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写真の整理は終活の基本!スムーズに進めるポイントをわかりやすく解説!

「終活の手始めに写真の整理から始めたいけど何から手を付けていいかわからない」

「写真の量が膨大で大変そう」

「写真は思い出が詰まっているのでなかなか捨てられない」

そのような悩みを持っていませんか?写真の整理から終活を始めようと思っても、なかなかはかどらないのが現実のようです。

この記事では、終活での写真整理の重要性、具体的な整理の進め方やスムーズに整理するポイントなどについて解説しています。ぜひ参考にしてください。

目次

終活で写真整理が重要な理由

終活で写真整理が重要な理由(キャノンのカメラと交換用レンズ)

写真の整理は、以下のような理由で終活で重要な意味を持っています。

  • 残った写真は死後の家族の負担になる
  • 終活を始めるきっかけになる
  • 今までの人生を振り返り、その先の人生の生きる意欲につながる

順番に説明します。

残った写真は死後の家族の負担になる

2022年6月に実施された調査では、実家の片付けで処分に困るもののランキングで「写真・思い出の品」が1位となりました。

(N=300名、複数回答。2022/6/3~2022/6/13に実施したインターネット調査による)

その理由としてあげられたのが、以下のような意見です。

親の人生そのものなので、自分で取捨選択しづらいです。(50代女性)

家族にとっても大切なものなので捨てるのは心苦しいですし、だからといって誰がどうやって保存するかも悩んでしまうと思うからです。(20代女性)

写真は単なる「モノ」ではなく、故人の思い出の詰まった人生の一部。残された家族は、処分をためらうようです。

終活を始めるきっかけになる

終活という言葉は、既に市民権を得ましたがなかなか始めるきっかけが見つからずに躊躇しているケースも見られます。「終活=断捨離」という考えの人もいますが、写真の整理は断捨離の一部です。

他の断捨離は、ただ、モノを捨てるだけですが、写真の整理は楽しい思い出がよみがえったり、後で述べるように家族と終活について相談を始める機会にもなります

今までの人生を振り返り、その先の人生の生きる意欲につながる

昔の写真を眺めていると、過去のさまざまな思い出がよみがえってくるでしょう。楽しかったイベントや悲しかったできごと、苦労を重ねて目標を達成した時の喜び。

残されている写真は、その人の人生の歴史そのものです。過去を振り返ることは、今後の人生を充実して過ごすための意欲につながります

終活で写真整理の進め方6ステップ

終活で写真整理の進め方6ステップ(紅茶と本と写真)

効率的に写真を整理するために、以下のような手順で作業します。

  1. 写真をすべて洗い出す
  2. 写真をざっくりと分類する
  3. 残す方法を決める
  4. 残す写真の基準を決める
  5. 必要な写真をアルバムにまとめる
  6. 不要な写真を廃棄する

やみくもに写真の整理を始めると挫折してしまうかもしれません。計画的に進めるための6つのステップを解説します。

①写真をすべて洗い出す

まずは、所有している写真をすべて洗い出すことから始めましょう。押し入れに眠っている写真やパソコン、スマホに残っているデジタル写真も漏れがないか確認してください。

後から次々に写真が出てくると作業が進まなくなります。写真の数が増えると、その後の作業の進め方も違ってきます。最初にすべての写真を集めて、全体量を把握してください

②写真をざっくりと分類する

すべて集め終わったら、次は写真の分類です。分類のしかたは人それぞれ。どのような人生を送ってきたかにも左右されますが、一番簡単な方法はまず時系列で写真を並べるやり方です。時系列で並べたあと、年代ごとに分けると作業がスムーズに進むでしょう。

年代で分ける場合の一例は以下の通りです。

  • 出生~学生時代
  • 社会人独身時代
  • 恋愛~結婚初期
  • 子供の出生以降
  • その他

「趣味で撮った鉄道写真がたくさんある」ような場合は、他のものと分けます。

③残す方法を決める

写真を分類しているうちに、どのようにして写真を整理・保管するかのイメージが漠然と浮かんでくるでしょう。

アルバムを作るのか、それともいっそのことすべてデジタル化して保存するのか?アルバムを作る場合、1冊にまとめるのか、年代ごとなどに分けて作成するのかも重要な問題です。残す方法によってこのあとの作業の内容が変わってきます。

