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葬儀の流れ完全版!当日までの段取りや必要な手続きまで徹底解説!

身内が亡くなった後、家族は悲しむ暇もなく葬儀の準備を進めなければなりません。なかには身内の葬儀が初めてで、葬儀までの流れや段取りがわからないと悩んでいる方も多いでしょう。

「葬儀までどんな流れで進むの?」

「葬儀をするのに必要な段取りは?」

上記のような悩みをもつ方に向けて、本記事では葬儀当日までの流れや段取りについて解説します。葬儀までの流れを把握して、当日の段取りをスムーズに進めましょう。

目次

ご臨終から葬儀までの一連の流れ

お墓に花が添えられている様子

まずは、ご臨終から葬儀までの一連の流れについてです。午前中にお亡くなりになられる場合を想定すると、以下の流れで進みます。

日にちやるべきこと
1日目(午前)ご臨終・搬送・安置
1日目(午後)葬儀の打ち合わせ・納棺
2日目(午前)
2日目(午後)お通夜
3日目(午前)葬儀告別式
3日目(午後)火葬・還骨法要・精進落とし

亡くなった遺体は、最低24時間は火葬することを禁じられているので注意しましょう。それぞれの流れについて、次章から詳しく解説します。

ご臨終から納棺までの流れと段取り

点滴を打つ患者

まず、ご臨終から納棺までの流れと段取りについて解説します。

  1. ご臨終
  2. エンゼルケア
  3. 死亡診断書を受け取る
  4. 葬儀社へ連絡
  5. 遺体の搬送・安置
  6. 葬儀の打ち合わせ・段取り
  7. 訃報の連絡
  8. 納棺

順番に解説します。

1.ご臨終

まずは、医師によって死亡の確認がされます。病院で確認するイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。

自宅療養中などに患者が死亡する場合もあるため、その場合はかかりつけの病院へ連絡してください。かかりつけの病院がない場合は、急いで救急車を呼びましょう。自分達だけで勝手に遺体を動かさず、医師による死亡確認を待ちます

2.エンゼルケア

医師による死亡確認が終わったら、遺体はエンゼルケアを受けます。エンゼルケアとは止血や清拭、死化粧など故人の身を清め整える行為です。故人への尊厳や遺族の心をケアする意味でも行われます。

エンゼルケアは病院で亡くなった場合、看護師によってされることが一般的ですが、納棺士や葬儀社への依頼も可能です。遺族の希望次第では、遺族も一緒にエンゼルケアができる場合もあります。

ただ一般的には看護師や納棺士、葬儀社の担当者がしてくれるので、その間に遺族は荷物の整理しましょう

3.死亡診断書を受け取る

次に、医師から「死亡診断書」を受け取ります。受け取った死亡診断書は、死後7日以内に市役所へ届け出てください

死亡届が受理されると、「火葬許可書」を受け取れます。火葬許可証は遺体を火葬するときに必要になる書類なので、大切に保管しましょう。

死亡診断書の提出や火葬許可証の申請は、葬儀社での代行も可能です。

4.葬儀社へ連絡

死亡の確認ができたら、葬儀社に遺体の搬送を依頼しましょう。病院で亡くなった場合は病院から葬儀社を紹介されることもありますが、搬送料が高額になる場合が多いため注意が必要です。

生前のうちに葬儀社を決めると、スムーズに搬送の手配ができることに加え搬送料も把握できます。

5.遺体の搬送・安置

葬儀社が到着したら、遺体を搬送し安置します。死亡が確認された遺体は病室から霊安室に運ばれますが、霊安室には数時間しか滞在できません。そのため、速やかな遺体の搬送と安置が必要です。

遺体の搬送・安置場所には自宅やセレモニーホールの霊安室、火葬場の霊安室などが一般的。死亡が確認されてから慌てて決めるのではなく、生前のうちに決めると安心です。

遺体を自宅に搬送する場合は、遺族が先回りして部屋の片付けや掃除をするとよりスムーズに進みます。

6.葬儀の打ち合わせ・段取り

遺体を搬送・安置したら、葬儀の打ち合わせ・段取りを決めます。

  • 葬儀の規模
  • 葬儀の形式
  • 場所
  • 日時
  • 予算
  • 参列者を呼ぶか

葬儀の打ち合わせをする際は、悔いのないプランを立てることが大切です。ただ打ち合わせをする時間も少ないため、生前のうちにプランを決めて契約するとスムーズに進められます。

