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独身の方は50代から終活を始めよう!やるべきことと注意事項を徹底解説

「終活」と聞くと、断捨離、資産整理、遺言状の作成など、「人生の終わりに向けた準備」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

「『人生の終わり』について考えるなんてまだ早いのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、終活は非常に時間がかかるものなので始めるのが早すぎることはないです。

独身またはおひとり様の終活は50代から始めましょう。 この記事では50代が終活を始めるベストタイミングである理由と、終活としてやるべきこと、そして注意点を紹介します。

目次

「独身」で人生の最期を迎える人が増えている

独身 終活

令和2年の国勢調査によると、現在65歳以上の人口の20%が1人暮らしだそうです。生涯未婚であった方と、配偶者と死別・離別した方の合計を合算しており、この割合は今後ますます増えると言われています。

つまり、あなたも「独身」または「おひとりさま」の状態で、人生の最期を迎える可能性を考慮するべきです。 終活は、コツコツと継続的に進める必要があるため、このような事態に備えるためにも早い段階、50代からスタートさせましょう。

独身者の死後事務はとても大変

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独身者が亡くなるとおこなわれる死後事務は下記の通りです。

  • 遺体の引き取り
  • 葬儀やお墓の手続き
  • 遺品の仕分け
  • 家の引き払い
  • 各種契約の解約手続き
  • 役所等への手続き

相続人や家族がいない場合は、第三者がこれらの死後事務は全てやります。

これらの死後事務は、非常に煩雑で時間がかかるものです。このような事務作業をする第三者の方への迷惑や負担を減らすためにも、生前整理や終活をする必要があります。

独身者が50代で終活を始めるべき理由4つ

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独身者、またはおひとりさまが終活を始めるのは50代がベストタイミングです。50代で終活を始めるべき理由は4つあります。
  • 気力と体力があるから
  • 判断力があるから
  • 第2の人生をイメージしやすいから
  • 貯金について考えられるから

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

気力と体力があるから

残念ながら60〜70代になると、体力と気力が衰えてしまいます。

特に終活のための断捨離は、家全体の片付けをするため体力が不可欠です。

そして終活は定期的、かつ継続的に進めるものであり、気力も必要になります。

判断力があるから

年を重ねるごとに判断力も低下してしまいがちですが、終活の成功において、「判断力」は非常に重要なスキルです。

判断力が低下すると、終活の断捨離で何を捨て、何を残すべきか判断できなくなってしまう可能性があります。

他にも、相続や財産の整理など複雑な事務処理において、高度な判断力が必要です。

そのため、まだ判断力が衰えていない50代から終活を始めましょう。

第2の人生をイメージしやすいから

現在、多くの方が65歳で退職します。

50代から退職後の生活をイメージし準備をしておくと、より豊かな第2の人生を送れるでしょう。

例えば、準備としては退職後も仕事を続けるための資格取得の勉強や、趣味探しなどが挙げられます。

貯金について考えられるから

令和3年の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」によると、50代の独身者の平均貯蓄は1,675万円で、中央値は675万円でした。

しかし割合で見ると、100万円未満が12.1%、100〜200万円が10.6%。対して、700〜1,000万円、そして3,000万円以上がそれぞれ11.1%です。

つまり、50代のおひとりさまの貯蓄は、かなり二極化しています

50代の早いうちから「貯金」について考えて終活をしておくと、退職後の生活における経済的な不安を解消できるでしょう。

(参考URL: https://financial-field.com/oldage/entry-139230 )

老後に必要となる資金を概算し、今から副業をしたり、投資を始めておくと、経済的により豊かなセカンドライフを送れます。

生活設計にお困りの場合は、ファイナンシャル・プランナーに相談することも手です。

50代独身者が終活でやるべきこと10個

50代 独身 終活 遺言状

50代独身者が終活でやるべきことは10個あります。

  • 断捨離をしてモノを減らす
  • 財産管理
  • 終活ノートの作成
  • 身元保証サービスの利用を考える
  • 葬儀・お墓の準備
  • 遺言書の作成
  • 医療や介護について検討する
  • 見守り契約
  • 人と繋がる
  • 定期検診を受ける

