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20代に終活がおすすめな理由は?具体的なやり方や注意点を徹底解説!

「人生の終わりのための活動」略して終活。すっかり世の中に定着した言葉ですが、やはり高齢者や退職を迎える方がするイメージが強いです。

しかし、中には20代で終活をする方も。最近ではテレビ番組『人志松元の酒のツマミになる話』の中で、元乃木坂46の生駒里奈さんが終活しているという話が話題になりました。

20代から終活すれば、今後の人生設計やもしものときの準備をすることが可能です。

そこでこの記事では、20代の終活をおすすめする理由やメリットや終活の際の心構えを解説します。最後まで読めば、あなたも前向きに終活を考えられるでしょう。

目次

20代の終活事情は?

考え事をしている

20代は一般的に青春時代に当たり、学生や働いている方も勉強や遊びや仕事に忙しく過ごす時代です。20代の年齢を考えると終活とは無縁に感じます。しかし若い20代での終活を意識する方は多く、理由もさまざまです。

あなたは終活を意識したことある?

あなたは終活を意識したことがありますか?20代はまだまだ人生も長いので、意識したことのない方も少なくないでしょう。

しかし、中には20代で終活に興味関心を持っている方も。

2022年1月、楽天インサイト株式会社がインターネットで「終活に関する調査」を実施しています。

調査結果は20代で終活の意向のある方は男性で40.7%、女性で52.6%とコロナ禍の不安な世相を反映してか男女ともに高い結果となっています。特に女性は50%以上が終活意向ありと驚きの結果です。

そのため、最近では20代の終活は決して珍しいことではないといえるでしょう。

20代が終活を思い立つ理由とは?

20代が終活をしたい理由を男女別で上位3つを見てみます。

家族に迷惑をかけたくないから45.5%
後に何も残したくないから27.3%
自分の人生の終わりかたは自分で決めたいから27.3%
20代男性の終活をする理由
家族に迷惑をかけたくないから65.9%
自分の人生の棚卸し、整理をしたいから41.5%
自分の人生の終わりかたは自分で決めたいから36.6%
20代女性の終活をする理由

男女共に、自分で人生の責任を持ちたい方が多いようです。また、家族に迷惑をかけたくない意識も読み取れます。調査結果から、家族や自分の人生のために20代から終活を意識している方が多いとわかるでしょう。

20代での終活がおすすめな理由

20代の若い男女のこれから

20代で終活をすると5つのメリットがあります。

  • 今後の将来設計につながる
  • 不用品の整理をする習慣が身に付く
  • 物を減らしてシンプルな生活ができる
  • もしもの不安を解消することに役立つ
  • 親の終活にも前向きに向き合える

どれも将来のあなたや家族やパートナーにとって良いことばかりです。

今後の将来設計につながる

20代の終活は亡くなる前の準備ではなく、今後の人生をどう生きるかの将来設計の意味合いが強いです。自分の人生を振り返ることで、未来にしたいことが鮮明になります。

具体的には「元気なときに世界一周をしたい」「老後は海の近くに住みたい」などと考えると、その目標や達成するためにするべきことに気付けるからです。

結果、人生に希望を持って将来設計につながります。

不用品の整理をする習慣が身に付く

終活はもともと不用品を整理する作業、断捨離と密接に関係があります。なぜなら不用品を片付けると、亡くなった後に残された家族の負担を軽減できるからです。

昔から集めていても、今の自分に不用な物は整理をしましょう。

不用品の整理を20代から意識すると、必要な物を見極める力が養われます。取捨選択する力は、生きるうえで大きな力になります。

物を減らしてシンプルな生活ができる

物を減らすことで、本当に必要な物だけで暮らせるように。不用物がなくなるとシンプルで身軽になり、生活面でも金銭面でも無理のない生活ができます。

最近では物を極力持たない生活、ミニマリストが注目されています。本当に必要な物だけに囲まれて暮らす生活は、あなたにとって心地良い空間や幸せな時間を生み出すでしょう。

