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【例文付】葬儀の喪主の挨拶とは?マナーや押さえるポイントを解説!

葬儀で喪主が挨拶をする場面は、たくさんあります。そして多くの方が、喪主の挨拶の経験は多くはありません。

「一体どんな内容を話せばいいのだろう」

「何か挨拶のマナーや注意点はあるのだろうか」

いざ自分が喪主になったときに慌ててしまう方が、多いのではないでしょうか。実際に葬儀の日程が決まってからやることが多くて、喪主挨拶をしっかり考える時間もあまりないでしょう。

そこでこの記事では、葬儀の喪主の挨拶を例文付きで紹介します。また挨拶のマナーやポイントも解説するので最後まで読めば、喪主挨拶に困らず故人に思いを伝えられるでしょう。

目次

葬儀での喪主の挨拶とは

葬儀 挨拶

喪主挨拶とは喪主を務める方が、葬儀の参列者へお礼や故人の生前の感謝を伝えることです。葬儀の中で、お通夜や告別式、精進落としが主な挨拶の場面でしょう。

喪主の挨拶が参列者の心を打ち、故人の姿を思い出させるとても大切なものです。

葬儀の流れと場面ごとの挨拶のタイミング

葬儀 場面

一連の葬儀の中で喪主が挨拶を行うタイミングは3つです。

  • お通夜の挨拶
  • 告別式の挨拶
  • 精進落としの挨拶

場面ごとに話す内容も少し変わってきます。

お通夜の挨拶

お通夜の全体の流れとして、僧侶の読経に始まり焼香を行います。お通夜はだいたい1時間くらいのもので、お通夜終了直前に喪主挨拶の時間があるのが多いです。お通夜の挨拶のポイントは以下の4点。

  • 参列者への今日のお礼
  • 故人がお世話になったお礼
  • 告別式の日時や場所の案内
  • 通夜振る舞いの案内

参列への感謝と故人がお世話になったことへの感謝の気持ちを素直に伝えます。また通夜振る舞いと告別式の伝達も大事な内容なので、漏れのないように伝えましょう。

また通夜振る舞いの開始と終わりでも、喪主挨拶があります。通夜振る舞いでの挨拶も、参列への感謝と故人への厚情の感謝を述べてください。

<お通夜での挨拶例文>
本日はご多用の中、故人〇〇の通夜に参列いただきまして、
心よりお礼申し上げます。
ここに生前賜りました、ご厚誼に厚く御礼申し上げます。
故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
尚、明日の葬儀は〇〇時より〇〇で執り行う予定です。
本日、ささやかではございますが、別室にお食事の席を設けております。
お都合のよろしい方は、ぜひ故人の思い出話など、お聞かせ願えればと存じます。
本日は誠にありがとうございました。

告別式の挨拶

告別式もお通夜と同様に、僧侶の読経と焼香が行われます。告別式は故人と最後の時間を過ごし、出棺をする場です。喪主挨拶は出棺の直前に実施します。告別式での挨拶のポイントは以下の4点です。

  • 参列のお礼
  • 故人の生前の感謝
  • 故人の人となりの生前エピソード
  • 遺族との変わらぬお付き合いと支援のお願い

参列のお礼と故人の生前の感謝は、お通夜のときの喪主挨拶とあまり変わりません。告別式では全員に挨拶をする喪主挨拶のメインとなる場面です。

故人の性格を伝えるエピソードや仕事ぶり、家族としての姿など故人を偲ぶ話しと、今後のお付き合いのお願いをします。

<告別式での挨拶例文>
本日はご多用の中、故人〇〇の葬儀に参列いただきまして、
心よりお礼申し上げます。
ここに生前賜りました、ご厚誼に厚く御礼申し上げます。
故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
父〇〇は退職後、テニスや絵画など多くの趣味を楽しんでおりました。
父がこのような充実した晩年を送ることが出来たのも、
ひとえにここにいる皆様のお陰でございます。
今後私ども遺族に、変わりなきご厚情を賜りますようお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

精進落としの挨拶

精進落としは葬儀が無事に終わったことへの感謝を表す食事の場です。ここでの喪主挨拶は会の始めと終わりに以下の4つを伝えます。

  • 参列への感謝
  • 葬儀が無事に終わったことへの感謝
  • 故人を偲んで食事をしてほしい
  • 今後も変わらずお付き合いしてほしい

精進落としは酒宴を設けて、参列者へ感謝を述べる場です。故人と関係が深い方が多いので、生前の話しをしたり、関係性を聞いたりしましょう。閉会の喪主挨拶ではその場で聞いたエピソードを入れたりすると、参列者の心に響きやすいでしょう。

