葬儀を安い費用で行うには?注意点や費用不足の時の対処法も解説!
「葬儀の費用が高過ぎて困っている…葬儀の費用をなるべく安くする方法はある?」
「葬儀費用を安くするときの注意点を知っておきたい!」
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
葬儀をすることになった方や、葬儀について調べておきたいと考えている方の中には、費用面を心配する方も多いでしょう。
結論、葬儀費用を安く抑える方法は複数あり、トラブルを防ぐうえでは家族と相談したうえで選ぶと効果的です。
今回は、葬儀費用を抑えられる式の種類や方法、注意点などを解説します。
最後まで読めば、葬儀にかかる費用面に関しての不安が軽減するでしょう。
目次
葬儀費用の平均とは
葬儀費用の平均に関して、葬儀全体では約110万円程度といわれています。
コロナ禍の影響により、葬儀に2日かかる「一般葬」を避ける傾向にあったことから、2024年現在は平均金額が上昇していることが予想されます。
2020年の葬儀の平均費用は約180万円程度であり、両方を参考に考えるとよいでしょう。
葬儀会社や式の種類などにより、葬儀の費用は変わるのが特徴で、選択や行動次第で葬儀の費用を安くすることは可能です。
葬儀費用の平均に関しては、あくまでも目安の指標となります。
葬儀に必要な費用3つ
葬儀で発生する費用とは、大きく分けると以下の3つです。
- 葬儀一式にかかる費用
- 追加で発生する料金
- お布施
ここから具体的に解説します。
葬儀一式にかかる費用
葬儀で必要な費用の一つは、葬儀一式にかかる費用です。
葬儀の種類や規模などによって異なるものの、一般的な葬儀においては以下の費用が発生します。
葬儀一式にかかる費用 | 具体的な内容 |
---|---|
枕飾り | ・棺の枕元に置く祭壇・通夜や告別式などの祭壇とは異なる |
ドライアイス・防腐防臭剤 | ・遺体の腐敗を防止するために利用 ・1日で7、000円程度が目安 |
死化粧・エンゼルケア | ・遺体を清め、化粧をすること ・亡くなってから納棺されるまでに行われる |
棺 | ・木棺やエンバー棺など、種類に応じて値段が変わる ・原則として、棺がないと火葬できない |
祭壇 | ・白木祭壇と花祭壇に大きく分けられる ・故人を供養するために設置される |
位牌 | ・故人の戒名や亡くなった年月などが書かれてある ・原則的にはなくてもよいとされている |
遺影 | ・故人の肖像画や写真のこと・四十九日まで飾るのが一般的 |
上記は一部で、葬儀においてはさまざまな費用が発生する点を押さえておきましょう。
追加で発生する料金
葬儀においては、以下の通り飲食と返礼品に関する費用が追加で発生します。
葬儀において追加で発生する費用 | 具体的な内容 |
---|---|
飲食に関する費用 | ・料理の内容や参列者の数に応じて変わる ・一般的には、葬儀会社の基本プランに含まれる |
香典返し・返礼品に関する費用 | ・参列者全員に渡すお礼の品物が返礼品 ・香典をもらった方に返すのが香典返し |
葬儀の種類や遺族の希望によって、会食の場を設けなかったり香典をもらわなかったりするケースもあります。
お布施
葬儀において発生する費用の一つは、お布施。
お布施とは、葬儀に参列する僧侶に対して直接支払うもので、葬儀会社の費用には含まれないためです。
お布施の内容に関して具体的には、以下の表に示します。
僧侶に支払う費用 | 具体的な内容 |
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お布施 | ・通夜や葬儀などでの読経 ・戒名料に対する費用 |
車代 | 斎場まで来てもらうまでに発生した交通費と、お礼の気持ちを表す費用 |
お膳料 | ・僧侶が精進落としに参加しないときや、会食を開かない場合に支払う費用 ・会食を開く場所によって、金額を高くするケースもある |
僧侶にお経を読んでもらう回数に応じて、お布施の金額も高くなるのが特徴です。