もしもの不安を解消することに役立つ

残念なことに20代で不慮の事故に巻き込まれたり、病気になったりする可能性があります。20代の終活はそんな不安の解消の手助けに。残された家族に伝えることが決まっていれば、いざのときの後悔を減らせるからです。

エンディングノートを書いたり、大事なパスワードや口座をまとめておくことが具体的な対策です。不安の解消は今を生きる安心感につながり、精一杯生きることにも結び付きます。

親の終活にも前向きに向き合える

最後は、親の終活に対して前向きになれるメリットです。終活はどうしても亡くなったときの準備の面が強く感じられます。しかし、20代の自分の終活経験を伝えることで、決してネガティブなものではないと伝えられるでしょう。

終活は、親孝行の意味合いでも価値のある行動です。親の終活を一緒になって考えることは、親子の絆を深める絶好のチャンスになりますよ。

20代の終活でやること5つ

やることを書く

終活と聞くとお墓や、葬儀方法を決めるなど亡くなるときの準備と思いがちですが、20代の終活のキーワードは「身軽にする」「将来設計をする」ことです。意識すれば明日からでも始められます。具体的な対策は5つあります。

  • いらない物を断捨離する
  • SNSやスマホのデジタルデータを整理する
  • エンディングノートを書き始める
  • やりたいことや夢のライフプランを立てる
  • 今と未来に必要なお金の計算をする

難しく考えずできることから始めてみましょう。

いらない物を断捨離する

物が多い状態

まずは「身軽になる」のテーマの1つの断捨離で、対象は以下の通りです。

  • 衣類・本・DVD・雑貨など
  • 使っていないクレジットカード
  • 残高が少ない、0円の銀行・証券口座
  • 受信箱にたまっているだけのEメールのアドレス登録先
  • 使っていない、見ていないサブスクサービス

ポイントは自分の処分基準を設けること。例えば1年以上使っていないものは処分するなど、使う頻度を振り返って処分を考えてください。不用品の処分はメルカリや買取業者を使えば、思わぬ臨時収入になるかもしれません。ぜひ楽しんで断捨離をしてください。

またクレジットカードは1~3枚、銀行口座も1~3口座くらいが目安です。Eメールやサブスクサービスは利用していないものが対象です。本当に日々チェックしている、使っているものだけを残しましょう。

SNSやスマホのデジタルデータを整理する

スマホのデジタルデータ

最近問題になっているのがパソコンやスマホに保存されているSNSやデジタルデータの扱いです。必要なデータは残し、不用なデータは削除をしましょう。画像や動画はデータに残せて便利ですがリスクもあります。

アカウントの乗っ取りやなりすまし、プライベート情報の流出など犯罪に使われてしまう可能性があるからです。もしかしたらあなたや周りの方に、大きな被害が及ぶかもしれません。

日頃から使っていないアプリやSNSアカウントは、定期的に見直して整理してください。特に大事なものはIDやパスワードをデジタル以外で管理し、いざという時に家族がわかるようにしましょう。

エンディングノートを書き始める

エンディングノートを書く

エンディングノートは終活をする上で欠かせません。20代で「エンディング」というと違和感を感じる方もいるかもしれません。大事なことは、自分の思いをエンディングノートを書いてみることです。

文字にすることで、それを実現するためのポジティブな気持ちになります。

加えて、エンディングノートには以下を書き残しておくのがおすすめです。

  • 携帯電話や運転免許証などの個人情報
  • 友人や知人の連絡先
  • 保有している銀行口座・証券口座・クレジットカードの情報
  • 医療やドナーや臓器提供の希望
  • 加入している保険の内容

エンディングノートに法的拘束力はありませんが、自分の思いを伝える手段としては有効です。

最近では、PCで無料で使えるエンディングノートツールやスマホのエンディングノートアプリもあるので気軽に始めましょう。本格的にやりたくなったら、本屋にオシャレで書きやすいエンディングノートもあるので、あなたにあった本を探してみてください。

