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葬儀の種類とは?最近のトレンドから葬儀の決め方までを徹底解説!

かつての葬儀は家族親族や会社関係など多くの人が弔問に訪れ、お通夜から火葬までを行うのが一般的でした。現代では社会情勢の変化や個性化や多様化が尊重されるようになり、葬儀の形態がとても増えています。

テレビなどのメディアを見ていると費用を掛けない小規模な葬儀や宗教にとらわれない葬儀、樹木葬や宇宙葬などスケールも大きく葬儀の種類は多種多様です。

「葬儀の種類が多くて、一体どんな葬儀が良いんだろうか」

「葬儀の決め方や最近のトレンドは何だろうか」

そのような悩みを持つ方は、多いかもしれません。この記事では、葬儀の種類を中心に解説をします。また最近の葬儀の傾向や葬儀の決め方なども紹介。

これさえ読めば葬儀の種類の理解が深まり、自分や故人に合った葬儀ができるでしょう。

目次

葬儀の種類とは

葬儀 種類

葬儀の種類は葬儀の形態、流れをもとに区別をしています。お通夜や告別式の実施や、弔問客も種類を判別する要素の1つです。

主な葬儀の種類は、以下の通りです。

種類特徴
一般葬1日目に通夜
2日目に告別式と火葬
通常2日間実施する
家族葬家族、近親者のみで行う
一日葬通夜を省き、1日で終わらせる
直葬葬儀礼をしない
火葬のみ行う
社葬・合同葬企業が主体となって行う
合同葬は企業と親族が合同で行う

順番に解説します。

一般葬

一般葬とは、従来からある最も一般的な葬儀形態です。家族親族・会社関係や友人、故人と生前付き合いのあった方など多くの方が弔問に訪れます。葬儀は1日目の通夜から2日目の告別式と火葬まで、通常2日間実施されます。

葬祭儀礼を中心に供花や香典、精進落としなどさまざまな行事も含めて行われます。ここでの「一般葬」という言葉は、最近増えている家族葬との区別をするために生まれた言葉です。

近親者のみの家族葬

家族葬は、近年とても増えている葬儀形態です。一般葬との大きな違いは、参列は家族とごく近い親族のみで行います。故人と親しかった友人を呼ぶときもありますが、基本的には家族のみで葬儀を実施する場合が多いです。

挨拶や香典返しなどに気を使う必要もなく、家族だけでゆっくりと落ち着いて故人とのお別れができます。通夜や告別式なども家族のみなので、柔軟に対応できるのもメリットの1つと言えるでしょう。

1日で終わらせる一日葬

通常は通夜と告別式・火葬と2日間掛かるものを通夜を省き、1日で終わらせる葬儀形態を一日葬と呼びます。遺族の精神的負担や、費用面の負担をなるべく減らしたいといったニーズから誕生しました。

1日で葬儀を終わらせるので、遠方の親戚や故人の友人などへの連絡は必要です。また菩提寺への連絡もした方が良いでしょう。通常の一般葬とは異なるので、参列予定の方の理解を得るためにも根回しは必要です。

葬儀礼をしない直葬

直葬は、火葬のみを行う葬儀です。通夜や告別式の葬儀を一切しません。他の葬儀に比べて、遺族の時間拘束や費用負担の面が圧倒的に低いのがメリットです。その他祭壇や斎場の準備などもなく、シンプルで簡素に葬儀が行えます。経済的に余裕がない遺族などが、直葬を選ぶ場合が多いようです。

一方、遠方の親戚の参列は不可能で、故人とのお別れの時間が取れないなどのデメリットも考える必要があるでしょう。また菩提寺にも直葬で行う旨は、事前に伝えたほうが良いです。埋葬を受け付けてもらえない場合もあるので、注意が必要でしょう。

社葬・合同葬

社葬は企業の社長や重役が亡くなったときに、企業が施主となって費用負担や葬儀を行う形態です。合同葬は企業と遺族が一緒になって、葬儀を主催します。どちらも故人が勤めていた企業の色合いが強く反映される葬儀です。

故人とのお別れをする場でもありますが、企業の代替わりを公にする場・企業の節目の行事としてとらえられる場合が多いでしょう。規模も必然的に大きくなり、費用も高くなります。