金額の目安がわからない場合、菩提寺に聞くのが一つの方法となります。
葬儀費用を安くする方法
葬儀費用を安くするには、以下の方法を選ぶのが効果的です。
- 複数の葬儀会社から見積もりをもらう
- 市民葬や区民葬を選択する
- 会食をしない
- 補助金や制度を利用する
- 事前割を活用する
- 葬儀保険の保険金を活用する
それぞれの内容について、ここから見ていきましょう。
複数の葬儀会社から見積もりをもらう
葬儀費用を安くするには、複数の葬儀会社から見積もりをもらうのが一つの方法となります。
葬儀会社によって、プランや料金設定などが異なるためです。
葬儀まで時間がない場合には不向きな方法であることから、時間の余裕がある場合に選ぶとよいでしょう。
複数の見積もりを比較すると、必要なものと不要なものや、料金の差などを一目で判断しやすい点がメリットです。
インターネットの口コミ評判を参考に、見積もりをもらう葬儀会社を選ぶのが有効な方法となります。
市民葬や区民葬を選択する
葬儀費用を安くするうえでは、市民葬や区民葬を選ぶとよいでしょう。
自治体と提携している葬儀会社によって葬儀が行われるのが特徴で、自分で葬儀会社に依頼する場合と比較すると割安になるためです。
市民葬や区民葬を利用するには以下の条件があり、いずれかに該当する必要があります。
- 故人が該当する自治体に住んでいたこと
- 喪主の現住所が該当する自治体であること
費用を抑えられる反面、以下の点がデメリットとなります。
市民葬や区民葬のデメリット | 具体的な内容 |
---|---|
必要最低限の葬儀となる | ・自治体によっては、参列者に料理や返礼品を提供することが禁止されている ・公民館や公営の式場などで式があげられ、自分で業者を選べない |
追加費用が発生する可能性がある | ・生花やドライアイスなどの料金は含まれない傾向にある |
市民葬や区民葬を利用する場合、死亡届を提出するときに申請するのがポイントとなります。
会食をしない
葬儀費用を安くするには、参列者と会食をしないことが有効。
以下の通り、葬儀のあとで会食をするケースがあるものの、義務ではないためです。
- 通夜のあと:通夜振る舞い
- 葬儀・告別式のあと:精進落とし
会食においては、参列者に挨拶したりお酌したりする必要があり、遺族にとって負担となるケースもあるでしょう。
参列者に感謝の意を表せる機会となるものの、費用を安くするうえでは会食をしないことが理想的です。
補助金や制度を利用する
葬儀費用を抑えるための方法として、公的な補助金や制度などを利用することがあげられます。
条件を満たすと以下の補助金や制度などを利用でき、葬儀費用を安くできるためです。
葬儀に関する国の制度 | 具体的な内容 |
---|---|
葬祭費補助金制度 | ・国民健康保険や社会保険、共済組合に加入している方が亡くなった場合にもらえる ・加入先によって、もらえる金額や手続きの方法が異なる ・自分で手続きをする必要がある |
葬儀扶助 | ・直葬となり、自己負担金0円で葬儀を行える ・生活保護をもらっており、葬儀費用を払えない方などが対象 ・制度を利用して行う葬儀を福祉葬 |
事前割を活用する
葬儀費用を安くするには、葬儀会社が提供する事前割を使うとよいでしょう。
事前割を利用すると、葬儀費用の割引が適用となるためです。
よりそうお葬式の場合、以下の通り申し込みから経過した日数に応じて、費用の割引を受けられます。
- 申し込みから60日経過すると12万円もらえる
- 条件によって1、5万円から12万円まで割引される
葬儀会社によって、事前割が適用される条件や金額などは異なり、事前割を行っていないケースも。
事前割の適用に関して詳しくは、各葬儀会社の公式サイトをチェックするのがポイントです。
葬儀保険の保険金を活用する
争議費用を安くするうえで効果的なのは、葬儀保険の保険金を利用すること。
故人が葬儀保険に加入している場合、亡くなってからすぐに保険金をもらえるためです。