④残す写真の基準を決める

基準を決めずに整理すると、どうしてもなかなか廃棄できません。最初に明確な基準を設けると、取捨選択がスムーズに進みます。

まずは、以下の基準に基づいて明らかに不要な写真を選別しましょう。

  • ピントがぼけている
  • 同じような構図が複数ある
  • 人物が目をつむっている
  • 風景や物だけが写っている
  • なんの写真か思い出せない

次に、どうしても残しておきたい写真を以下のような項目を参考にして決めてください。

  • 楽しかった思い出の写真
  • 入学式・卒業式・授賞式・結婚式など大事なライフイベント
  • 家族全員で写っている写真
  • 子供に残しておきたい写真

あくまでも参考基準なので、これをもとにしてオリジナルの基準で選定してください

取捨選択するときは、あまりにも昔のことは記憶があいまいで判断が難しくなるので、最近のものから手を付けるのがおすすめです。

⑤必要な写真をアルバムにまとめる

写真の選定が終わったら、アルバムにまとめます。アルバムは、あまり大きなものではなく扱いやすい小さめのものを選びましょう。せっかく苦労して作ったアルバムです。見たいときにいつでも取り出せる状態にしてください。

アルバムのサイズを基にして、逆に残す枚数を決める方法もあります。枚数が決まっていると、捨てる決断を後押ししてくれます。

ついつい忘れてしまいがちですが、終活の最も重要な目的は、過去を振り返って、その先充実した人生をおくることです。過去の写真の整理だけではなく、今後撮る写真のスペースも考えてアルバムを作りましょう。

⑥不要な写真を廃棄する

アルバムを作成し終わったら、不要な写真を廃棄します。

どうしても捨てられないプリント写真はデジタル化しましょう。デジタルデータであれば物理的な場所をとりません。写真のデジタル化についてはのちほど説明します。

終活でスムーズに写真整理をするポイント3つ

終活でスムーズに写真整理をするポイント3つ(カメラで撮影する女性)

写真の整理は時間的にも肉体的にもたいへんな作業です。効率的に進めるためには以下のポイントが重要です。

  • 自分の写真から整理する
  • 家族と相談しながら進める
  • 写真を1カ所に集める

3つのポイントについて説明します。

自分の写真から整理する

まずは、自分の写真から整理しましょう。写真には、本人にしかわからないエピソードや思い出が詰まっている場合があります。逆に、特にこだわりのない写真であれば思いきって捨てられるはずです。自分自身の写真であれば迷わず判断できます。

同様に、家族の写真はその家族にしか判断できないでしょう。無断で家族の写真を捨てると、あとあとトラブルの元になります。せっかく、「自分のため」「家族のため」に始めた終活が家族の関係をギクシャクさせてしまっては元も子もありません。

まずは家族の中で自分だけが写っている写真から整理を始めましょう。

家族と相談しながら進める

家族と一緒に写っている写真は、家族と相談しながら整理しましょう。自分には思い入れのない写真でも、家族にとっては思い出のつまった大切な写真かもしれません。

家族と一緒に整理していると、写真を撮った時の思い出話に花が咲くかもしれません。まったく作業が進まなくなってしまっては本末転倒ですが、写真を見ながら昔を思い出して家族と会話を弾ませるのも楽しいひとときです。

また、葬儀に使う遺影写真を考えるいい機会にもなります。遺影写真について自分の希望を伝え家族の意見ともすり合わせて決定しましょう。

遺影写真や葬儀について家族と一緒に考えると、終活全体について家族と話し合うきっかけにもなります

写真を1カ所に集める

あとからあとから写真が出てくると作業が前に進みません。最初にすべての写真の洗い出しが重要です。

また、作業がしやすいように写真は1カ所に集めましょう。デジタルカメラやパソコン、スマホなどのデジタルデータもすべて1台のパソコンにコピーしてください。

終活での写真整理のコツ

終活での写真整理のコツ(フォトアルバムとアナログカメラ)

