葬儀日程の決め方とは?お通夜からの流れや葬儀後のことまでを解説!
大切な人が亡くなったときの悲しみは深く、何も手に付かなくなります。しかしお通夜や告別式などの葬儀日程は、決めなくてはいけません。
「葬儀日程はどうしたらいいのだろう」
「当日の準備や連絡は誰にしたらいいの」
ほとんどの場合が、初めてで悩みは尽きません。
この記事では葬儀日程の決め方や一般的な流れから初七日などの法要、その他葬儀に関するあらゆる日程の悩みを解説します。
これを読めば、葬儀日程を決めなければならない状況にも冷静に対応できるでしょう。
目次
葬儀日程の決め方5つ
大切な方が亡くなったあとに、まずは葬儀日程を決めましょう。葬儀は早くやるのがベストですが、日程を決める上で大事な点が5つあります。
- 葬儀場や火葬場の空き状況を確認する
- 僧侶や菩提寺のスケジュールを確認する
- 親族や遺族の予定を確認する
- 地域の風習などを考慮する
- 場合によっては友引や仏滅を避ける
順番に1つずつ紹介します。
葬儀場や火葬場の空き状況を確認する
亡くなって葬儀日程を決めるときにまずは、葬儀場や火葬場の空き状況の確認です。両会場ともに1日に行える件数が決まっているので、希望する日程や時間帯が空いていない場合もあります。
火葬場の空き状況を確認してから、お通夜などの日程を決めていきましょう。希望の日程や時間帯が埋まっているときは、日程や時間を変えたりする調整も必要です。
僧侶や菩提寺のスケジュールを確認する
葬儀は普段からお世話になっている菩提寺や僧侶に読経してもらうのが、一般的です。こちら側の都合だけで、葬儀をしてもらうわけにはいかないので、必ず僧侶のスケジュールも確認します。
注意点は日程が合わないからと菩提寺を無視して、葬儀をするのはやめましょう。菩提寺とはこの後、納骨や初七日など長いお付き合いがあります。大事な今後のお付き合いに影響が出ないように、早めに連絡を取るのが大事です。
親族や遺族の予定を確認する
火葬場、葬儀場と僧侶の予定を合わせられたら、次に親族や参列者の予定を確認します。親族や遺族が無理なく、集まれるようにしましょう。人が集まりやすい、土日や祝日が多く選ばれます。
また遠方から参列する方には、交通機関や日程に余裕を持たすなどの配慮をすると良いでしょう。
地域の風習などを考慮する
葬儀のやり方は地域によっても違いがあります。お通夜は必ず自宅で実施する、近所で葬儀委員長を立ててその方と葬儀の段取りを行うなど、地域にあるしきたりには気を付けましょう。
地域の風習やしきたりがある場合は考慮して、相談しながら葬儀日程を決めていきます。
場合によっては友引や仏滅を避ける
友引や仏滅は六曜(ろくよう・りくよう)と言われる、毎日の吉凶を占う考え方の1つです。
友引は「物事が引き分ける」、仏滅は「物事が終わる(滅する)」というのが本来の意味ですが、現在では「友を(あの世に)引っぱる、分ける」「仏が滅する」などの考えが迷信として広がっています。
この考えを重視するかしないかは個人の判断ですが、中には不快に感じる方もいるかもしれません。必要ならば親戚や葬儀社に事前に相談をしてから日程を考えるのが良いでしょう。
葬儀の一般的な流れ4つ
葬儀は、大体2日間にかけて行われます。葬儀の一般的な流れは4つです。
- お通夜・通夜振る舞い
- 告別式
- 火葬・収骨
- 精進落とし
順番に1つずつ紹介します。
お通夜・通夜振る舞い
お通夜はむかしは文字通り、夜通し故人に付き添い、ロウソクや線香を絶やさないといった風習でした。現在では夕刻の6時くらいから約1時間ほどで行われます。
通夜振る舞いは僧侶や参列者に感謝の意を表し、故人を偲ぶために設けられる通夜後の食事会です。遺族の心を慰め、故人の供養の意味を込めて参加します。
告別式
告別式は通夜翌日の午前中や午後の早い時間に行われるのが、一般的です。告別式は故人との最後のお別れの場で、親族や近親者が主に参列します。
告別式は通夜と違って宗教色が強い儀式ではなく、故人とのお別れをする式典です。