<精進落としでの挨拶例文>
本日は、亡き〇〇のためにお集まりいただきまして、
誠にありがとうございました。
おかげさまで、つつがなく葬儀・告別式を済ませることができました。
ひとえに参列頂いた皆様のお陰でございます。改めてお礼申し上げます。
ささやかではございますが、別室に精進落としの席をご用意させて頂きました。
お時間の許す限りおくつろぎくださり、皆様で故人を偲んで頂ければと思います。
本日は、誠にありがとうございました。

喪主の挨拶マナー3つ

葬儀 挨拶マナー

喪主挨拶のマナーは3つあります。

  • 簡潔に短くまとめる
  • ゆっくりはっきりと話す
  • 忌み言葉や重ね言葉に注意する

意識をするだけで、参列者にしっかり伝わるでしょう。

簡潔に短くまとめる

喪主挨拶をする場面は葬儀を通してもいくつかあります。1つの挨拶の時間はできるだけ簡潔に短くまとめましょう。

時間の目安として1~3分くらいに収めてください。特に故人のエピソードを話し出すとあれもこれもと話したくなりますが、通夜振る舞いや精進落としなどの席で披露するくらいがちょうど良いです。

ゆっくりはっきりと話す

自分のペースでゆっくりはっきりと喪主挨拶をしましょう。難しい言葉よりもしっかりとした口調で話した方が、参列者の心に響くはずです。

故人を亡くした中での挨拶は、動揺と緊張があるでしょう。また普段使い慣れていない丁重な言葉遣いは、気持ちの余裕をなくすもの。伝える内容に不安が有る場合は、メモを見ながらでの挨拶でも全く問題ありません。

忌み言葉や重ね言葉に注意する

喪主挨拶では忌み言葉や重ね言葉を使っていないかのチェックを事前にしましょう。日本には古代より言霊思想があり、忌み言葉や重ね言葉は「不幸が重なる」「不幸を招く」を連想させるので、使用を避けます。

忌み言葉重ね言葉
追って・続いてますます
消える・落ちるときどき
浮かばれない次々
忙しい日々
存命中・生きていたころ重ね重ね・何度も
再び・またたびたび・しばしば

普段使ってしまう言葉もあるので、葬儀社の方に確認してもらうのが良いでしょう。

喪主の挨拶のポイント4つ

葬儀 スピーチ

喪主の挨拶をするときのポイントが4つあります。

  • 故人との関係性とお礼を伝える
  • 参列者へ感謝を伝える
  • 故人の人柄とエピソードを入れる
  • 不安であればメモを見て話す

ポイントを押さえればスムーズな喪主挨拶ができるでしょう。

故人との関係性を伝える

葬儀には非常に多くの方が、参列をします。中には、故人以外の親族を知らない方もいるでしょう。喪主挨拶の際は、自己紹介とともに故人との関係性を伝えます。

喪主は故人の家族が務める場合が多いので、配偶者か長男・長女かのように話すのが良いでしょう。

参列者へ感謝を伝える

喪主として感謝を伝えるだけでなく、故人に代わって参列者の方へ謝辞を伝えます。感謝を伝えるときに、季節や天気の状況を入れて話すとより自然な挨拶になるでしょう。

故人のためにたくさん集まって頂いた方に伝わるように、心を込めて挨拶をしてください。

故人の人柄とエピソードを入れる

喪主挨拶では故人の人柄がわかるようなエピソードを入れると良いでしょう。続けてきた仕事や趣味の話しは一番伝わりやすい内容です。

自分の言葉で故人との思いでを話すことで、故人を惜しむ気持ちが伝わります。ただし、故人を傷つけるようなマイナスなエピソードは避けることが大切です。

不安であればメモを見て話す

喪主挨拶でメモを見ながら話すのは、失礼に当たりません。大切なのは故人を偲ぶ気持ちと、参列者への感謝の思いです。

メモがあれば落ち着いて話せて、忌み言葉などの使用も避けられます。不安に感じるようであれば、メモを準備して臨みましょう。

立場別の挨拶例文

葬儀 風景

葬儀で喪主が挨拶をするのが一般的ですが、状況によって喪主以外が挨拶をする場合があります。

  • 親族代表での挨拶
  • 葬儀委員長としての挨拶

順番に1つずつ紹介します。

親族代表での挨拶

喪主が挨拶をするのがほとんどですが、中には事情で喪主以外が挨拶をするときもあります。親族代表として挨拶をするときは遺族を代表してと、一言最初に沿えるのが良いでしょう。

