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【完全版】葬儀の持ち物は?必要なものやマナーを徹底解説!

「葬儀に必要な持ち物って何?」

「葬儀で忘れ物をして恥をかきたくない…」

「葬儀に必要な持ち物やマナーを押さえ、遺族に失礼がない態度を取りたい」

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。本記事を読んでいる方の中には、突然の訃報を受け、何を持って参列すればよいのかわからずに焦っている方もいるでしょう。

葬儀に必要な持ち物リストをチェックしておけば、忘れ物の心配をする必要はありません。

そこで今回は、葬儀に必要な持ち物やマナーなどを解説。最後まで読めば、葬儀に必要な持ち物やマナーを理解でき、安心して葬儀に参列できます。

目次

葬儀に必要な持ち物リスト

チェックリスト

葬儀に必要な持ち物を一覧できるように、以下の表にまとめました。

葬儀に必要な持ち物香典・袱紗・数珠・ハンカチ
葬儀にあると便利な持ち物サブバッグ・ストッキングの替え・メイク道具
必要に応じて持参したい持ち物傘扇子・エプロン着替え・軽食・手袋・風呂敷

葬儀に参列するときの季節や天候、立場などによって必要な持ち物は変わってきます。

葬儀に参列するときの状況に応じて、必要な持ち物を選ぶとよいでしょう。

葬儀に必要な持ち物4つ

葬儀に参列する女性

どのような立場で葬儀に参列する場合でも、必要になる持ち物は以下の4点です。

  • 香典
  • 袱紗(ふくさ)
  • 数珠
  • ハンカチ

ここから、葬儀に必要な持ち物について具体的に解説します。

香典

葬儀に参列するときに、必要になる持ち物は香典です。香典とは、線香やお花などの代わりに御霊前に備えるお金のことで、故人に対する弔いの気持ちを表します。

香典に関するマナーは、具体的に以下の表の通りです。

香典のマナー理由・注意点など
新札を使わない遺族から「故人の死を予期していた」と思われる恐れがあり、新札しかない場合、折り目をつけてから利用するのがポイント
故人との関係性に応じた金額を渡す遺族にとって、負担となる恐れがあるため
・親、兄弟、パートナーの家族:3万円から10万円
・知人、友人:5,000円から1万円
・会社の同僚:3,000円から5,000円
故人の信仰する宗教に応じた不祝儀袋を選ぶ・仏式:白無か蓮の絵や型押しのされているもの
・キリスト教:白無地か十字架や白百合の印刷されているもの
・神道:白無地のもの
故人の信仰する宗教に応じて不祝儀袋の表書きを変える・浄土真宗:御仏前・御香典
・浄土真宗以外:御霊前
・キリスト教:御花料・御霊前
・神道:御榊料・御玉串料・御霊前
香典の金額によって不祝儀袋の種類を変える・5,000円未満:水引を印刷しているもの
・5,000円から2万円:黒白の水引のもの
・2万円から5万円:双銀の水引のもの

香典を受付で渡すときの流れは、具体的に下記の通り。

  1. 袱紗から香典を取り出す
  2. 袱紗の上に香典を乗せ、表書きを相手側に向ける
  3. 「この度はご愁傷様です」とお悔やみの言葉を伝え、受付の方に渡す

後述するように、葬儀に香典を持参するときには必ず袱紗に包みましょう。

袱紗(ふくさ)

葬儀に参列するときに必要なのは袱紗。袱紗とは不祝儀袋を包む布のことで、葬儀に香典を持っていくときには、男女に関係なく利用することがマナーとなっているためです。

袱紗に関するマナーは、下記の表の通り。

袱紗に関するマナー理由・注意点など
寒色系(紫・グレー・紺・緑)のものを使う暖色系(ピンク・オレンジ・ベージュ)のものは、慶事で使うのがマナー慶弔どちらも使える紫を持っておくと便利
左側が上になるように包む慶事では右側を上にするのがマナーとなっているため
3種類の中から選ぶ・風呂敷袱紗:正式なものとされており、敬意を表すために最適
・爪付き袱紗・台付き袱紗:留め具や台が付いており、安定性が高い
・金封袱紗:袋状で使いやすい。最初に買う袱紗としておすすめ