ここでは、それぞれの項目について詳しくご説明します。

断捨離をしてモノを減らす

まずは身の回りにあるモノを断捨離して、必要なモノだけに囲まれた生活にしましょう。

終活の断捨離や片付けは時間がかかるものです。小さくて簡単なところから少しずつやると、挫折せずに断捨離を進められます。

財産管理

自分が持っている財産について把握し、整理をしましょう。下記のものが財産に当たります。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式
  • 貴金属
  • 宝石
  • 美術品
  • 骨董品

このような財産を整理しておくと、相続時のトラブルを未然に防げます。

終活ノートの作成

終活ノート(またはエンディングノート)とは下記のようなものを記入するノートです。

  • 基本情報(氏名・生年月日・住所など)
  • スマホアプリやサブスクリプションサービスなどのログイン情報
  • 介護や医療に対する希望や考え
  • 遺産相続について
  • 葬儀や墓に対する希望
  • 連絡先について

これらの情報をノートにまとめておくと、万が一の時に役立ちます。

身元保証サービスの利用を考える

身元保証サービスとは身元保証人が必要な時にサポートしてもらえるサービスを指します。

年を重ねると下記のように、身元保証人が必要になる場面が多いです。

  • 介護付き有料老人ホームに入居するとき
  • サービス付き高齢者向け住宅に入居するとき
  • 高齢者介護施設に入居するとき
  • 賃貸アパートの契約をするとき

おひとりさま、または独身者が終活をする場合、身元保証サービスを利用することを強くおすすめします。

葬儀・お墓の準備

葬儀には遺影や形式を決めておいてください。

お墓に関しては、新しく購入するのか、先祖と同じ墓に入るのか、または散骨するのかなど様々な選択肢があります。それぞれのメリットやデメリットなどを把握しながらベストな選択をしてください。

下記は主なお墓の種類と、その特徴についてまとめた表です。

種類特徴購入費用の目安(1区画・1m2)
寺院墓地寺の境内にある墓檀家になることが条件である場合もある25〜200万円
霊園(公営墓地)宗派は関係なし抽選になる可能性もある20〜70万円
霊園(民営墓地)宗派は関係なし費用が高い生前に購入可能20〜150万円
納骨堂比較的リーズナブル屋内施設なので管理しやすい約30万円

葬儀やお墓については代行業者や、行政書士などのプロの手を借りられます。

遺言書の作成

独身者であっても、資産や財産の相続先がないことは珍しいです。

もし、相続できる財産や資産があり両親や兄弟以外に譲渡する場合は、遺言状を書いて譲渡先を明示しておく必要があります。

また、エンディングノートと同様に、50代で遺言状を作成した場合は定期的に見直しましょう。時間の経過とともに気持ちや考えが変わり、財産や資産の譲渡先を変えたいと考え直すこともあるからです。

独身者が遺言状を作成する場合は、公証役場での公正証書遺言の作成をおすすめします。遺言状を保管してもらえるため、盗難や紛失といった危険性がなくなるでしょう。

下記の表を見ると、公正証書遺言書の作成における手数料の目安がわかります。

相続財産総額手数料
〜100万円5,000円
〜200万円7,000円
〜500万円11,000円
〜1,000万円17,000円
〜3,000万円23,000円
〜5,000万円29,000円
〜1億円4,3000円

おひとりさまの場合は、遺言書を作成しても、見つけてもらえない可能性を考慮してください。

そして、遺言書を作成できるスマートフォンのアプリがありますが、遺言書は民法で定められた形式でないと内容が無効になってしまいます。

医療や介護について検討する

医療や介護についての希望を両親や兄弟に伝えておきましょう。事前に伝えておくと、万が一のことがあったときに家族が対応しやすくなります。

医療や介護については、下記の点について検討してください。

  • 延命治療を受けたいのか
  • 臓器提供をしたいか
  • 献体はしたいのか
  • 施設で介護を受けるのか
  • 介護費用はどうするのか

また、医療に関することは自分の気持ちだけを伝えるのではなく、家族と話し合っておくとトラブルもなくなるでしょう。

見守り契約に加入する

見守り契約とは、行政書士や警備会社などによって提供されるサービスです。

任意後見契約(本人の判断力が十分あるうちに、判断能力が不十分になった場合に、本人に代わって事務手続き等をする任意後見人を決めておくこと)が必要かどうかを判断したり、体調の急変に対応するために定期的に電話や訪問をして面談がおこなわれます。