葬儀の種類別での費用相場とは

葬儀 費用相場

葬儀の種類別での費用相場を紹介します。葬儀費用は、飲食費や返礼品費・香典返し代なども含めた相場です。平均的な金額は以下の通りです。

葬儀費用概算
一般葬200万円~250万円
家族葬100万円~150万円
一日葬100万円~150万円
直葬50万円~100万円

参列者の人数や返礼品や飲食品の品物によって変わりますが、上記の金額を目安として参考にしてください。やはり一般葬が一番高く、直葬が最も簡素なので、一番安く済みます。

宗教別での葬儀の種類とは

宗教別 葬儀 種類

日本で行われる葬儀の実に9割近くが、仏教式です。その他の宗教を含めて、ここでは宗教別での種類分けを紹介します。

  • 仏教
  • 神道
  • キリスト教

順番に解説します。

仏教式

日本人に一番なじみがあるのが、仏教式の葬儀でしょう。通夜と告別式・火葬が、基本形態です。仏教の中でも葬儀の種類は宗派によって違いがあり、日本の仏教の主な宗派は「日本八宗」といわれています。

宗派開祖経典
天台宗最澄法華経
真言宗空海大日経
金剛頂経
浄土宗法然無量寿経
観無量寿経
阿弥陀経
浄土真宗本願寺派親鸞無量寿経
観無量寿経
阿弥陀経
浄土真宗大谷派親鸞無量寿経
観無量寿経
阿弥陀経
曹洞宗道元
臨済宗栄西
日蓮宗日蓮法華経

これら主な宗派の中で葬儀では読経の際の経典が違っていたり、焼香の方法や線香の数などが変わってきます。しかし現代では、しきたりを忠実に守って参列しなくても問題にはなりません。葬儀の種類としては、大枠で仏教を1つと考えて良いでしょう。

神道式

日本より古来から伝わる神道でも、葬儀を行います。神道では初詣や七五三などで、神主が祈りを捧げるのを目にする機会が多いかもしれません。神道の葬儀は「神葬祭」といいます。

神道では故人は亡くなったあとに神々の世界へ行き、子孫を見守る氏神となるのです。仏教式のような線香や焼香は、実施しません。

キリスト教式

キリスト教の葬儀は、神の御前に導かれる祝福の儀式としてとらえられています。仏教式や神道式のような、お別れの儀式としての側面はあまり感じられません。理由としてキリスト教では、死を穢れと考えていないものに起因しています。

またキリスト教式は通夜はなく、告別式として讃美歌の斉唱や献花をして故人を送ります。

近年多様化する葬儀の種類のトレンドとは

葬儀 種類 トレンド

近年多様化する葬儀の種類のトレンドは、以下の通りです。

  • 小規模で実施する傾向が高い
  • 短時間で簡素に実施する
  • 葬儀の形式が多様化・個性化している

順番に解説します。

小規模で実施する傾向が高い

国内の高齢化社会の問題に伴って、葬儀が増えています。今までは選択肢も多くなく、一般葬が普通でした。

しかし近年都市部では、大規模な一般葬から家族葬や一日葬などの小規模な葬儀を実施する傾向にあります。その理由は主に3つです。

  • 住んでいる地域での関係が希薄になった
  • 遠方からの参列などを避ける傾向が増えた
  • 経済的な負担が大きい

上記の理由から、小規模で葬儀を実施する傾向が高まっています。一般葬では、多くの参列者への対応をしなければなりません。しかし家族葬などの小規模では参列者への対応などをあまりする必要がないので、故人との最後のお別れにしっかり時間を使えます。また多額な葬儀費用を掛けたくないなどの理由からも小規模葬儀のニーズが高まっています。

短時間で簡素に実施する

葬儀が小規模になっていると同時に葬儀自体に掛ける時間も、短時間で簡素になっています。葬儀の簡略化のメリットは、やはり費用が安く済む点でしょう。一般葬と比較して、半分程度の費用で済む場合もあります。

またインターネットの普及により比較検討が可能になった点や、人々の葬儀観が変わった点もあるでしょう。葬儀になるべくお金を掛けず、遺族である家族に負担を掛けたくない想いを持つ方も増えています。

