。決して早すぎると思わず、ぜひ30代から終活にチャレンジしてください。
終活を30代から始めるメリット4つ
ここでは、終活を30代から始めるメリットを4つ紹介します。
- 人生を見つめ直すきっかけになる
- 物を減らして身軽な生活ができる
- 家族への負担を軽減できる
- 親の終活を一緒に進められる
順番に解説します。
①人生を見つめ直すきっかけになる
終活を30代から始めることで、人生を見つめ直すきっかけになります。30代は仕事や結婚など変化の多い年齢です。人生のターニングポイントになる年齢だからこそ、1度立ち止まって人生を見つめ直すことも必要になります。
30代は仕事に家事に忙しく、自分の本当にやりたいことが疎かになっている方も多いでしょう。訪れる死に向き合うことで、自分が本当にやりたいことが明確になり、後悔のない行動ができます。
またマイホームの購入や子供の成長などに伴い、これから更にお金が必要です。終活で自分の人生を見つめ直すことで、必要な資金や人生の生きがいが見えてきます。
②物を減らして身軽な生活ができる
終活を30代から始めることで、物を減らして身軽な生活ができます。終活では、「断捨離」という、所有物の処分や整理もするためです。終活をとおして物を減らすことで、30代のうちから身軽で快適な暮らしが実現できます。
また終活で断捨離をする際は、物の不必要を判断する「判断力」と、物の運搬や廃棄をする「体力」が必要です。いざ60代になって断捨離をしようとしても、判断力、体力ともに限界があります。
判断力や体力が低下していない30代から終活を始めておけば、断捨離がよりスムーズに進むでしょう。そして、物が少なければ、いざ終活で断捨離をする際の手間も省ける点もおすすめです。
③家族への負担を軽減できる
終活を30代から始めることで、家族への負担を軽減できます。たとえ若くても、いつ何があってもおかしくありません。
突然、事故や病気になる可能性も考えられるため、漠然とした不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?万が一のことが起これば、家族への精神的、体力的負担が想定されます。
しかし、早い段階で終活を始めることで、これらの不安や家族への負担を軽減できます。あらかじめ、万が一の時の対応や自分の意志を家族に伝えておきましょう。万が一の時の対応が決まっていれば、それだけでも家族の助けになります。
万が一の時の家族への負担を想定して、あらかじめ備えることが大切です。
④親の終活を一緒に進められる
終活を30代から始めることで、親の終活と一緒に進められます。30代になると、親世代は終活を始める年齢になっている方が多いです。30代から終活を始めれば、そうした親世代と一緒に終活を進められます。
親の終活を手伝うことで、体力的にも余裕のない親の助けになるでしょう。また、リアルタイムで終活に対する親の意思を確認できるので、双方の意思を擦り合わせながら終活を進められるメリットもあります。
また親の終活を一緒に進めると、いざ自分の終活をする際の教訓にもなるため、ぜひ親の終活と一緒に進めましょう。
30代からするべき終活準備5選
次に、30代からするべき終活準備を5つ紹介します。
- エンディングノートを書く
- 断捨離
- 資産の見直し
- デジタル終活
- 残りの人生のライフプランを決める
1つずつ順番にみていきましょう。
①エンディングノートを書く
30代の終活では、まずエンディングノートを書きます。エンディングノートとは、以下のような自分の個人情報や、終活においての希望などを書き記せるノートのことです。
- 自身の個人情報
- 医療・介護に関する希望
- 葬儀やお墓に関する希望
- 交友関係
自分の意志や必要な情報を自由に書けるので、万が一の時の助けになります。実際に自身の老後や死後は、家族がエンディングノートを見ながら進められるので、精神的、身体的負担が段違いです。
ただエンディングノートには、法的効力がありません。特に遺産相続などの法律が関わってくる事柄については、家族間のトラブルに発展する可能性があります。そのため、遺産相続などの法律が関わる事柄については、法的効力のある「遺言書」に記載しましょう。
②断捨離
30代の終活では、断捨離もします。断捨離とは、不要なものを手放し執着をなくす作業のことです。断捨離で物を減らすことで、シンプルかつ快適な生活を送れます。
物が少ないことによる「精神的余裕」や、お金を節約して生活できる「金銭的余裕」が生まれることが断捨離のメリットです。最近は、必要最低限の物でくらす「ミニマリスト」という暮らし方も話題になっているほど、断捨離の重要性が注目されています。
ただ、断捨離をする際は、物の不必要を判断する「判断力」と、物の運搬や廃棄をする「体力」が必要です。終活を始める方の多くが60代ですが、年齢的に判断力や体力に限界があります。判断力や体力に余裕のある30代であれば、よりスムーズに断捨離が進むでしょう。
30代から断捨離をして、シンプルかつ身軽な生活を送ることで、将来的に断捨離をする際の手間も省けるため、早めに始めるのがおすすめです。
③資産の見直し
30代の終活では、資産の見直しもします。これから年齢を重ねるごとに、医療や介護、お墓や葬儀などさまざまな場面でお金が必要です。そのため、早い段階から将来的に必要な経費を見直し、備える必要があります。
また30代は自身の老後だけではなく、マイホームの購入や子供の養育費なども必要です。保有している資産を見直して、自分の老後に必要な分と並行して準備しなければなりません。
現状の資産を把握して、これからお金が必要な時に困らないように、早い段階から備えましょう。
④デジタル終活
30代の終活は、デジタル終活もします。デジタル終活とは、スマートフォンやパソコンなど、インターネット上に保管されているデータを整理することです。デジタル終活は、スマートフォンやパソコンなどのインターネットが普及し、便利な世の中になった今だからこそ、必要な作業といえます。