見守り契約を結んでおくメリットは下記の通りです。

  • トラブルや悩みを相談できる
  • 自分の安否を気にかけてもらえる
  • 緊急時に駆けつけてもらえる

見守り契約サービスにかかる費用の目安は次の通りです。

サービス内容費用の目安
契約書の作成20,000〜50,000円
月に1度の電話サービス月額5,000円
月に1度の電話と訪問サービス月額10,000円
週に1度の電話と月に1度の訪問サービス月額15,000円
緊急時の駆けつけ3,300〜5,500円

このようなサービスを活用すると、「孤独死」のリスクを下げられます。

人と繋がる

おひとりさまや独身者が「孤独死」を避けるためには、なるべく日頃から多くの人と関わりを持つことが大切です。人と定期的に関わりを持つと、気にかけてもらえます。

また、人とのコミュニケーションは生きるための活力にもなるでしょう。

趣味を通じて新しい友人を作ったり、旧友を大事にしてください。

定期検診を受ける

おひとりさまや独身者の場合は、自分ひとりで健康の管理をする必要があります。そのため、定期的に健康検診を受け、病気の予防や早期発見をすることが大切です。

定期的な病院への検診や通院は、「人との繋がり」にもなります。「最近、あの人検診に来ないな」「今日予約が入っていたのに、来院してないな」と気にかけてもらえるきっかけにもなるでしょう。

50代独身者の終活で注意すべきこと3つ

50代 独身 終活 資産運用

50代独身者が就活を進める上で、注意すべき点は3つあります。

  • 家族としながら進める
  • 終活を継続的におこない、必要な場合は見直す
  • 資産運用や相続対策について考え始める

それぞれの注意点について1つずつ解説します。

家族と相談しながら進める

終活で断捨離を進めていると、不要なモノが出てきます。

良かれと思って両親や兄弟に譲ることはおすすめしません。自分にとって不要なモノは、他の人にとっても不要なモノである可能性もあるからです。最悪の場合、トラブルに発展する場合もあります。

家族と相談しながら断捨離を進めて、決して不要なモノを押し付けないようにしましょう。

終活を継続的におこない、必要な場合は見直す

世間全体からすると、50代から終活を始めている方はまだ少数派です。

現代は人生100年時代と言われています。ひょっとしたらあなたも100歳まで生きるかもしれません。

エンディングノートや遺言書を作成していると、時と共に考えや気持ちが変わる可能性があります。

他にも、今保有している財産がなくなってしまったり、逆に増えるケースもあるでしょう。

終活は継続的におこない、定期的に見直してください。

資産運用や相続対策について考え始める

50代であれば、まだまだ資産運用を始めて、財産を増やせるチャンスがあります。

しかし、資産運用をするにしても、リスクが高い不動産投資や株式投資はおすすめしません。

下記は主な資産運用の種類と特徴をまとめた表です。

種類特徴
定期預金ノーリスクだが、受取額は極めて少ない
外貨定期預金金利環境に大きく影響される
株式投資リスクとリターンが、選ぶ会社によって異なる
投資信託専門家によって運用される。様々なリスクがある
個人向け国債リスクは低いが、受取額も低い

それぞれの資産運用にメリットとデメリットがあります。身の丈にあった資産運用をしてください。

そして、相続対策も大切です。

相続対策をしておくと、相続トラブルを未然に防いだり、節税に繋がります

具体的には、遺言状を書いたり、生前贈与や生命保険の活用をすることです。

また、下記のようなマイナスの財産がないかどうかも確認してください。

  • 借金
  • 借入金
  • 買掛金
  • 住宅ローン
  • 税金・家賃・医療費などの未払金

未払いのものがある場合は、早めに支払いを済ませましょう。

まとめ:独身者は50代から終活を始めて豊かな老後を!

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50代から終活をスタートさせておくと、時間も体力も余裕があるので有意義な終活ができます。

「孤独死」を避け、第三者に煩雑な死後事務を押し付けて迷惑をかけないように、この記事に書いてある内容を参考にしながら、計画的に終活を進めましょう。