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終活の身辺整理でやること5選!ポイントや注意点をわかりやすく解説!

身辺整理は、終活のなかでも重要な作業の1つです。身辺整理と聞くと、ただ物を片付けるイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、身辺整理は物品を片付けるだけではなく、他にもやるべきことが数多くあります。

そのため、「具体的に何をすればいいの?」「何から手をつけたらいいかわからない」と、お悩みではありませんか?やるべきことがわからないと作業が億劫になってしまい、途中で挫折してしまう可能性も。

そこで本記事では、身辺整理でやるべきことを紹介します。最後まで読んで、スムーズに身辺整理を進めましょう。

目次

身辺整理とは?

身辺整理とは何かわからない人

身辺整理とは、生きている間に身の回りの物を整理し、環境を整える作業のことです。自分の死後に家族が困らないように、身の回りの環境をあらかじめ整えます。

また終活の身辺整理を通して、必要最低限の物だけで暮らす「ミニマリスト」にも関心が集まりました。身辺整理をすることで、家族への負担を減らすと同時に「ミニマリスト」のような、シンプルで身軽な暮らしも実現できます。

終活の一環として行われる身辺整理は、残りの人生をよく暮らすためにも必要な作業です。

終活の身辺整理はいつから始めるべき?

身辺整理で使用する段ボールに入る犬

結論、終活の身辺整理は「思い立った時」に始めましょう。身辺整理を始める人の多くは仕事を退職する60代からですが、始めるのに決まったタイミングはありません。

むしろ、身辺整理は体力があるうちに始めるのがおすすめ。身辺整理はやるべきことが多く、その分時間がかかります。また、時間がかかる分だけの精神力や体力も必要です。

60代・70代から身辺整理を始めると、精神的・体力的負担が重くのしかかってしまいます。そのため、身辺整理は「思い立った時」に、余裕を持って始めましょう。

終活で身辺整理をするメリット3つ

「メリット」にチェックを入れる人

次に、終活で身辺整理をするメリットを3つ紹介します。

  1. 家族への負担を軽減できる
  2. シンプルで身軽な暮らしを実現できる
  3. 気持ちの整理がつく

順番に解説します。

①家族への負担を軽減できる

終活の身辺整理をすることで、家族への負担を軽減できます。

自分が亡くなった後にする遺品整理は、家族にとって大きな負担になる作業の1つ。家族が亡くなった悲しみがあるにもかかわらず、精神的・体力的な負担を強いられます。

また遺品整理は所有物の持ち主がいないため、物の不必要の判断や処分に時間がかかる作業です。生前のうちに身辺整理をしておけば、このような精神的・体力的な負担が軽減できます。

そのため、身辺整理は残される家族を思いやるためにも必要な作業といえます。

②シンプルで身軽な暮らしを実現できる

終活の身辺整理をすることで、シンプルで身軽な暮らしを実現できます。

身辺整理は、不用品の処分や身の回りの整理が主です。身辺整理を通して身の回りがスッキリします。掃除や物を探す手間も大きく省けるので、ストレスなく快適に過ごせるでしょう。

また身の回りの物が減ることで「精神的余裕」や、お金を節約して生活できる「金銭的余裕」が生まれることも、身辺整理のメリットです。身辺整理を通して、ストレスなく快適な暮らしを実現できます。

③気持ちの整理がつく

終活の身辺整理をすることで、気持ちの整理がつきます。

終活の真の目的は、これまでの人生を振り返り、残りの人生をよりよく過ごすことです。ただ身の回りの物を処分するだけではなく、物を整理しながらこれまでの人生を振り返る時間にもなります。

また身辺整理の最中に、マイナスに感じる思い出の品を一緒に手放せれば、気持ちもスッキリするでしょう。これからの人生をより前向きに生きるためにも、身辺整理は必要な作業です。

終活で身辺整理をするデメリット2つ

「いまいち」にチェックを入れる人

次に、身辺整理をするデメリットを2つ紹介します。

  1. 時間や費用がかかる
  2. 捨てた物が後から必要になることも

順番に見ていきましょう。

①時間や費用がかかる

終活の身辺整理は、時間や費用がかかります。

特に不用品の処分は、整理する物が多いほど時間がかかるため、その分体力や精神力が必要です。そのため、せっかく始めても、途中で挫折してしまう方も多いのだとか。身辺整理は数日で終わらせようと急がずに、長期間かかることを想定しましょう

また身辺整理を進める際は、不用品を処分する費用や、ゴミ袋などの資材を準備する費用が必要です。他にも業者に依頼する場合は手配費用や、財産整理する際は専門家への相談費用もかかります。