基本的に、個人で利用しているデータに関しては、本人以外は操作できないことがほとんどです。万が一、家族があなたのデジタル機器を操作しなければいけない時に、必要な情報がわからないと家族にとって負担になります。そのため、あらかじめ以下のような必要な情報を整理しておきましょう。
- SNSアカウント
- パスワード
- 動画や写真
- ネット通販などのサービスで登録している情報
パスワードなどの情報は、エンディングノートにまとめるなどして、家族への伝え忘れがないようにしてください。また第3者に個人情報が漏れないように、注意して取り扱いましょう。
⑤残りの人生のライフプランを決める
30代の終活は、残りの人生のライフプランを決めます。30代は仕事の昇進や結婚、マイホームの購入などがある人生のターニングポイントです。残りの人生をどう生きたいのかを、人生のターニングポイントとなる30代で考えてみましょう。
残りの人生のライフプランを決める際は、以下のような「やりたいことリスト」などに具体的な過ごし方をまとめます。
- 行きたい場所
- 食べたいもの
- 会いたい人
- 挑戦してみたいこと
終活の真の目的は「これまでの人生を振り返り、残りの人生をよりよく生きる」ことです。人生のライフプランを具体的に決めて、残りの人生も活力で溢れる毎日を過ごしましょう。
30代の終活を進めるポイント
次に、30代の終活を進めるポイントを解説します。
- 保険の見直しをする
- 遺言書の必要性を考える
順番に解説します。
①保険の見直しをする
30代の終活を進めるポイントは、保険の見直すことです。現在、契約している保険を見直して、本当に必要な保険に絞ります。
30代は結婚や子供の出産など、将来への備えがより一層必要になる年代です。しかし、必要以上に保険に入りすぎていたり、お金を払いすぎたりしている場合があります。終活をするタイミングで1度保険を見直して、将来への備えを万全に整えましょう。
②遺言書の必要性を考える
30代の終活を進める際は、遺言書の必要性も考えましょう。終活と聞くと「遺言書」をイメージしますが、30代の時点ではまだ遺言書を準備する必要性はありません。
一般的に遺産の相続は、配偶者や子供などの親族に相続されます。そのため「財産分与を指定したい」「遺産を寄付したい」のような特別な事柄がないようであれば、遺言書は必要ありません。
30代独身の終活準備はどうする?
最近は、結婚をせずに独身として一生を過ごす方も増えています。しかし、独身であっても当然、終活準備は必要です。では、30代独身の終活準備は、具体的にどのようなことすればいいのでしょうか?
そこで次に、30代独身の終活準備を紹介します。
- 資産を見直す
- デジタルデータを整理する
順番に見ていきましょう。
①資産を見直す
30代独身の終活は、資産を見直します。
現在、どれくらいの資産を持っているのかを明確にして、整理しておきましょう。独身だとしても、もしものことがあった場合、家族間での遺産相続に発展します。未然にトラブルを防ぐためにも、あらかじめ誰に引き継ぐのかを決めるのが大切です。
また今後の人生で医療や介護など、さまざまな場面でお金が必要になります。独身だからこそ、もしものことを考えて早めに備るのが大切です。
②デジタルデータを整理する
30代独身の終活は、デジタルデータも整理します。独身の場合でも、万が一の時に必要なデータが整理されていないと、家族への負担になってしまうからです。
あらかじめ、以下のような必要なデータを整理して、エンディングノートなどに記載しておきましょう。
- SNSなどのアカウント
- クレジットカードやサイトの暗証番号
- ネットバンキングのIDやパスワード
またデータを整理する際は、第3者に個人情報が漏れないように注意して取り扱う必要があります。
30代の終活に関するよくある質問
最後に、30代の終活に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
- 30代の終活でお墓や遺影は決めておいた方がいいですか?
- 終活セミナーは役に立ちますか?
- 30代以外にはどのようなタイミングで終活を始める?
順番に見ていきましょう。
Q.30代の終活でお墓や遺影は決めた方がいいですか?
30代の時点で、お墓や遺影を決める必要はありません。お墓や葬儀に関することは、高額の出費が絡むため時期尚早です。
30代は結婚やマイホームの購入など、さまざまなイベントが控えている年齢なので、30代のうちから、終活に金銭を注ぎ込みすぎないように注意しましょう。
Q.終活セミナーへは行くべきですか?
終活セミナーは、基本的に高齢者向けのものが多いためあまり向いていません。30代の終活ではエンディングノートや、断捨離程度で十分です。
ただ、なかには20代から30代の若者向けの終活セミナーも実施しているので、参加してみてもいいでしょう。
Q.30代以外にはどのようなタイミングで終活を始めますか?
終活を始めるタイミングは特に決まっていませんが、以下のようなきっかけで始める方もいます。
- 結婚して子供が生まれた
- 定年退職した
- 家族が亡くなった
- 家族や自分の健康が心配になってきた
終活を始めるのに早すぎると感じることは決してなく、「思い立った時」が終活を始めるベストタイミングといえます。ぜひ、体力のあるうちから始めるのがおすすめです。
まとめ:30代からの終活で、残りの人生を見つめ直すきっかけに!
終活は仕事を退職する60代から始める方が多いですが、30代から始めても決して早すぎることはありません。むしろ、人生のターニングポイントになる30代から始めるのがおすすめです。
30代から終活を始めることで、身軽な暮らしができるだけでなく人生を見直すきっかけになります。親の終活と一緒に進められるので、家族にとって理想の終活を進められるでしょう。
また最近は、結婚をせずに生涯独身を貫く方もいます。独身の方も将来に備えて、早い段階から終活を始めるのが大切です。
今回紹介した内容を参考に、ぜひ30代から終活にチャレンジしてください。