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葬儀でスーツを着用していい?喪服との違いやマナー・選び方を解説!

「葬儀で仕事用のスーツを着用してもいい?」
「喪服とスーツって何が違うの?」
「葬儀で着用するスーツ選びのポイントやマナーについて知りたい」

突然の訃報を受け、どのようなスーツで参列すればよいのかわからずに困っている方もいるでしょう。

結論、基本的に葬儀では仕事用のスーツを着用するのは好ましくありません。あらかじめ喪服を用意しておくのが望ましいです。

今回は、葬儀で着用できるスーツの特徴やマナー、選び方のポイントなどを解説します。

最後まで読めば、葬儀で着用するスーツに関する疑問を解消できるでしょう。

目次

葬儀でスーツの着用はNG

葬儀でスーツの着用はNG

葬儀に参列するときは、ビジネス用のスーツでなく、喪服で参列するのが基本となります。ビジネス用のスーツと喪服とでは用途が異なり、素材や色味などの細かい点に違いがあるためです。

喪服とは通夜や葬儀、法事などでのみ着用する礼服の一種です。葬儀で黒い喪服が選ばれるようになったのは明治時代以降で、現在では一般的なマナーとして受け継がれてきました。

近年では、通夜に参列する場合に限りビジネス用のスーツを着用してもよいとされています。

しかし、葬儀・告別式に参列するときにビジネススーツを着用するのはマナー違反です。スーツに限りませんが、葬儀は特別なマナーが要求される儀式であると理解しましょう。

葬儀に着用できる喪服とスーツの違いとは

葬儀に着用できる喪服とスーツの違いとは

葬儀に着用できる喪服とビジネス用のスーツの違いとは、以下のとおり光沢の有無や色の深みです。

種類光沢
黒無地のスーツ明るめの黒あり
喪服深い黒なし

「ビジネススーツで参列してもバレないのでは」と考える方もいるかも知れませんが、ビジネス用のスーツと喪服を並べると違いは一目瞭然です。

特に、葬儀・告別式でビジネススーツを着用していると悪目立ちすることから、遺族や参列者を不快な気持ちにさせる場合もあるでしょう。

お手入れをすれば喪服は何年も利用できることから、1着だけ購入しておくのも1つの方法です。

葬儀で着用できるスーツの種類

葬儀で着用できるスーツの種類

原則として葬儀で着用できるスーツは喪服で、以下のとおりさまざまな種類があります

喪服の種類特徴
正喪服・最も格調が高い
【洋装】
・男性:モーニングスーツ
・女性:ブラックフォーマルのワンピース
【和装】
・男性:紋付羽織袴
・女性:黒紋付着物
準喪服・正喪服の次に格調が高い
・一般的に、喪服といえば準喪服のことを指す
略喪服・最も格調が低い
・三回忌以降などに選ばれる傾向にある
・男性:黒や紺、グレーのスーツ
・女性:男性同様にダークスーツ、控えめな色のワンピースなど

喪服によって格調が決まっていることから、葬儀に参列するときは喪服の種類を使い分けるのがポイントです。

葬儀に参列するときの基本は準喪服で、正喪服を着用する機会は限られるでしょう。

【シーン別】葬式に着用する衣服のポイント

【シーン別】葬式に相応しいスーツ

葬式に参列するときは喪服を着用するのが理想的ではあるものの、以下のとおりシーンによっては喪服以外のスーツを着用可能です。

  • お通夜に参列するとき
  • 葬儀・告別式に参列するとき

ここから具体的に解説します。

お通夜に参列するとき

お通夜は突然執り行われることから、喪服以外にビジネス用のスーツでも参列できるのが特徴です。

喪服を着用すると「不幸を期待していた」と遺族に捉えられるケースもあり、ビジネス用のスーツを着用してもマナー違反とはならないためです。

ビジネススーツを着用して参列するときは、以下の点を押さえるのがマナーです。

スーツ・ダークグレーや紺など落ち着いたトーン
・無地か目立たないストライプ
シャツ白の無地
ネクタイ・黒無地が理想的
・グレーや紺など、地味な色のネクタイ
光沢のない黒の革靴