写真整理をするときは、以下の点を念頭に作業を進めるとよいでしょう。

  • 遺影写真の候補を選ぶ
  • 捨てるのを迷う写真はデジタル化する
  • 他の終活作業も同時に進める

3つのコツについて順番に説明します。

遺影写真の候補を選ぶ

写真を整理する過程では、「遺影写真として使えそうな写真はないか?」頭に入れておきましょう。葬儀のときに飾る写真は、本人が気に入っていた写真を選ぶのが一番です。

遺影写真の選定は、家族にとっては大きな負担になります。もし、遺影写真を決めずに亡くなってしまうと、家族は葬儀のあわただしい準備をしながら、膨大な写真の中から亡くなった本人が気に入ってくれるであろう写真を決めなければなりません。

生前に自分で気に入った遺影写真を家族に伝えておきましょう。ただし、印画紙のサイズではきれいに写っていても、大きく引き伸ばすと微妙にピントが合っていない可能性があります。できれば、写真館などで専門家に遺影用の写真を撮ってもらうことをおすすめします。

捨てるのを迷う写真はデジタル化する

写真を見ながら作業を進めていると、どうしても昔の思い出がよみがえり簡単に写真を捨てられなくなるかもしれません。その場合は、とりあえずデジタルデータにして保管しておきましょう。

デジタルデータは、印画紙の写真のように劣化する心配もありません。専用のアプリで、加工や修正・デジタルアルバム作成も可能です。昔の写真に写っていた友人や親戚に簡単に配布もできます。デジタル化の方法は後述していますので、ぜひ検討してください。

他の終活作業も同時に進める

過去に撮った写真の整理は、自分の人生を振り返る作業に他なりません。終活の一環としてエンディングノートをつけている場合、過去の自分史のパートをスムーズに記入できるでしょう。

また、写真と同時に押し入れに眠っていた不用品の処分も抵抗なく進められるかもしれません。どうしても捨てられない趣味でコレクションしていた物などは、写真に撮って残し、本体の廃棄も検討してください。

葬儀社によっては、葬儀のときに遺影写真だけでなく、故人の写真を展示するコーナーを設けるようなサービスを展開しています。思い入れの深い写真は、そのような利用方法を検討してはどうでしょうか。葬儀の意向やプランを家族と相談するいいきっかけになるかもしれません。

写真をデジタル化する方法

写真をデジタル化する方法(スマホで撮影)

写真のデジタル化は、自分でもできますし、専門業者に依頼する手段もあります。

  • 家庭用プリンター複合機でスキャンする
  • スマホアプリでスキャンする
  • 専門の業者に依頼する

自分でデジタル化する2つのやりかたと専門業者に依頼する場合について説明します。

家庭用プリンター複合機でスキャンする

プリンター複合機を持っていれば、附属のスキャナー機能を使ってデジタル化できます。専用スキャナーであれば、さらに作業ははかどります。操作も簡単で高画質でデータを保存可能です。

スマホアプリでスキャンする

スマホで写真を撮影・スキャンしてデジタルデータとして保存するアプリがあります

写真スキャンアプリは、写真に写り込む光の反射を除去したり、写真のフレームを自動で認識してくれます(アプリによります)。

ただし、写真データの解像度はスマホのカメラの解像度に依存するので注意しなければなりません。

専門の業者に依頼する

膨大な写真をデジタル化する場合は、専門の業者への依頼も検討しましょう。

安いところでは、1枚十数円の費用です。アルバムから写真をはがしたりする作業も任せられます。

ビデオテープや8mmフィルムのDVD化や色褪せた写真を補正するオプションサービスを提供している業者もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ(フォトアルバム)

終活での写真整理の重要性、実際の進め方やコツについて解説しました。

ここで述べた写真整理のステップや取捨選択のやり方はあくまでも一例です。この記事を参考にして、ご自身の環境やスタイルに合った方法で写真の整理から終活をスタートしてくださいね。