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【保存版】葬儀の受付のやり方、挨拶のポイント、服装など徹底解説

「葬儀の受付を頼まれたんだけどどうすればいいの?」

「葬儀の受付ってどんなことをするの?」

「葬儀の受付をするときに気をつけるべきマナーや挨拶は?」

上記のような悩みはありませんか?

葬儀の受付はご遺族の代理であり、かつ「顔」であるため非常に重要な仕事です。

この記事では、下記のような葬儀の受付に関する情報を余すところなく解説します。

  • 葬儀の受付の仕事の流れ
  • 葬儀の受付のマナーと挨拶のやり方
  • 葬儀の受付をする際の注意点

最後まで読めば、自信を持って葬儀の受付を務められるでしょう。

目次

葬儀の受付係の役割

葬儀 受付 役割

葬儀の受付係は多岐に渡り、主に下記のような業務を行います。

  • 葬儀の参列者を出迎える
  • 芳名帳・芳名カードへの記帳をお願いする
  • 香典を預かる
  • 香典返しを渡す

ご遺族から依頼された友人、同僚、親戚などが担当するケースが多いです。誰でも葬儀の受付を担当する可能性があるため、理解を深めていつでも対応できるようにしておきましょう。

葬儀の受付係の仕事のやり方

葬儀 受付 会計

まずは、葬儀の受付係の仕事のやり方や仕事の流れを紹介します。

  1. 準備する
  2. 芳名帳(芳名カード)を受け取る
  3. 挨拶をする
  4. 香典を受け取る
  5. 香典返しを参列者に渡す
  6. 葬儀会場へ案内する
  7. 会計係に香典を渡す

注意点として、葬儀を執り行う地域によって受付のやり方は異なります。例えば、北海道では「香典代」という領収書を発行して、香典を提出した参列者に手渡します。他にも香典袋の中身を、受付の場ですぐに確認する地域もあるようです。

本章では基本的、かつ一般的な葬儀の受付の仕事の流れについて解説します。

1. 準備する

準備段階でやるべきことは下記の2点です。

  • 葬儀の流れ、葬儀会場内の配置(お手洗いの配置、駐車場やタクシー乗り場等)や動線を確認する
  • 芳名帳記入の際に使用するための黒の筆ペン、ボールペン等の筆記用具を準備する

芳名帳に記入するための筆記用具は葬儀社が用意するケースもあるので、葬儀社や遺族に確認しましょう。

2. 芳名帳(芳名カード)を受け取る

芳名帳(または芳名カード)を受け取ってください。

芳名帳や芳名カードによって、誰が葬儀に参列したのかがわかります。喪主にとって非常に重要なので、漏れがないように注意してください。

芳名帳の場合は、黒ボールペンや筆ペンなどの筆記用具を準備します。参列者が多く来場する可能性も想定して、筆記用具は少し多めに用意しておきましょう。

芳名カードの場合は、内容に漏れがないかが重要です。参列者の氏名だけでなく、住所まで記入されているか確認します。

3. 挨拶する

葬儀の受付係が参列者に挨拶をするタイミングはいくつかあります。

挨拶のタイミングと挨拶の言葉について確認しましょう。

参列者が受付に来た時の挨拶

参列者がお悔やみの言葉を言いながらお香典を差し出してきた時に、葬儀の受付担当者はご遺族を代表して「本日はお忙しい中、お越しいただき誠にありがとうございます。」と、弔問に来たことにお礼を言いましょう。

参列者が喪主の親族の場合、「この度はお悔やみ申し上げます。」とさらに一言添えるのがおすすめです。

雨や雪が降っていた場合は、「お足元が悪い中、お越しいただきまして誠にありがとうございます。」と加えるとより丁寧でしょう。

香典を受け取る時の挨拶

香典を受け取る際には「お預かりします。」と言って、両手で香典を受取ってお辞儀します。

「ありがとうございます。」とは言わないので気をつけてください。

記帳をお願いする時の挨拶

記帳をお願いする際、「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください。」と挨拶して参列者の方に芳名帳に氏名を記入してもらいます。

芳名カードの場合は、受付以外の場所で記載するかもしれません。その場合は、「恐れ入りますが、あちらで芳名カードにお名前とご住所のご記入をお願いいたします。」と言いながら、芳名カードを記載する場所を示してください。

香典返しをする時の挨拶

香典返しは、両手で手渡すことを心がけましょう。

「こちらはお礼の品でございます。」または「こちらをどうぞ。」と挨拶してください。

香典返しを渡す代わりに引換券を渡すケースの場合は、「こちらが引換券となりますので、お帰りの際は、あちらの引換所でお礼の品物と交換をお願いいたします。」と案内してください。