葬儀費用として利用可能な死亡保険に関して具体的には、以下の表に示します。
保険の種類 | 具体的な内容 |
---|---|
定期保険 | ・終身保険より保険料が安い ・一定期間に限り、補償を受けられる |
終身保険 | ・契約内容を検討し直すときに手間がかかりやすい ・満期保険金はない |
養老保険 | ・満期時に保険金をもらえる ・保険料が割高である |
故人が加入している生命保険の種類に関しては、保険証券などで確認可能。
相続財産を利用する場合と比較して、時間や手間などがかかりにくく、利用しやすい点がメリットです。
葬儀費用を安くできる3つの式
葬儀費用を安くするには、以下の3つの式の中から選ぶとよいでしょう。
- 一日葬
- 家族葬
- 直葬
ここから具体的に解説します。
一日葬
葬儀費用を安くできるのは、一日葬。通常であれば2日かかる葬儀を一日で終えることから、会場費や人件費などを削減でき、費用が安くなるためです。
一日葬のメリットは以下のとおり。
- 遠方から参列する方が都合をつけやすく、宿の手配をする必要がない
- 高齢の参列者や親族も、長時間の葬儀による精神的・肉体的な負担を避けやすい
一方で、以下の点がデメリットとなります。
- 葬儀後の弔問客が増え、対応に迫られる可能性がある
- 故人と過ごす最後の時間が短くなる
メリットとデメリットを把握したうえで、検討するのがポイントです。
家族葬
葬儀費用を安くできる葬儀の一つは、家族葬。家族や親戚、親交の深い方の参列に限られるのが特徴で、人数が少ない分、費用を抑えることも可能です。
式によって異なるものの、参列者の目安は10人から30人程度になる傾向にあります。
家族葬のメリットは以下の通りです。
- 大勢の方に訃報を流す労力や時間などを省ける
- 参列者の対応が限られることから、故人とゆっくり向き合える
デメリットは、葬儀後に参列できなかった方の対応をする必要がある点です。
直葬
葬儀費用を安くできる葬儀の一つは、直葬。通夜や告別式を省略し、遺体を直接火葬することから、葬儀に必要な費用を最も抑えることが可能となります。
直葬のメリットは、具体的に以下の点です。
- 香典返しなど、葬儀後にやるべきことを最小限にできる
- 亡くなってから火葬までの期間を短縮できる
一方、直葬のデメリットは以下の点。
- 家族や親族から反対される可能性が高い
- 菩提寺からの了承を得にくい
直葬においても、希望すれば火葬炉の前で僧侶に読経してもらうことが可能となります。
葬儀費用を安くするときの注意点
葬儀費用を安く抑えるうえで、注意したい点は以下のとおりです。
- 親戚や知人との間でトラブル発生の可能性がある
- 一族のお墓に入れてもらえない可能性がある
- 想定以上の金額を請求されるケースがある
ここから具体的に解説します。
親戚や知人との間でトラブル発生の可能性がある
葬儀費用を安くし過ぎると、親戚や知人などの間でトラブルが起こる可能性も。
前述の通り、安く葬儀をするには、通夜と葬儀・告別式から構成される一般的な葬儀ではなくなる傾向にあるためです。
現代では規模の小さい葬儀が認知されるようになりつつあるものの、年配の方にとっては馴染みがないものとなります。
故人の死を軽んじていると捉えられると、反発を受ける可能性が高いでしょう。
トラブルを避けるには、事情を説明したり後日偲ぶ会を開いたりする方法があります。
偲ぶ会とは、葬儀のあとで親族や故人の知人などが集まって行われる別れの会。
期日や服装などは決まっておらず、葬儀に比べるとより自由度が高いのが特徴です。
一族のお墓に入れてもらえない可能性がある
葬儀の費用を最も安くできる直葬を選ぶ場合、一族のお墓に入れてもらえない可能性がある点に注意しましょう。
通夜や葬儀を行わず、故人を直接火葬するのが特徴で、原則として僧侶の読経が行われないためです。
檀家となっている菩提寺がある場合、直葬を葬儀と認めてもらえず、先祖と一緒のお墓に入れることを拒否されるケースも。