初めて袱紗を買うときは、慶事でも使える紫色のものを選ぶと便利に使えるでしょう。

数珠

葬儀に参列するときに必要なのは数珠です。各宗派によって正式な数珠(本式数珠)の種類は異なりますが、基本的に自分の信仰する宗派の数珠を持参して構いません。

特定の宗教を信仰していない方の場合、略式数珠といわれる簡易的な数珠を持っておくと便利でしょう。

葬儀に参列するときの数珠のマナーは、下記の表の通りです。

数珠のマナー理由や注意点など
神道やキリスト教の葬儀の場合には不要数珠を使うのは、仏教徒に限られるため
葬儀中は数珠を左手にもち、房を下に垂らす左手は仏様の世界を表すとされているため
貸し借りをしない持ち主の分身でお守りとされており、移動するときは椅子の上に置かず、ポケットやバッグに収める

数珠がない場合は仏具店の他に、ホームセンターやスーパー、コンビニなどでも購入できます。

ハンカチ

葬儀で必要になるのはハンカチ。涙を拭ったり汗を拭いたりすることが、葬儀で発生するケースもあるためです。

白か黒のものを選ぶのがマナーで、明るい色やワンポイントの入っているものなどは、葬儀にふさわしくありません。同色で花柄などが目立ちにくく刺繍されているものや、控えめなレースが入っているものに関しては、使ってよいとされています。

暑い時期に、厚手のタオル地のハンカチを持っていくのもNGです。一般的なハンカチとセットで持って参列するのがポイント。

ワンポイントの入っているものしか持っていない場合、内側に折りたたみ、周囲から見えなくすれば使えます。

葬儀にあると便利な持ち物3つ

口紅

葬儀に参列するとき、以下の3点は必須になりませんが、持って参列すると便利でしょう。

  • サブバッグ
  • ストッキングの替え
  • メイク道具

ここから具体的に解説します。

サブバッグ

葬儀に参列するときに、あると便利な持ち物はサブバッグ。基本的にハンドバッグに収まる量の持ち物にするのが望ましいですが、女性の場合は荷物が多くなるケースもあるためです。

エプロンや着替え、軽食などを持って葬儀に参列するときなどに役立ちます。当日に香典返しを渡されたケースでも、サブバッグに入れて持ち運びが可能です。

黒色の布製で、光沢のないものを選ぶのがポイント。サブバッグとして、フォーマル用のものを選ぶのも1つの方法です。

ストッキングの替え

葬儀に参列するとき、あると便利なのはストッキングの替え。葬儀にふさわしいストッキングの厚さは30デニール以下と薄手で、比較的容易に伝線しやすいためです。

立ち座りの動作も多い葬儀においては、気づかない間にストッキングが伝線するケースもあります。恥ずかしい思いをする可能性が高く、予備のストッキングを持参するのが賢明。

ストッキングの伝線を防ぐには、日頃から足を保湿したり、爪の長さを整えておいたりすることが有効です。

メイク道具

葬儀にあると便利な持ち物はメイク道具。泣いたり汗をかいたりするケースもあり、メイクが崩れやすいためです。

派手なメイクや明るいメイクのみでなく、葬儀ではノーメイクで参列することもマナー違反。

身だしなみを整えてこなかったと思われる原因になり、片化粧をするのがポイントです。片化粧とは控えめなメイクのことで、アイシャドーやチークなどはNGマナーになります。

以前は「悲しみのあまり紅も引けない」気持ちを表すために、口紅も引かない風習がありました。現代では、肌の色に近い控えめな色であれば、葬儀で使ってもよいとされています。

必要に応じて葬儀に持参したい持ち物7つ

葬儀に参列する女性

葬儀に参列するときに、必要に応じて持っていくと便利なのが以下の7点です。

  • 扇子
  • エプロン
  • 着替え
  • 軽食
  • 手袋
  • 風呂敷

ここから具体的に解説します。

葬儀に参列するときに、必要に応じて持っていくとよいのは傘です。悪天候の日に葬儀が行われる場合には、必要になるでしょう。

黒色の傘が最適ですが、ない場合には紺やグレーなど、地味なものを選ぶのが望ましいです。

急な雨により、コンビニでビニール傘を買うケースもあるかも知れませんが、葬儀で使ってよいとされています。折りたたみ傘も同様に、黒や紺などの落ちついた色のものであれば、マナー違反にはなりません。

扇子

葬儀に参列するときに、必要に応じて持っていきたいのは扇子。真夏に葬儀が行われるケースでも、ジャケットの着用はマナーで、熱中症になるリスクもあるためです。葬儀中に扇子を扇ぐことはマナー違反ではなく、暑い日に持って参列すると役に立つでしょう。