香典を辞退する時の挨拶

遺族の意向で香典を受け取らない場合、「申し訳ございません。ご遺族の意志(故人の意志)により香典は辞退申し上げております。お気持ちだけありがたく頂戴致します。」と挨拶します。

参列者が香典を手渡そうとしても受け取らないでください。

引換所で香典返しを参列者に渡すときの挨拶

受付で香典返しを渡さずに、葬儀後に引換所で渡すケースの際は、「ご会葬ありがとうございました。お気をつけてお帰りくださいませ。」と挨拶してください。

親族が来た場合は、「この度はご愁傷様です。」と一言添えると丁寧です。

4. 香典を受け取る

香典を両手で受け取り、丁寧にお辞儀をします。

お供え物や弔電を受け取った場合は誰から受け取ったのかをメモして、葬儀社のスタッフにメモやお供え物、弔電を預けてください

5. 香典返しを参列者に渡す

芳名帳への記入、香典の受け取りが済んだら香典返しを参列者に渡します。

連名で香典を提出したり、欠席者分の香典を持参する参列者もいるかもしれません。手渡す香典返しの数に間違いがないように注意してください。一般的には香典が連名の場合は人数分、団体名の場合は1つの香典返しを渡します。

香典返しが少なくなったら、葬儀社のスタッフに声をかけましょう。

また、香典返しを受付時に渡すのではなく引換券を渡して、参列者が帰宅する際に香典返しと交換するケースもあります。遺族や葬儀社に事前に確認しておくのがおすすめです。

6. 葬儀会場へ案内する

受付を済ませた参列者には「式場・控室はあちらです。」と誘導すると、参列者はスムーズに会場に向かえます。

葬儀の受付係は、参列者からお手洗いや駐車場の場所について尋ねられることも多いです。葬儀場内の配置を頭に入れておきましょう。

7. 会計係に香典を渡す

会計係に香典を渡してください。通常、会計係は受付係の後方に控えているものです。香典泥棒もいるので、香典はきちんと管理しましょう。

受付係が会計係を兼任する場合は、受け取った香典の金額をチェックしてください。香典袋に記載されている金額と合致しているか確認します。金額が合致していないときは、該当する参列者を探し出して確認をとりましょう。

香典袋に記載されている氏名・住所・金額を会計帳に記録します。参列者が来なくなったら、会計帳に記載している金額ともらった金額が一致するかを確認してください。問題がなければ現金、会計帳、そして空になった香典袋をまとめて遺族に渡します。

葬儀の受付係が気をつけるべきマナー4つ

葬式 受付 マナー

葬儀の受付係はマナーに気をつけるべきです。

本章では、葬儀の受付係が気をつけるべきマナーを下記の4つに分けてご紹介します。

  • 挨拶のマナー
  • 言葉遣いのマナー
  • 香典受け取りの際のマナー
  • 香典受け取りを辞退する際のマナー

それぞれ詳しく説明します。

挨拶のマナー

参列者への挨拶は少し大きめな声でハキハキと、わかりやすく話してください。

厳かな場面なので、ゆっくりと穏やかに話すことも意識するといいでしょう。挨拶だけでなく、お辞儀と連動させることでより丁寧な印象を与えられます。

お辞儀は、きびきびとした態度で動く速さに気をつけてください。ゆっくりすぎると参列者をイラつかせてしまう可能性があり、速すぎると粗雑な印象を与えてしまいます。

言葉遣いのマナー

葬儀の受付係は丁寧な言葉遣いはもちろん、忌み言葉を避けることにも注意してください。

忌み言葉とは下記のような言葉を指します。

  • たびたび
  • かさねがさね
  • くれぐれも
  • またまた
  • 数字の4や9

特に「かさねがさね」は葬儀の受付係が「かさねがさね御礼申し上げます。」と使うケースが多いので注意が必要です。

香典受け取りの際のマナー

香典を受け取るときは、両手で香典を受取ってお辞儀します。

受け取るときは、片手で受け取ったり「ありがとうございます。」と言わないよう気をつけてください。「ありがとうございます。」を喪の場面で、単独で使うことはマナー違反とされています。

また、参列者が受付にいる時点で香典を会計係に手渡すのも失礼です。香典袋に記名を忘れた参列者がいた場合、本人の前で香典袋に名前を書くのもマナー違反になります。いずれも、本人が受付から去ってから対処してください。

香典受け取りを辞退する際のマナー

最近は、香典を辞退する葬儀が増加しています。「香典は辞退申し上げます。」といった文言が書かれた紙を貼り出す葬儀場も多いですが、葬儀の受付で直接参列者に言葉かけをすることが大切です。

香典を差し出そうとする参列者には、「申し訳ございません。ご遺族の意志(故人の意志)により香典は辞退申し上げております。お気持ちだけありがたく頂戴致します。」と挨拶しましょう。参列者の気分を害さないよう、丁寧に対応してください。