テレビなどのメディアに出ている葬儀会社が、一日葬や直葬などに柔軟に対応している点も増加に寄与しているでしょう。

葬儀の形式が多様化・個性化している

葬儀の形式が、多種多様で個性的になっている点もトレンドの1つです。従来の枠にとらわれない自由なスタイルで故人を見送りたい、あるいは自分の葬儀をそうしたいと考える人が増えました。

ここでは、最近注目されている葬儀の新しい形式を紹介します。

無宗教葬

無宗教葬は伝統的な宗教の形式にとらわれない、故人や遺族の希望を1から作り上げる葬儀です。一例として、以下の無宗教葬があります。

  • 故人が好きだった音楽を流したり、演奏会をするスタイル
  • 故人の趣味だったものを展示する展覧会スタイル
  • 故人の経歴や人生を振り返るナレーションやスライドショーをするスタイル

上記のようなものは葬儀というより、お別れの会のようなスタイルです。また宗教的なものは一切ないので、戒名料やお布施などの費用はかかりません。

しかし葬儀の型がないので、1から全てを遺族で打合せをして実施する手間が発生する点がデメリットでしょう。また通常のスタイルとはかなり違うので、親族の理解を得る必要もあります。

自然葬

自然葬は遺骨を墓地への埋葬をせずに、自然に還るという発想のもとに実施する葬儀スタイルです。どこでも埋葬できるものではないので、葬儀会社へ自然葬を相談するのが良いでしょう。自然葬の種類はいくつかあります。

  • 樹木葬…樹木の根本に遺骨を埋葬するスタイル
  • 海洋葬…遺骨を海に散骨するスタイル
  • 空中葬…遺骨をバルーンなどで飛ばして空から散骨するスタイル

遺骨の一部を自然葬で行い、一部を菩提寺に埋葬してもらうなど柔軟な対応もあるので、葬儀会社や菩提寺に相談してください。

生前葬

生前葬は本人が存命中に、自分の葬儀をするスタイルです。お世話になった方へのスピーチや、自身の半生の紹介をしたりします。存命中にするので、全てを自分や家族と決めて行います。

僧侶を呼ぶなどの宗教的な結び付きも薄く、葬儀という悲しい雰囲気よりも、お別れの会や感謝の会のようなイメージです。

葬儀方法を決めるときのポイント3つ

葬儀方法 ポイント

葬儀の方法を決めるときのポイントは3つあります。

  • 遺言があれば従う
  • 家族や親族と相談して決める
  • 菩提寺があれば事前に相談する

順番に解説します。

遺言があれば従う

まずは遺言書があるかどうかを確認しましょう。遺言は故人の思いが書かれているので、葬儀方法についても触れている可能性があります。その中に葬儀の有無や葬儀方法などがある場合は従うのが、故人への感謝や思いやりとなるでしょう。

ちなみに遺言書は記載日時や署名・押印などの決められた書式でないと、法的な拘束力を発しません。法的拘束力も大事ですが、故人の思いを叶える広い視野を持って、葬儀についての希望が書かれていれば考慮してあげるのが良いでしょう。

家族や親族と相談して決める

葬儀は故人の意向と遺族の意見を、尊重して決めます。誰にも相談しないで決めたり、単独で話を進めるのはやめましょう。

のちのトラブルにつながる可能性があります。特に一般葬以外を実施するときは、注意が必要です。

菩提寺があれば事前に相談する

集合霊園以外の菩提寺に埋葬をしてもらう場合は、事前に相談するのが良いでしょう。寺院は通常、一般葬を念頭に葬儀の供養をしています。

事前の相談なく葬儀を済ましたあとに埋葬だけをお願いして、断られるケースも考えられます。その後の菩提寺との関係性もあるので、必ず相談をしましょう。

まとめ:葬儀の種類を知って納得いく葬儀をしよう

葬儀 種類

葬儀は以前は残された遺族が、大人数の参列者を前に慌ただしく実施するようなものでした。しかし現在は社会的変化や個人の考えが尊重される時代の空気感と相まって葬儀の形も多種多様で、自己実現や表現の場ともなっています。また故人とゆっくりお別れをしたいというニーズも高まっています。

故人らしさや遺族の心に残るようなものにするために多くの種類を知って、納得のいく葬儀にしましょう。