扇子選びのポイントは、具体的に以下の点。

  • 黒か白のものを選ぶ
  • 骨部分が黒のものを選ぶ
  • 柄の入っているものや装飾の入っているものはマナー違反になる

葬儀に参列するときは、黒か白の無地でシンプルな扇子を選ぶのがポイントです。

エプロン

葬儀に参列するときに、必要に応じて持参したいのがエプロン。親族として葬儀に参列する場合、女性はお茶出しや食事の用意などのお手伝いを頼まれるケースもあるためです。

エプロンを持参することで、以下の効果が期待できます。

  • 親族の関係者であると周りの人が判別できる
  • 喪服の汚れを防げる

親族として葬儀に参列する場合は、念の為にエプロンを持参すると便利です。

着替え

葬儀に参列するときに、必要に応じて持参したいのは着替え

特に遠方から参列する方や、斎場に宿泊する方などは、着替えを持っていくと喪服が汚れるのを防ぎやすくなるでしょう。

明るい色の服やデザイン性の高い服などを避け、なるべくシンプルで落ちついた色のものを選ぶのが望ましいです。

軽食

葬儀に参列するとき、状況によっては軽食を持っていきましょう。親族として参列する場合、通夜振る舞い(通夜の後に行われる食事で、故人を偲んで食事する最後の機会)などにより、食事をゆっくりする時間がないケースもあるためです。

干し芋やバナナなど、手軽に食べられつつ、栄養価の高いものを選ぶのも1つの方法になります。

手袋

葬儀に参列するときは、必要に応じて手袋を持参しましょう。派手なネイルをしている女性の場合、ネイルをしたままの状態で参列することはマナー違反となるためです。

葬儀までにネイルを落としたり、ベージュのマニキュアを塗り重ねたりできない場合、手袋でカバーできます。

葬儀で使う手袋のマナーは、具体的に以下の通り。

  • 殺生をイメージさせることから、動物の革が原材料のもの避ける
  • 焼香をするときや食事中は手袋を外す

レースの素材で、黒の手袋を選ぶのがポイントです。

風呂敷

葬儀に参列するときは、必要に応じて風呂敷を持参しましょう。特に親族として参列する場合、帰るときにも荷物が多くなりやすいためです。風呂敷を持参することで、荷物が増えたケースでも対応できます。

葬儀で風呂敷を使うときの結び方は、具体的に下記の通り。

  1. 風呂敷を裏にし、ひし形にする
  2. 包むものを中央寄りの右側に置く
  3. 右側→下側→上側→左側の順にたたむ
  4. 表側の余った部分を裏側に折り返して整える

慶事の場合は上下左右の順番が反対で、使い分けに注意が必要です。

お通夜・葬儀・告別式(お葬式)に参列するときのマナー7つ

葬儀に参列する人

お通夜・葬儀・告別式(お葬式)に参列するとき、遺族に不快な思いをさせないためにも以下のマナーを守りましょう。

  • 服装のマナー
  • 靴のマナー
  • 髪型のマナー
  • バッグのマナー
  • アクセサリーのマナー
  • 時計のマナー
  • 指輪のマナー

ここから具体的に解説します。

服装のマナー

葬儀に参列するときは、男性女性に関係なく、服装のマナーを守ることがポイント

葬儀の服装のマナーは、下記の表の通りです。

男性の場合女性の場合
黒の準礼装で白いシャツ、黒ネクタイ着用する・黒のワンピースかスーツ、アンサンブルを着用する
・基本的に肌の露出を控える
黒のシンプルなベルトを着用。ゴールドはNGスカートの丈を膝下にする
ネクタイピンやカフスピンなどを外す・暑い季節でも30デニール以下のストッキング着用がマナー
・タイツはNG

男性も女性も喪服を着用するのがマナーですが、お通夜は急に行われることから、平服で参列しても問題にはなりません。平服で参列する場合、黒の他に紺やグレーなどの落ちついたものを着用するのが望ましいです。