そのため身辺整理をする際は、かかる時間や費用を頭に入れ、余裕を持って始めましょう。

②捨てた物が後から必要になることも

終活の身辺整理は、捨てた物が後から必要になることもあります。

せっかく捨てた物をまた購入するとなっては、その分の費用もかかるため本末転倒。不用品を処分する際は、物の不必要を慎重に判断して進めてください。

また物の不必要の判断を本人以外の人に任せると、本当は必要だった物を捨てられてしまう可能性もあります。トラブルにもなりかねないため、物の不必要の判断は持ち主がすることが鉄則です。

捨てた後に後悔したり、トラブルに発展したりしないように、身辺整理は慎重に進めましょう。

終活の身辺整理でやるべきこと5選

服を断捨離する人

次に、身辺整理でやるべきことを5つ紹介します。

  1. 不用品の断捨離
  2. 財産の整理・相続の準備
  3. 自分に関する書類関係の整理
  4. アカウントデータなどの整理
  5. 人間関係の整理

詳しく解説します。

①不用品の断捨離

終活の身辺整理では、不用品の断捨離をします。身内が亡くなった後に、家族が一番苦労するのが「不用品の断捨離」です。特に不用品の断捨離は時間と体力が必要なので、元気なうちに済ませましょう。

不用品の断捨離は、以下の手順で進めてください。

  1. 物を一旦全て出す
  2. 必要・不要に分類する
  3. 不要な物を処分する
  4. 置き場を決めて収納する
  5. なるべく物を増やさない

不用品を断捨離する際に、どうしても捨てるか悩む場合は「保留」にしても大丈夫です。捨てた後に後悔だけしないように、慎重に判断して進めてください。

また不用品を処分する際は、自治体のゴミ収集に出す方法やリサイクルショップに売るなどの方法があります。なるべくお金になるものは売って、老後資金の足しにしましょう。

②財産の整理・相続の準備

終活の身辺整理では、財産の整理・相続の準備もします。

以下のような財産を整理して、エンディングノートなどにまとめましょう。

  • 現金
  • 預貯金
  • 不動産や車

また財産の整理と一緒に、相続の準備もします。特に遺産相続は、身内の死後に起こりやすいトラブルの原因です。あらかじめ誰にどの程度相続するのかを決定し、遺言書を作成しましょう。

ただ遺言書を作成する際は、法律に従って正しく作成しなければ無効になってしまいます。弁護士や司法書士などの専門家に依頼して、正しく遺言書を作成してください

③自分に関する書類関係の整理

終活の身辺整理では、自分に関する書類関係の整理もします。

整理するべき書類は、以下のようなものです。

  • 身分証明書
  • 保険証
  • 年金手帳
  • 預金通帳
  • 加入している保険の契約情報
  • 利用しているサービスの登録情報

書類を整理したら、1箇所にまとめて保管してください。生前に書類関係を整理しないと、「預金通帳が見つからない」「登録した保険の解約が進まない」といった事態を招く恐れもあります。

あらかじめ自分に関する書類関係は整理して、保管場所まで忘れずに家族へ伝えましょう

④アカウントデータなどの整理

終活の身辺整理では、アカウントデータなどの整理もします。スマートフォンやインターネットが普及している今だからこそ、アカウントデータなどの「デジタル終活」も必要です。

特に個人で利用している機器の情報は、本人にしか操作できません。後々家族が困らないように、あらかじめ必要な情報を整理しましょう。

整理すべきアカウントデータなどは、以下のようなものがあります。

  • SNSアカウント
  • 連絡先
  • 写真や動画
  • 利用しているサービスの登録情報

整理した情報はエンディングノートなどに記載すると、残された家族も後から見やすく助かります。アカウントデータを整理したら、必要な情報を忘れずに家族へ伝えてください。

またアカウントデータを整理する際は、個人情報が第3者に漏れないように注意しましょう。

⑤人間関係の整理

終活の身辺整理では、人間関係の整理もします。主に自身が最期を迎える時に、誰に連絡をしてほしいかを明確にしてください。

あらかじめ人間関係を整理し明確にしないと、必要な人に連絡が行き届かず、あなたが会いたい人に会えなくなってしまうからです。そのため、人間関係を整理する際は以下の項目をリスト化し、忘れずに家族へ伝えましょう。