7.訃報の連絡

葬儀のプランが決まったら親族や友人、職場関係者に訃報の連絡をします。訃報の連絡をする際は、同時に葬儀の日時や場所についての案内もしてください。

住んでいる地域によっては、町内会で葬儀の手伝いをする風習もあるようです。地域の風習もあらかじめ把握して動きましょう。

8.納棺

遺体の安置からお通夜までに、遺体に死装束をつけて納棺します。遺体を納棺するときは、一緒に故人が好きだったものを一緒に入れてあげるといいでしょう。

ただし、分厚くて燃えにくいものや貴金属などは入れられません。

お通夜の流れと段取り

葬儀の様子

次に、お通夜の流れと段取りについて解説します。

お通夜にかかる時間は、2時間〜3時間程度です。

  1. 会場に到着・受付準備
  2. 受付開始
  3. 開式
  4. 読経・焼香
  5. 喪主あいさつ・通夜閉式
  6. 通夜振る舞い

順番に見ていきましょう。

1.会場に到着・受付準備

遺族はお通夜の2時間前には会場に到着し、受付の準備をします。

  • 事前に決めていた役割の段取り
  • 筆記用具や芳名帳などの準備

上記の準備を整え、弔問客を待ちましょう。受付をする際に混乱が起きないよう、十分な確認が重要です。

2.受付開始

お通夜が始まる30分前から、受付を開始します。

  • 受付担当者:所定の場所で受付
  • 喪主:弔問客への挨拶

受付口は1箇所ではなく複数箇所設けると、よりスムーズに進みます。弔問客への配慮も忘れず、手荷物の預かり所を設けるといいでしょう。

3.開式

僧侶が到着し、定刻になったらお通夜が始まります。

一般的に式は僧侶や葬儀社の担当者が進めるので、喪主は段取りを頭に入れていれば大丈夫です。

4.読経・焼香

僧侶に読経をしてもらい、読経の途中から焼香をします。焼香の順番は、喪主・遺族・一般参列者です。

焼香の流れ・作法をあらかじめ確認すると安心でしょう。

5.喪主あいさつ・通夜閉式

読経・焼香が終わったら僧侶が退場し、喪主が挨拶をして通夜は閉式です。

その後、通夜振る舞いがある場合は会場への案内を、無い場合は弔問客をお見送りします。

6.通夜振る舞い

お通夜が閉式したら、通夜振る舞いに移ります。通夜振る舞いでは、弔問客や関係者の方々に感謝を込めて、お酒や食事を振る舞うのが一般的です。

通夜振る舞いには僧侶も同席してもらい、遺族や親族で接待しましょう。

葬儀当日の流れと段取り

棺が運ばれていく様子

次に、葬儀当日の流れと段取りについて解説します。

  1. 会場に到着・受付準備
  2. 受付
  3. 開式
  4. 読経、弔辞・弔電の奉読
  5. 焼香
  6. 閉式・出棺
  7. 火葬
  8. お骨上げ
  9. 還骨法要・初七日法要
  10. 精進落とし