子供の場合は、制服で参列することが最もふさわしいですが、ない場合はシンプルで控えめな色の服装を選ぶのがポイントになります。

靴のマナー

お通夜・葬儀・告別式に参列するときには、靴のマナーを守りましょう

葬儀に履く靴で気をつけたいポイントは、以下の表の通りです。

男性の場合女性の場合
黒色で光沢や金具のないものを選ぶ黒色で光沢や装飾のないものを選ぶ
内羽根式で黒のストレートチップのものが最適・黒無地のプレーントゥの靴が最適
・オープントゥやポインテッドトゥのものはマナー違反
殺生をイメージさせるスエード・ヘビ革は避けるヒールの高さは3cmから5cmのものが望ましい
ローファーやスリッポン、スニーカーなどはマナー違反葬儀場でカツカツと音を鳴らさないように注意が必要

男性も女性もシンプルな黒のフォーマルシューズを1足持っておくと便利。

葬儀はおしゃれをする場面ではなく、値段よりもマナーに則っているのかが重要になります。

子供の場合、学校指定の靴やローファーなどで参列するのが望ましいです。ない場合は、黒やグレーなどのシンプルなスニーカーで参列しても問題にはなりません。

髪型のマナー

お通夜・葬儀・告別式に参列するときには、髪型のマナーを守りましょう。男女ともに、香りの強すぎる整髪料をつけないことが基本的なマナーです。

髪型に関するマナーは、具体的に下記の通り。

男性の場合女性の場合
前髪が顔にかかる方の場合、カットするかゴムでまとめる髪をまとめるときは耳より下の位置にする
ジェルやワックスをつけすぎて、髪をテカらせない髪留めやヘアゴムを利用するときは黒のシンプルなものを選ぶ
明るい髪色の場合、スプレーで一時的に黒くする明るい髪色の場合、ヘアスプレーで一時的に黒くする

男性も女性も、お辞儀をしたときに、髪の毛が顔にかからないことが望ましいです。

髪の毛の長い方の場合、シンプルなヘアゴムなどでまとめるのがポイントになります。

バッグのマナー

お通夜・葬儀・告別式に参列するときには、バッグのマナーを守りましょう

男性の場合は、バッグを持たずに参列する傾向にあり、持ち物はポケットに入れるのが基本になります。ポケットに収まりきらない場合は、黒で光沢のないセカンドバッグを持参するのが望ましいです。

女性の場合は、基本的にバッグを持って葬儀に参列する点が特徴。

光沢感のあるものや金具のついているものなどは、葬儀にふさわしくありません。

ショルダーバッグやリュックなどはマナー違反で、クラッチバッグやハンドバッグを持つのがポイントです。

底鋲のついているバッグを選べば、長持ちさせやすくなります。

アクセサリーのマナー

お通夜・葬儀・告別式に参列するときには、アクセサリーのマナーを守りましょう

男性の場合、結婚指輪以外のアクセサリーをつけるのはマナー違反です。

女性の場合は、結婚指輪の他にも、以下のアクセサリーに限り身につけられます。

  • 一連の真珠のネックレス(白・黒・グレー)
  • ダイヤのついている指輪の場合、外すか石の部分を見えない位置にする

二重になっている真珠のネックレスを身につけると、繰り返しを意味することから、葬儀では避けるのがマナーです。

時計のマナー

お通夜・葬儀・告別式に参列するときには、時計のマナーを守りましょう

時計を外した状態で葬儀に参列するのがマナーですが、やむを得ない事情がある場合は以下の点に注意が必要です。

  • アナログで装飾がない黒や白の時計を選ぶ
  • ゴールドやピンクゴールドなど、華美な印象を与えるものはマナー違反
  • スポーツタイプやクロノグラフ、スマートウォッチは葬儀にふさわしくない
  • 時計の時間を堂々と見ない

帰りの時間などを気にする必要のある方もいるかも知れませんが、基本的に葬儀は時間通りに進行します。葬儀の間はなるべく時計を外しておくのが望ましいです。

まとめ

葬儀に参列する人

ここまで、葬儀に必要な持ち物やマナーなどについて具体的に解説してきました。

葬儀に参列するときには、必要な持ち物のほかにも、状況や立場などに応じて持ち物を追加すると便利です。

マナーや持ち物など細かい点まで配慮すれば、遺族や参列している方を不快な気持ちにさせることはありません。

葬儀の持ち物やマナーを押さえることは、周囲の方のためでもありますが、結局自分のためにもなります。面倒くさいと感じることもあるかも知れませんが、「葬儀の間だけ」と割り切ることも必要です。

葬儀の持ち物やマナーを押さえれば、不安を感じずに参列できます。

周りの方に迷惑をかけることはないでしょう。