菩提寺とは、先祖の冥福を祈り続けてもらっているお寺のことで、一般的なお寺とは異なる位置づけにあります。
直葬を選択する場合、菩提寺に確認をとっておくのが望ましいです。
想定以上の金額を請求されるケースがある
葬儀の費用を安くするときは、思っているよりも高額な費用を請求されるケースもある点に注意しましょう。
前述の通り、葬儀においては追加で発生する費用もあり、事前に提示されているプラン通りにならない可能性があるためです。
葬儀会社やプランの内容によって、追加で発生する費用は異なることから、見積書をよく見ておくことが求められます。
急な葬儀で精神的に取り乱している状況では、葬儀の詳細な費用までチェックするのは難しいかもしれません。
事前に葬儀プランを比較検討したうえで、決定しておくのも一つの方法です。
葬儀費用が足りない場合の対処法
葬儀費用が足りない場合でも、以下の方法で対処できます。
- 親族で分担して支払う
- 分割やローンを活用する
- 香典を利用する
- 相続財産で支払う
ここから具体的に解説します。
親族で分担して支払う
葬儀費用が不足している場合、親族で分担するとよいでしょう。
一般的に葬儀費用を支払うのは喪主となっているものの、法律上の決まりはなく、親族で分担して支払うケースもあるためです。
葬儀費用を分担して支払うケースとは、具体的に以下の通り。
- 故人に配偶者がいない
- 葬儀費用が高額過ぎる
故人に配偶者がいない場合は、故人の兄弟で負担する傾向にあります。
葬儀費用を均等に分けるケースと、経済状況や家庭環境などに応じて金額を変えるケースがあり、状況によって検討するのがポイントです。
分割やローンを活用する
葬儀費用が不足しているときは、分割やローンを利用するのが一つの方法。
葬儀会社によっては、葬儀費用の分割払いやローンに対応しているためです。
分割払いやローンを利用するときのポイントは以下の点。
- 事前に葬儀会社に確認すること
- 基本的に手数料が発生する
- 審査があり、年齢や職業などがチェックされる
審査に落ちたとしても、クレジットカードでの分割払いを選択できるケースがあります。
クレジットカードの分割払いを選択すると、ポイントが貯められる点もメリットの一つです。
香典を利用する
葬儀費用が不足している場合、香典を利用するとよいでしょう。
地域や参列者の人数などによっても異なるものの、葬儀の種類によっては参列者から香典をもらえるためです。
香典をもらった方に対しては香典返しをするのがマナーで、3分の1から2分の1程度のお返しをする必要があります。
香典の金額は予想しにくく、葬儀費用として頼りにし過ぎるのは望ましくありません。
葬儀費用の全てを香典で支払おうとせず、一部を支払わせてもらうと考えるのがポイントです。
相続財産で支払う
葬儀費用が不足している場合の対処法として、相続財産を利用することがあげられます。
亡くなってすぐに、故人の銀行口座は凍結されるものの、相続する方が銀行で手続きをすると預金口座を利用できるためです。
人が亡くなると葬儀費用は必ず発生するもので、相続財産で葬儀費用を支払うと、相続税対策にもなる点がメリット。
葬儀費用の全てが控除の対象ではなく、葬儀を行い埋葬するために必要な費用に限られる点は注意しましょう。
故人が亡くなってから10ヶ月以内に相続税の申告や納付をする必要があり、必要な書類を準備しておくのがポイントです。
まとめ
ここまで、葬儀費用を安くできる式の種類や具体的な方法、注意点などを解説してきました。
葬儀の種類やあり方などが多様化してきている現代において、費用が安い葬儀をすることは現実的になりつつあります。
葬儀費用を安くするということは、従来の葬儀を簡略化することでもあり、家族や親戚などの理解を得ることがポイントです。
葬儀の種類や内容などは重要であるものの、最も大切なのは故人を偲ぶこと。
時間があるときに、葬儀について家族間で話し合っておくと、故人の意思を尊重できる葬儀を執り行えます。
本記事を参考に、葬儀費用に関する不安を取り除いてもらえれば幸いです。