その後は参列の感謝と、今後の変わらぬお付き合いをお願いする挨拶を伝えます。

<親族代表での挨拶例文>
遺族を代表して、私〇〇がご挨拶を申し上げます。
本日は、皆様ご多忙中にもかかわらず、〇〇の葬儀にあたりましてご会葬賜り、
誠にありがとうございました。
ここに生前賜りましたご厚情に対し、厚くお礼申し上げますと共に、
今後私ども遺族に、変わりなきご厚誼ご鞭撻を賜りますようお願い致します。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶にかえさせて頂きます。
本日はありがとうございました。

葬儀委員長としての挨拶

葬儀の主催者が喪主と異なるときに、葬儀委員長が設けられます。葬儀委員長は社葬や団体葬などの、比較的大きい規模での葬儀で設置される場合が多いです。

挨拶の中身は故人との関係性や故人の経歴などを紹介し、遺族への変わらぬお付き合いを挨拶に沿えましょう。

<葬儀委員長としての挨拶例文>
ご遺族、ご親族の皆さまに代わりまして、私〇〇が葬儀委員長として皆様に一言ご挨拶を申し上げます。
本日はご多用にもかかわらず、株式会社〇〇 代表取締役 故〇〇の社葬並びに告別式にご参列を賜り、誠にありがとうございました。
〇〇は創業以来、〇〇年にわたり一代で弊社をここまで発展させた起業家でございました。
〇〇は、かねてより病院で療養中でございましたが、〇月〇日〇時〇分に家族に看取られ安らかに永眠しました。
私ども株式会社〇〇社員一同、故〇〇社長の遺志を受け継ぎ、
更なる努力をして弊社の発展に努める覚悟でございます。
最後に、ご遺族、ご親族の皆さまに対しまして、
これまで故人に賜りましたと同様のご厚誼賜りますようお願い致します。
本日は誠にありがとうございました。

宗教別の挨拶の注意点

葬儀 風景 宗教

仏教以外の宗教でも挨拶の中身が変わってきます。

  • 神道式葬儀での挨拶
  • キリスト教式葬儀での挨拶

順番に1つずつ紹介します。

神道式葬儀での挨拶

神道式葬儀での挨拶は、仏教式の挨拶とほとんど変わりありません。参列の感謝と今後のお付き合いを、お願いをします。注意点は仏教用語を使わない点です。

「供養」「成仏」などの言葉は仏教用語なので、使用は避けましょう。神道では故人はその家の守り神として、御霊になる考え方です。

<神道式葬儀での挨拶例文>
本日は皆様ご多忙中にもかかわらず、〇〇の葬儀にご会葬賜り、誠にありがとうございました。
故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
皆様方の生前賜りました、ご厚情をあつく感謝いたしますと共に、
今後も我々遺族への故人同様のご厚誼ご鞭撻をお願いいたします。
簡単ではございますが、これを持ちましてお礼の挨拶にかえさせて頂きます。

キリスト教式葬儀での挨拶

キリスト教式の挨拶は仏教式とは大きく異なります。そこには死生観の違いが深く関わっていて「死=不幸」と、とらえていません。

天国、神の国へ召される幸せな出来事と考えれています。全体の内容は参列の感謝と、参列の皆様にも主のご加護を祈念する挨拶を述べるのが一般的です。

<キリスト教式葬儀での挨拶例文>
本日はお忙しいところ、〇〇のためお集まり頂き、誠にありがとうございました。
〇月〇日、〇〇は主の御許(みもと)へ旅立ち、今は心の平安を得たものと思っております。
生前は参列の皆様を始め多くの方々のご厚情に厚くお礼申し上げます。
また本日参列の皆様の心からのお祈りをいただいたこと〇〇に代わって深く感謝申し上げます。
お忙しい中、参列頂いた皆様にも主のご加護があらんことをお祈りいたします。
本日は誠にありがとうございました。

まとめ:葬儀の喪主挨拶の例文を確認して参列者へ感謝を伝えよう

葬儀 参列

葬儀での喪主挨拶は、近しい者が亡くなって間もない状況でしなくてはなりません。心の中は深い悲しみと動揺で難しい気持ちでしょう。こうした状況の中でも、喪主挨拶には場面での違いやマナーがあり、伝えるべきことは伝える必要があります。

さまざまな状況に応じた例文を参考にして、事前にチェックをしておけば参列者の心に響く喪主挨拶ができます。

普段から準備をしておくものではありませんが、いざのときに慌てないようにイメージをしておきましょう。