火葬・収骨
火葬・収骨は故人のご遺体を焼却し、遺骨を骨壺に収める行為です。親族や特に生前故人と親しかった方が参列します。
収骨には故人の魂が三途の川を無事に渡り、あの世へ渡れるように橋渡しをする意味が込められています。2人1組での協同作業で、誰もが故人との別れを実感するでしょう。
精進落とし
精進落としは初七日法要や火葬場から戻って来てから行う食事会です。参列者は火葬と同様、親族や故人と特に親しかった方、僧侶などの少人数で行います。
故人が生前好物だったものを出したり写真や遺品を並べて語らったりと、親族の方や近親者と故人を偲ぶ大切な場です。
葬儀日程を伝える相手とタイミング
葬儀に参列してもらうのに必要な連絡先は主に2つです。
- 親族への連絡
- 仕事・友人関係への連絡
順番に1つずつ紹介します。
親族への連絡
亡くなったあとにまず連絡するのは、親族です。連絡方法は直接電話が望ましいでしょう。親族の方々の予定を確認をし、葬儀日程が決まったら、1番最初に連絡をします。
中には疎遠になっていて連絡を取りづずらい親族の方がいるかもしれませんが、大人の対応でしっかり連絡を取るのがベストです。親族には漏れなく連絡をしましょう。
仕事・友人関係への連絡
親族への連絡を済ましたあとは、仕事や友人関係の方に連絡をしましょう。連絡方法はメールでも、最近では失礼には当たらないようになってきました。
特に自分が知らない、故人と親しかった方への連絡は早めにしましょう。普段から亡くなったあとの連絡先リストを、家族通しで共有しておくと便利です。
葬儀後の初七日・四十九日法要の日程
仏教では故人の魂はすぐには成仏せずに、この世にとどまっていると言われています。その魂がいる期間が49日間で、その間の7日ごとにエンマ様からの裁きを受けて、天国か地獄の行先を決められるそうです。
この大切な49日間の間の法要が、主に2つあります。
- 初七日法要の日程
- 四十九日法要の日程
順番に1つずつ紹介します。
初七日法要の日程
最初の7日目が「初七日法要」で、故人が三途の川に到着する日とされています。近年では何度も集まるのは実際大変なので、告別式などに組み込む「式中初七日」、火葬後にそのまま行う「繰上げ初七日」などの形で初七日法要とするのも増えてきました。
いずれも親族や近親者を中心に集まり僧侶を呼んで読経をしてもらい、式後は精進落としをするのが多いでしょう。
四十九日法要の日程
仏教本来では7日ごとに追善供養を行うとされていますが、実際に初七日の次に行うのが四十九日法要です。亡くなってから49日間の魂の浮遊のあと、故人の魂はあの世へと旅立ち、残された者もこの四十九日法要で忌中が明けるとされています。
四十九日法要の日程は49日よりも少し前の、人が集まりやすい日程で組んでも構いません。ただし、49日より後ろにするのはマナー違反とされます。参列して欲しい方に事前に声掛けするなど、しっかりスケジュールを立てておきましょう。
仏教式以外の葬儀日程の違い2つ
仏教式以外の葬儀でも、日程の違いがあります。以下の2宗教です。
- 神道式の葬儀日程
- キリスト教式の葬儀日程
順番に1つずつ紹介します。
神道式の葬儀日程
神道式では霊前祭が仏教の葬儀にあたります。故人の死後、仏教式と同様に葬儀を2日間に分けて行い、以後10日ごとに十日祭・二十日祭を行い、五十日祭で忌中明けを迎える形です。
初七日法要を十日祭にあて、五十日祭を四十九日法要とする考えも増えてきました。法要の形式は仏教式と同様に親族や親しかった方を招いて神職のもと神事を行い、最後に直会(なおらい)と呼ばれる宴席を設けます。
キリスト教式の葬儀日程
キリスト教の場合、カトリックでは追悼ミサが葬儀です。故人の死後、葬儀と告別式を分けて実施し、以後3日、7日、30日を区切りに教会で追悼ミサを行いますが、精進落としなどの食事の振る舞いはありません。
しかし、日本の仏教的しきたりとして精進落としが浸透しているため、日本のキリスト教の葬儀では食事会が設けられる場合があります。