  • 相手の名前
  • 連絡先
  • 自分との関係

また人間関係を整理することで、これからの自分にとって必要な交友関係を見直せます。残りの人生を大切な人と過ごすためにも、人間関係を忘れずに整理しましょう。

終活の身辺整理を進めるポイント3つ

エンディングノートに記入している人

次に、身辺整理を進めるポイントを3つ紹介します。

  1. エンディングノートを活用する
  2. 無理のない範囲で進める
  3. 困った時は専門業者を頼ろう

順番に解説します。

①エンディングノートを活用する

身辺整理を進める際は、エンディングノートを活用しましょう。エンディングノートとは、自分の意志や家族への思いなどを自由に記載できるノートのこと。エンディングノートは、身辺整理にも活用できます。

  • 残す物の譲り先や使い道
  • 財産リスト
  • 書類関係の収納先
  • アカウントデータのパスワードやID
  • 交友関係者のリスト

身辺整理を進める際は、エンディングノートに上記のような情報を記載してください。そうするだけで、家族が物を探したりパスワードに悩む負担や手間が省けます。そのため身辺整理をする際は、家族への負担を想定してエンディングノートに必要な情報を漏れなく記載しましょう。

②無理のない範囲で進める

終活の身辺整理は、無理のない範囲で進めましょう。身辺整理はやるべきことが多いため、無理をして数日で終わらせようとするのはおすすめできません。

急いで終わらせようとすると、途中でストレスや疲労を感じてしまい挫折してしまう原因になります。そのため身辺整理は、長期間かかることを想定して無理のない範囲で進めてください。

③困った時は専門業者を頼ろう

終活の身辺整理に困った時は、専門業者を頼りましょう。終活に関心が集まる近年、終活に関するサービスを展開する業者が増えています。

そのなかの1つが、身辺整理を手伝う「遺品整理業者」です。遺品整理業者では物の不必要の選別や、物の運搬などを行ってくれます。また不用品を買い取ってもらえる場合もあるので、不用品を処分する手間を省きながら進められるでしょう。

また遺品整理業者には資格保有者も在籍しているので、プロの目線で的確にアドバイスしてくれます。そのため「何を捨てたらいいかわからない」「手放すのがもったいない」と、悩んでしまう人にもおすすめのサービスです。

遺品整理業者は、身辺整理の際にかかる精神的・体力的負担を軽減してくれる業者です。身辺整理に困った時は、ぜひ専門業者を頼りましょう。

終活の身辺整理をする際の注意点

注意の標識

最後に、終活の身辺整理をする際の注意点を解説します。

  1. 断捨離はあくまで自分の意志でする
  2. 悪徳業者に注意する
  3. 近隣トラブルを招かないように配慮しながら進める

順番に見ていきましょう。

①断捨離はあくまで自分の意志でする

断捨離は、あくまで自分の意志でしてください。不用品の断捨離は時間がかかるため、家族に協力してもらいながら進める方が多いかと思います。しかし、物の不必要の判断を家族に委ねるのはおすすめできません。

物の不必要の判断を自分以外の人に委ねてしまうと、本当は必要だった物まで捨てられてしまう可能性があるからです。トラブルにも発展しかねないため、物の不必要の判断は自分でしましょう

②悪徳業者に注意する

終活の身辺整理を進める際は、悪徳業者に注意しましょう。終活に関心が高まっている近年、高齢者を狙った悪徳業者が増えています。

特に不用品の断捨離をする際に頼れる「遺品整理業者」のなかには、高価な品物を狙った業者や見積以上の高額請求をしてくる業者もいるからです。

そのため、業者へ依頼する際は複数社で見積もりを取りましょう。また依頼する業者の決定は自分だけでせず、周りに相談して信頼できる業者に依頼してくださいね。

③近隣トラブルを招かないように配慮しながら進める

終活の身辺整理を進める際は、近隣トラブルを招かないように配慮しながら進めてください。

サイズの大きい品物を処分するには、トラックやクレーンが必要になる場合もあります。そのため、作業当日の騒音や公道に車両が駐車されることを想定し、あらかじめ近隣の方へ伝えましょう

また不用品を自治体のゴミに出す場合は、自治体への迷惑や不法投棄をしないように、ルールを守って捨ててください。

まとめ:終活の身辺整理で残りの人生を身軽に暮らそう!

身辺整理を終えて孫と快適に暮らす女性

身辺整理は、ただ物を捨てるだけではなく、相続の準備や人間関係の整理などやるべきことが数多くあります。特に不用品の断捨離は精神的・体力的な負担が大きいため、ぜひ遺品整理業者や家族を頼りながら進めてください。

また身辺整理を数日で終わらせようと急ぐのは、おすすめできません。途中で挫折しないように、長期的な計画を立てて無理のない範囲で進めましょう。

身辺整理をすることで、家族への負担軽減や気持ちの整理がつくなどメリットが豊富です。身辺整理を通して、残りの人生を身軽に暮らしましょう。