順番に解説します。

1.会場に到着・受付準備

葬儀当日、遺族は開式の1時間前には会場に到着し、受付の準備をします。

  • 葬儀の段取りの最終確認
  • 弔辞・弔電の確認
  • 会葬礼状品の準備

このとき、弔辞・弔電の名前や順番に誤りがないか確認してください。あらかじめ名前にふりがなを振ると安心です。

2.受付

次に、参列者の受付をします。開式時刻の15分〜20分前には、着席できるように進めてください。

このとき、喪主や家族は参列者に適宜挨拶するように心がけましょう。

3.開式

僧侶が入場したら、葬儀の開式です。

葬儀社の司会者が、葬儀告別式を進行します。

4.読経、弔辞・弔電の奉読

僧侶による読経が行われます。

お通夜の場合は読経の途中から焼香が始まりますが、葬儀の場合は弔辞・弔電の奉読がされます。

5.焼香

弔辞・弔電の奉読後、再び僧侶による読経が始まってから焼香に移ります。焼香はお通夜の時と同様、喪主・遺族・一般参列者の順です。

焼香のやり方は宗派によって異なるため、事前にやり方や作法を確認すると安心ですね。

6.閉式・出棺

読経や焼香が終わると、葬儀告別式は終了です。僧侶が退席し司会者の閉式宣言後、遺体の出棺準備に移ります。

喪主や遺族、一般参列者で棺に花を入れ最後のお別れをして出棺です。出棺の前には喪主が、御礼の挨拶をします。

7.火葬

火葬場についたら僧侶に読経をしてもらい、喪主や遺族が焼香をしてから火葬に移ります。火葬の所要時間は1時間〜1時間半程度が目安です。

その間は遺族や同行者は控室で待機することになるので、この間に次の法要の日程などを決めるといいでしょう。

なお、火葬をする際は市役所から受け取った「火葬許可証」が必要になるので、忘れずに持参してください。

8.お骨上げ

火葬後、遺骨を骨壷に納めるお骨上げをします。2人1組で足から頭に向かって順に骨を拾い、骨壷に納める作業です。

お骨上げが終わったら、火葬場から「埋葬許可証」を受け取り火葬場を後にします。受け取った埋葬許可証は納骨時に必要になるため、無くさずに保管してください。

9.還骨法要・初七日法要

火葬が終わったら自宅か斎場に戻り、還骨法要(初七日法要)をします。僧侶による読経や焼香など、所要時間は30分程度です。

本来は死後から7日目にする「初七日法要」も、最近では繰り上げて還骨法要と一緒に執り行うケースが増えています。

10.精進落とし

還骨法要(初七日法要)まで終了したら、精進落としをします。

精進落としでは僧侶をはじめ、お世話になった方々を招いて会食をするのが一般的です。

葬儀前・葬儀後に必要な手続き

書類手続きの様子

身内の死後、遺族は葬儀前・葬儀後にしなければならない手続きがあります。期日も設けられているので、忘れずに手続きを進めてください。

事柄期日必要なもの
死亡届の提出死後7日以内・死亡診断書
・届出人の印鑑
火葬許可申請書の提出死後7日以内・死体火葬許可申請書
年金受給停止の手続き国民年金は死後14日以内
厚生年金は死後10日以内
・年金受給権者死亡届
・年金証書
・死亡の記載がある書類
国民健康保険脱退の手続き死後14日以内・国民健康保険異動届
・国民健康保険証
・死亡の記載がある書類
住民票の抹消届提出死後14日以内・届出人の印鑑
・本人確認できる証明書類
世帯主変更届
(故人が世帯主の場合)
死後14日以内・住民異動届
・本人確認書類など
介護保険資格喪失届死後14日以内・介護保険資格喪失届
・介護被保険者証
雇用保険受給資格者証の返還死後1ヶ月以内・受給資格者証
・死亡診断書
・住民票
所得税準確定申告・納税死後4ヶ月以内・死亡した年の1月1日から死亡日までの所得の申告書
・生命保険料の領収書
・医療控除証明書類
相続税の申告・納税死後10ヶ月以内・故人と相続人全員の戸籍謄本
・除籍謄本住民票
・住民除票
・印鑑証明書
死亡一時金の請求死後2年以内・故人のマイナンバー
・請求する人のマイナンバー
・年金手帳
・本人確認書類
・年金手帳
・印鑑
・受取口座通帳
埋葬料の請求死後2年・葬祭費支給申請書
・葬儀費用の領収書
・申請者の本人確認資料
・申請者の受取口座通帳
葬祭費の請求葬儀後2年以内・葬祭費支給申請書
・葬儀費用の領収書
・申請者の本人確認資料
・申請者の受取口座通帳
高額医療費の申請医療費の支払いから2年以内・高額医療費の申請書
・高額医療費払い戻しのお知らせ案内書
・健康保険証
・医療費等の領収書
・印鑑
・受取人の口座番号
遺族年金の請求死後5年以内・故人のマイナンバー
・年金手帳
・請求する人のマイナンバー
・本人確認書類
・年金手帳
・印鑑
・受取口座通帳

この表に記載されているものだけでなく、故人が利用していた公共料金の支払いや解約、免許証・パスポートの返納などやることは数多くあります。

身内の死後は忙しくなるため、生前のうちにやるべきことをリストアップして準備するのがおすすめです。

葬儀の流れに関するよくある質問

質問

最後に、葬儀の流れに関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。

  1. 葬儀の費用ってどれくらいかかるの?
  2. 葬儀の日程はどう決めればいい?
  3. 葬儀社はいつ決める?

順番に解説します。

Q.葬儀の費用ってどれくらいかかるの?

一般的な葬儀の費用は、200万円程度が平均です。葬儀にかかる費用には、以下の3つがあります。

  • 葬儀一式費用:遺体の搬送・安置・式場利用・棺・葬祭用品など
  • 飲食接待費用:通夜振る舞い・精進落とし・返礼品など
  • 宗教関連費用:読経や戒名に対する御礼・御車代など

費用を抑えるには、葬儀の規模縮小や飲食費の削減、受け取った香典を葬儀の支払いに充てるなどで工夫できます。

Q.葬儀の日程はどう決めればいい?

一般的には亡くなられた翌日にはお通夜を、その翌日には葬儀が執り行われますが、場合によっては思い通りに進められないときもあります。日取りを決定する際は、以下の項目に留意して決定しましょう。

  • 火葬場の空き状況
  • 僧侶のスケジュール
  • 参列者の都合
  • 地域の風習

また「友引」や「仏滅」に葬儀はしないほうがいいの?と悩まれる方も多いです。結論、友引や仏滅を避けなければいけない決まりはありません

ただ友引は「友を引き連れて行く」意味が定着しているため、友引に葬儀は避けるべきという風習があります。友引を定休日にしている葬儀社も多いため、あらかじめ確認しましょう。

Q.葬儀社はいつ決める?

結論、葬儀社を決めるタイミングに決まりはありません。

身内の死後に葬儀社を決める方が多いですが、近年は生前に葬儀社と契約できる「生前契約」も可能です。あらかじめ葬儀の形式やプランを決められるので、万が一の時もスムーズに葬儀を進められます。

まとめ:葬儀までの流れを確認して、当日の段取りを整えよう

葬儀の風景

身内の死後から葬儀までには、数多くのステップがあります。特に身内の葬儀が初めての方は、紹介した内容を参考に当日の段取りを進めてください。

これまでは身内の死後に葬儀社を探すのが一般的でしたが、近年は生前のうちに葬儀社を決定し契約することも可能です。あらかじめプランを決められるので、万が一の時もスムーズに準備を進められます。必要な費用も事前に準備できるので、葬儀の生前契約がおすすめです。

今回紹介した内容を参考に、葬儀までの流れ・段取りを確認して、故人とのお別れを有意義な時間にしましょう。