香典受け取りを辞退する場合は、決して香典を受け取ってはいけません。後ほど喪主とのトラブルに発展する可能性があります。

葬儀の受付を依頼された際の対応のやり方

葬儀 受付 依頼

葬儀の受付を依頼される可能性もあるでしょう。葬儀の受付は香典の受け取り等金銭の管理があるので、信頼できる方にしか依頼できません。よほどの理由がない限りは引き受けてください。

本章では受付を引き受ける場合と、やむなく断る場合の対応についてご紹介します。

受付を引き受ける場合

受付を引き受ける場合は、「この度は大変なことでした。私でお手伝いできることがあれば、もちろん引き受けさせていただきます。」と引き受けます。

葬儀の受付業務を引き受けた場合、下記のような葬儀の詳細が知らされるでしょう。

  • 葬儀の日程
  • 会場の案内
  • 持ち物

必ずメモを取って、間違いがないようにしてください。

受付を断る場合

葬儀の受付を頼まれたら原則断ることはできません。葬儀の受付は非常に重要な業務で、信頼できる方にしか頼めないからです。

とはいえ、下記のような事情がある場合は、受付業務を断っても仕方ないでしょう。

  • 病院に入院中である
  • 病み上がりで体調が万全ではない
  • 海外におり、帰国が葬儀に間に合いそうにない

断る場合は早い段階で、はっきりと断ることがマナーです。遺族との関係に悪影響を及ぼさないためにも、受付業務ができない理由を簡単に説明することをおすすめします。

葬儀の受付担当者におすすめの服装

葬儀 受付 服装

次に、葬儀の受付担当者におすすめの服装を男女別、そして学生の場合に分けてご紹介します。

男性の場合

男性が葬儀の受付担当をする際におすすめの服装は下記の通りです。

  • 上下黒のスーツを着る。上着はシングル・ダブルのいずれも着用できる。
  • ワイシャツは無地の白を着用する。開襟シャツ、カラーシャツ等は不可なので気をつける。
  • 黒の無地のネクタイを着用する。光沢のあるネクタイは選ばない。ネクタイピンは着用する必要がない。
  • 黒の無地の靴下を着用する。
  • 黒の靴を着用する。靴はエナメル等光る素材は避ける。
  • 慎みと清潔感のある髪型や髭にする。

女性の場合

女性が葬儀の受付担当をする際におすすめの服装は下記の通りです。

  • 黒のワンピース、スーツまたは和装を着用する。過度の露出は避ける。
  • スカートの場合は、膝下丈以上の長めのスカートを着用する。
  • 一連のネックレス(真珠・黒オニキス・黒曜石)のみ着用することができる。
  • 黒色のストッキングを着用する。また、エナメル製の靴や飾りがついたものも相応しくない。
  • 黒色の靴を着用する。葬儀の受付係は立ち仕事で、よく歩き回るため、ヒールが低く歩きやすい靴が望ましい。
  • バッグも黒色のものを選ぶ。動物の皮で作られたバッグは、「殺生」を連想させるため相応しくない。
  • 控えめなメイクとネイルを心がける。
  • 慎みがあり、邪魔にならない髪型にする。
  • 時計を着用する場合は、地味でシンプルなデザインのものを選ぶ。

学生の場合

学生が葬儀の受付担当をする際におすすめの服装は下記の通りです。

  • 中学生や高校生の場合は制服を着用する。
  • 制服がない場合は、黒・紺・グレーのジャケットに白いワイシャツを着用する。
  • スカートやズボンはジャケットの色に合わせる。

葬儀の受付を進めるポイント7つ

葬儀 受付 ポイント

葬儀の受付を進めるポイントは下記の7つです。

  • 葬儀の時間を確認する
  • 会場内を把握する
  • 受付台に必要なものを確認する
  • 喪主の意向を確認する
  • 会計係を把握する
  • 葬儀の受付が無人にならないようにする
  • 受付係の役割分担をする

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

葬儀の時間を確認する

葬儀の受付係は事前に葬儀の進行や時間をしっかりと確認して、つつがなく業務を進める必要があります。葬儀の1時間前には会場入りしましょう。

早めに行くと、会場内や時間の確認ができるだけでなく、遺族にお悔やみの言葉を告げたり事前に焼香を済ませることもできます。

会場内を把握する

葬儀の受付係は、葬儀会場内を把握しておく必要があります。

葬儀の受付は参列者にさまざまな質問をされる可能性があるからです。下記の項目を把握しておくことをおすすめします。

  • お手洗いの場所
  • 葬儀の開始と終了時間
  • タクシー乗り場
  • 駐車場の場所
  • クロークやコインロッカーの場所
  • 喫煙所の場所
  • 待合室の場所