スーツのみでなく、シャツやネクタイなどにも気を配る必要があります。

ビジネススーツでも問題ないものの、明るい色のネクタイやシャツなどを着用した状態では通夜に参列できません。

葬儀・告別式に参列するとき

葬儀や告別式に参列するときは、喪服を選ぶのがポイントです。

突然執り行われる通夜とは異なることから、ビジネススーツを着用できない点は注意しましょう。

後述するとおり、葬儀・告別式に参列するときは喪服を着用したうえで、以下の点を押さえるのがポイントです。

シャツ白の無地
ネクタイ黒の無地
・黒の無地
・牛革や蛇革など、殺生をイメージさせるものはNG
・金具などデザイン性のあるものを避ける

派手なデザインや色などを避けることで、葬儀・告別式に相応しい装いとなります。

【立場別】葬儀に相応しいスーツとは

【立場別】葬儀に相応しいスーツ

葬儀に参列するとき、以下のとおり立場に応じて着用すべきスーツは異なる点に注意しましょう。

  • 喪主・親族
  • 遺族
  • 一般の参列者

ここから具体的に解説します。

喪主・親族

喪主や親族として葬儀に参列する場合の喪服選びでは、以下の点をおさえるとよいでしょう。

  • 通夜:準喪服
  • 葬儀・告別式:正喪服・準喪服

以前は葬儀・告別式で正喪服を着用するのが一般的でした。

近年では、正喪服を持っている方が少なくなってきたことから、準喪服を着用する傾向にあります。

正喪服を持っている方は、葬儀・告別式で着用するとよいでしょう。

遺族

遺族の立場で葬儀に参列する場合、正喪服を着用するのが正式なマナーだといえます。

しかし、近年では葬儀の服装に関する考え方が変わってきていることから、準喪服を着用するのが一般的になっています。

どちらを着用してもマナー違反とならないことから、喪主と相談して決めるのが1つの方法です。

一般の参列者

一般の参列者として葬儀に参列する場合、以下のとおり状況に応じて服装を変えるとよいでしょう。

  • 通夜:喪服、準喪服
  • 葬儀・告別式:喪服

前述のとおり、通夜では準喪服を着用して参列してもよいとされています。

通夜が執り行われる日の自分の状況に応じて、着用するスーツを選ぶのも1つの方法です。

葬儀のスーツを選ぶときのポイント

葬儀のスーツを選ぶときのポイント

葬儀のスーツを選ぶときは、以下の点を押さえるのがポイントです。

  • 素材
  • ボタン

ここから具体的に解説します。

素材

葬儀のスーツを選ぶときは、素材に注目するのがポイントです。季節に関係なく、原則として上着を脱がないことがマナーとなっているためです。

以下のとおり、季節に応じて着用する喪服を選べば、故人を偲ぶことに専念しやすくなります。

  • 夏用:通気性のよいもの
  • 冬用:裏地があり、暖かさを感じやすいもの

複数の喪服を管理するのが大変だと感じる方の場合、オールシーズン対応のものを選ぶのがポイントです。値段の高い喪服ほど上質な素材が使われる傾向にあり、故人を偲ぶうえで相応しいものとなるでしょう。

ボタン

葬儀のスーツを選ぶときは、ボタンに注目するのが1つの方法です。喪服のボタンはシングルとダブルに分けられ、以下の点に違いがあります。

  • シングル:1列に配置されてある。3つボタンよりも2つボタンの方が葬儀向き
  • ダブル:2列に配置してある。葬儀では全てのボタンを閉めるのが基本

以前は、シングルよりもダブルの方が葬儀向きだと考えられる傾向にありました。

近年では、どちらが葬儀向きだとはいい切れない風潮になっており、どちらを選んでも問題ありません。

葬儀の喪服・スーツを着用する際のマナー

葬儀のスーツを着用する際のマナー

葬儀のスーツを着用するときは、以下のマナーを守るのがポイントです。

  • パンツの裾はシングルにする
  • 派手な色やデザインを避ける
  • シワや汚れに気をつける
  • 上着を着用する
  • ベストを着用しない

ここから具体的に解説します。

パンツの裾はシングルにする

葬儀のスーツを着用するときのマナーは、裾をシングルにすることです。

ダブルの裾はカジュアル向きです。また、日本語に訳すと「二重の」という意味もあるため、葬儀を繰り返さないという観点からも、シングルの裾を選ぶのがマナーとなります。

派手な色やデザインを避ける

葬儀のスーツを着用するときのマナーは、派手な色やデザインのものを避けることです。葬儀はおしゃれを楽しむ場所ではなく、あくまでも故人を偲ぶのが目的であるためです。

スーツに限りませんが、遊びに行くときのような服装や小物を身につけるのはマナー違反です。

通夜に参列するときはビジネススーツでもよいとされているものの、ストライプ柄や明るい色味のものでは参列できません。

シワや汚れに気をつける

葬儀のスーツを着用するときのマナーは、あらかじめシワや汚れを対策しておくことです。

一般的に葬儀は頻繁に執り行われるものではないことから、一度着用すると数年間保管したままになるケースがあるためです。自宅のクローゼットで何年も収納したままにしておくと、カビが発生するケースもあるでしょう。