やりたいことや夢のライフプランを立てる

夢の詰まったカバン

あなたが将来やりたいことや夢を考えましょう。「どんな人生を歩みたいか」「そのために何が必要か」などが整理されるからです。

具体的には「バケットリスト」の考え方でエンディングノートに書きましょう。「バケットリスト」とは主にアメリカなどで使われる言葉で「死ぬまでにしたいことリスト」のことです。考え方は以下の通り。

  1. 実現性などは考えず、とりあえず書いてみる
  2. お金の心配などは考えないで書く
  3. 他人の影響などは考えず、あくまで自分がしたいことを書く

「今の自分には無理だな」「お金がないからできないよな」「親が反対しそうなので無理かな」こうした考えは一度捨てて、思い付くままに書いてみましょう。書きあげたところから優先順位をつけると、頭の中が整理されて自己実現に向かえます。最後に定期的な見直しもしましょう。

今と未来に必要なお金の計算をする

お金と時間

20代の終活でのお金の計算は誰に残すかではなく、将来のライフイベントにどれくらいのお金がかかるかがメインテーマです。自己実現に向けてどれくらいの時間とコストがかかりそうかを計算しましょう。

漠然とお金がかかりそうだなというより、具体的に考えることで実現に向けて動きだすきっかけになります。

すぐに思い浮かぶのは結婚やマイホームや子供や趣味のことです。計算をすることで、金銭面の不安解消や今の生活を見直すチャンスにもなります。

20代の終活で気を付けること3つ

終活について相談する

20代の終活はあなたの人生を前向きに生きるための活動です。注意してほしいことが3つあります。

  • 物の捨て過ぎに気を付けて整理をする
  • 親や専門家に相談する
  • 心配し過ぎて余計な保険に加入しない

若い20代は勢いがあるので、その勢いが違う方向に行かないように気を付けましょう。また終活の心構えを事前に知ることは今後に役に立ちます。

物の捨て過ぎに気を付けて整理をする

まずは物の捨て過ぎに注意して整理をしましょう。断捨離で周りがすっきりして来るとつい必要な物まで処分してしまうからです。

処分し過ぎて、同じものを買うことになる可能性も。このようなムダがないよう、物の処分は節度と自分の基準を持って実施しましょう。

親や専門家に相談する

終活を進めてわからないことや疑問に思うことが出て来るかもしれません。そうしたときは親や専門家に相談しましょう。他人の意見を参考にすることは見えなかった視点を発見できたり、時間の有効活用につながるからです。

親の若いときの話しや終活アドバイザーなどのプロが持っているノウハウはあなたの助けになります。1人で悩まず年長者やプロの話しに耳を傾けてください

心配し過ぎて余計な保険に加入しない

最後は、将来に向けての備えとしての保険です。20代を迎えるころは保険の加入を検討する時期です。しかし心配だからや勧められたからという理由で余計な保険への加入に注意してください。

そもそも保険は「確率小・損失大」のリスクに対して加入するもの。つまり「起きる確率は低いが、起きたら損失が大きいもの」に備えることです。安心と安全をお金で買う行為は高くつきます。

勧められた情報を鵜呑みにせず、本当に必要な保険だけに加入しましょう。

まとめ

身軽に生きていく

終活は人生の終わりに向かっての活動だと思われがちです。しかし20代の終活は「人生をどう生きるか」「自己実現に必要なことは何か」「無理なく身軽に生きるために何をすれば良いか」がメインの活動です。

終活を考えることで目標や夢までの距離が明確になり、そのための準備ができるメリットがあります。また今の生活がしやすくなるメリットや良い影響が親や周囲の方にも波及する効果もあります。終活でやることや心構えを参考に20代での終活を実行して、より充実した人生を送れるようにしましょう。