質問に対応できるように少し早めに葬儀場に到着し、事前に確認しておきましょう。

受付台に必要なものを確認する

受付台に必要なものを揃えておくことで、スムーズに受付業務を遂行できます。受付台の準備は葬儀社が担当してくれますが、受付台に必要なものは基本的には下記の通りです。

  • 筆記用具(黒ボールペン・サインペン・筆ペン)
  • 芳名帳または芳名カード
  • 香典受け
  • 名刺受け
  • 香典返し
  • 会場や周辺の地図

使い方がわからない場合は葬儀社のスタッフに確認しましょう。

参列者が想定以上に多い場合に備えて、芳名帳・芳名カードは多めに用意しておくと受付業務がスムーズに進められます。

喪主の意向を確認する

葬儀は喪主の意向に従って進める必要があるので、独断で行動してはいけません。下記の点を事前に喪主に確認しておきましょう。

  • 香典の受け取りを辞退する場合、相手が誰であっても断るのか?「御花代」として渡されたらどうするのか?
  • 香典受け取りを辞退しているのに、参列者がどうしても香典を渡したがる場合はどうすればいいのか?
  • 香典が連名や一同の場合、香典返しはいくつ渡せばいいのか?
  • 参列者が香典返しを受け取らない場合の対処法

これらを事前に喪主に確認しておくとトラブルを未然に防げます。

会計係を把握する

会計係を受付が担当するのか、遺族が担当するのかを把握しましょう。

香典は葬儀の受付で受け取るものですが、香典の中身の確認を受付係が担当するのかどうかは葬儀によって異なります。事前に遺族と確認してください。

もし、香典を確認してから袋と中身を別々にする場合は、遺族の方に現金を管理するための袋や箱を用意してもらってください。スムーズに現金を管理できます。

葬儀の受付が無人にならないようにする

葬儀に遅れて参列する方もいるため、受付を無人しないように気をつけてください。受付担当者も葬儀に参列する場合は特に注意です。

葬儀の事前打ち合わせで、葬儀社や遺族と対応策を考えておくことをおすすめします。

受付係の役割分担をする

葬儀の受付は仕事が多いので事前に役割分担をしておくと、円滑に受付業務を進められるのでおすすめです。葬儀の規模にもよりますが、一般的には葬儀の受付は2〜3人で担当します

下記の業務を分担しましょう。

  • 芳名帳・芳名カード記入のお願い
  • 香典や弔電の受け取り
  • 香典返しのお渡し
  • 会計

葬儀の受付をする時の注意点3つ

葬儀 受付 注意点

葬儀の受付をするときに注意すべき点は下記の3つです。

  • 受付での挨拶は笑顔を慎む
  • 両手で香典を受け取る
  • スマホや携帯電話の電源は切っておく

1つずつ詳しく解説します。

受付での挨拶は笑顔を慎む

葬儀は厳かなものなので、笑顔は慎んで穏やかで落ち着いたトーンで挨拶してください

ゆっくりとお辞儀をして、丁寧な所作を心がけましょう。決して無駄話や談笑はしてはいけません。

両手で香典を受け取る

参列者から香典を受け取る際は、必ず両手で受け取ってください。

片手で受け取ると粗雑で不躾な印象を与えてしまい、マナー違反になるので気をつけましょう。

スマホや携帯電話の電源は切っておく

スマホや携帯電話の電源を切っておきましょう。

葬儀場内では葬儀社よりスマホや携帯電話の電源を切るか、マナーモードにするよう指示があります。受付やロビーであっても同じです。

葬儀の受付係を依頼すべき相手とは

葬儀 依頼 相手 受付

葬儀の受付係を依頼すべき相手は下記がおすすめです。

  • 少し遠い親戚
  • 故人と関係性が深く、さらに遺族が面識があり信頼できる知人や同僚
  • 葬儀の受付代行業者

葬儀の受付は上記にもありますが、基本的には葬儀中も受付を離れられません。よって葬儀に参列すべき方を受付に選出するのは得策だと言えないでしょう。

香典の受け取り等金銭の管理が関わってくる業務なので、信頼できる方に頼むことがおすすめです。葬儀の規模にもよりますが、一般的には受付担当者として2〜3人選出します。

まとめ:葬儀の受付を依頼されても対応できるように準備しておこう

葬儀 受付

最後まで記事を読み終えたあなたは、葬儀の受付を依頼されても慌てずにきちんと受付業務を全うできるでしょう。

繰り返しますが、葬儀の受付はご遺族の代表です。ご遺族側からすると、受付をあなたに依頼するのはあなたへの信頼の証といえます。参列者に失礼のないように、きちんとマナーを守り、業務を遂行してください。

プレッシャーを感じるかもしれませんが、葬儀社のスタッフも控えているはずです。不明な点がある際は、葬儀社のスタッフや遺族に遠慮なく相談してください。