プロテスタントの場合は葬儀と告別式を分けずに同時に実施し、1週間目または10日目、1ヵ月の区切りで追悼ミサを行います。地域性や日本独自のキリスト教慣習もあるので、葬儀社や教会に相談するのが良いでしょう。
葬儀当日までにやること6ステップ
葬儀を実施するときに、当日までににやることは主に6つあります。
- 葬儀の喪主を決める
- 葬儀社と葬儀準備の相談する
- 葬儀日程を決める
- 役所へ必要書類を提出する
- 祭壇に置く遺影を選ぶ
- 訃報連絡と葬儀案内をする
順番に1つずつ紹介します。
葬儀の喪主を決める
葬儀準備は、まず喪主を決めるのが第1ステップです。喪主は一般的に、故人の配偶者や長男が務めます。家族で話し合って決めるのが良いでしょう。
喪主の役割は遺族の代表者として葬儀全体が円滑に進むよう、葬儀社や僧侶への連絡や参列者への挨拶などが主な役目です。葬儀ではやることがたくさんあるので、早めに決めましょう。
葬儀社と葬儀準備の相談する
喪主を中心に葬儀社と葬儀の打ち合わせをします。最近では葬儀社でいくつかの葬儀プランを準備しているのが多いですが、納得いく形になるように相談しながら決めましょう。葬儀社と打ち合わせする内容は、以下の項目を考えておくと良いです。
- 葬儀の形式
- 葬儀で使う棺や祭壇、花の種類
- 葬儀の案内状の準備や会葬御礼の品
- 会場での曲や雰囲気、展示したい遺品
- 受付の人数や対応者
- 会食や弁当の準備
- 参列者の人数と対応
- 弔辞や供花の受入れまたは辞退など
上記を参考に、葬儀のやることリストの準備と予算をしっかり吟味しましょう。
葬儀日程を決める
葬儀日程を決める上で大事なのは、火葬場や葬儀場の空き状況です。この2つを事前に確認してから、具体的な日程や時間を決めます。
菩提寺や僧侶への連絡や親族への連絡なども、葬儀日程を決めたら早めにしましょう。
役所へ必要書類を提出する
人が亡くなったとき、役所へは以下の2つの書類が必要です。
- 死亡届
- 火葬許可申請書
死亡届は死後7日以内に提出します。病院で発行される「死亡診断書」の書類の横に「死亡届」の記入欄があり、必要事項を記入します。提出先は故人の本籍地、死亡地、届け出人の居住地です。
死亡届は戻ってこないので、のちに生命保険の受取や銀行での手続きなどで必要ですので、必ずコピーを取っておきましょう。
火葬許可申請書は死亡届の提出時に一緒に出しましょう。この申請書が受理されたあとに火葬許可証が発行されます。
火葬許可証がないと火葬ができないので、紛失しないように注意してください。実際遺族や喪主は葬儀準備やその他の準備で忙しくなるので、葬儀社がこれらの手続きを代行してくれる場合もあります。
祭壇に置く遺影を選ぶ
祭壇に飾る遺影を準備しましょう。在りし日の故人の元気な笑顔や、参列者が見てわかるような遺影を選びます。
近年写真の加工技術が上がり遺影の調整もできますが大切なのは、故人らしさが伝わる表情を選びましょう。
訃報連絡と葬儀案内をする
訃報連絡は亡くなってすぐに連絡の必要がある人と、葬儀日程が決まってから連絡する人と分けておきましょう。すぐに連絡の必要がある人は親族や特に親しかった人などです。会社関係や友人、知人などは葬儀日程が決まってからの連絡でも構いません。
連絡方法は急を有する方には基本的には電話で、その他の方には電話やメール、ファックスを使います。やることがたくさんあるので、遺族で手分けして訃報連絡と葬儀案内を漏れなく、進めましょう。
まとめ:葬儀日程の決め方を学んで慌てないようにしよう
葬儀日程を決めるには関係各所、関係者のスケジュールを合わせて決めなければなりません。また葬儀でも準備がたくさんあり、その後の初七日法要や四十九日法要もあります。
大切な方を亡くしてから葬儀の準備をするのは大変ですが、事前に葬儀日程の決め方や流れを知っておいて参列した方が故人の思い出を振り返る、そんな素敵な葬儀にしましょう。