ビジネススーツと比べ、喪服の色味は深くツヤのない黒であることから、フケやホコリなどが目立つ可能性もあります。

急な葬儀で冷静さを失うかも知れませんが、着用する前にシワや汚れなどをチェックしておくのが望ましいです。

上着を着用する

葬儀のスーツを着用するときのマナーは、原則として上着を脱いではいけません。

スーツが誕生した西洋においてワイシャツとは肌着という位置づけであり、人前で露出することは相応しいものではないと考えられているためです。

シャツが下着だという認識のない方もいるかも知れませんが、カジュアルな印象を周囲に与えることから、葬儀では相応しくありません。

女性の場合、ワンピースのうえにジャケットを羽織って参列する傾向にあり、上着を脱いでも不自然にはならないのが特徴です。ノースリーブのワンピースで参列すると、マナー違反となる点は注意が必要です。

一方で、もし真夏で体調不良になった場合は、マナーよりも体調を優先させ、上着を脱ぐとよいでしょう。

ベストを着用しない

葬儀のスーツを着用するときのマナーは、ベストを着用しないことです。ベストを着用するのは、おしゃれが目的であり、葬儀の場にはふさわしくないためです。

寒さに対策するために、ベストを着用したいと考える方もいるかも知れませんが、暖かい肌着を着用するのがポイントです。

喪主や親族などが着用する正喪服の場合、ベスト着用がマナーとなっています。

正喪服以外で葬儀に参列する場合、ベストはマナー違反になると捉えるとよいでしょう。

葬儀の喪服・スーツ以外の身だしなみのマナー

葬儀のスーツ以外の身だしなみのマナー

葬儀では、以下の表のとおりスーツ以外にもマナーを押さえるのがポイントです。

葬儀の服装・小物具体的なマナー
シャツ・白無地のシャツが基本
・レギュラーカラーかワイドカラーが望ましい
・通夜の場合、派手な色や柄のものでなければ問題とはならない
ネクタイ・黒無地が基本
・ディンプル(くぼみ)を作らない
・通夜の場合、派手な色や柄の入っているものでなければマナー違反とはならない
ベルト・黒無地が基本
・ナイロンやエナメルなど、光沢のあるものは避ける
・バックルは黒かツヤのないシルバーのものが理想的
・動物柄の入っているものはNGとなる
靴下・黒無地が基本
・派手な色や柄の入っているものは相応しくない
・黒の内羽根式
・ストレートチップの靴が理想的
・黒でもブーツやスニーカーはNG
・ツヤのあるものや、動物柄などがあるものは相応しくない

葬儀の身だしなみの基本は、落ち着いたトーンの黒で統一することです。職場で仕事するとき同様に、葬儀のマナーに関しても徹底するのが望ましいです。

葬儀までに喪服を用意できない場合の対処法

葬儀までにスーツを用意できない場合の対処法

葬儀までにスーツを用意できない場合、以下の対処法をとるとよいでしょう。

  • 百貨店・量販店で購入する
  • 知人から借りる
  • レンタルサービスを利用する

ここから具体的に解説します。

百貨店・量販店で購入する

葬儀までに喪服を用意できない場合、百貨店や量販店で購入するのが1つの方法です。どちらで購入する場合でも、一般的に即日の裾上げに対応してもらえるためです。

葬儀の時間が迫っている場合でも、サイズの合うものを用意できる可能性は高いです。

百貨店で喪服を購入すると値段が高くなるかも知れませんが、その分上質なものを購入しやすいといえます。量販店で購入するメリットは、比較的に低価格でよい喪服を入手しやすい点です。

地方に住んでいる方の場合、量販店の方がアクセスしやすく、利便性が高いケースも多いでしょう。

知人から借りる

葬儀までに喪服を用意できない場合、知人から借りるのが1つの方法です。身長や体重の近い知人がいる方に限られるものの、なるべくお金をかけたくない方にとっては有効な選択肢となります。

喪服を借りたあとは知人にお礼するのがマナーですが、購入したりレンタルする場合に比べると割安になるでしょう。

レンタルサービスを利用する

葬儀までに喪服を用意できない場合、レンタルサービスを利用するのが1つの方法です。葬儀会社によっては、喪服のレンタルサービスを提供しているケースもあるためです。

葬儀サービスの提供が葬儀会社の生業であることから、一般的には提携している貸衣装店から喪服をレンタルすることになります。そのため、レンタル料金のみでなく、葬儀会社と貸衣装店に支払う手数料も発生する点は理解しておくとよいでしょう。

葬儀会社によって異なるものの、費用の目安は喪服のみで1万円以上となります。

まとめ

まとめ

葬儀では、原則としてビジネス用のスーツを着用できないことに関して解説してきました。

仕事終わりに執り行われる通夜を除き、基本的には喪服で参列するものだと考えておくのが望ましいです。

故人との最後の別れとなる葬儀において、遺族に対して弔意を表すうえでは、スーツを含む身だしなみが重要なポイントとなります。

ビジネス用のスーツと比較すると、喪服を着る機会は人生で限られるでしょう。喪服を購入するのがもったいないと考える方は、レンタルサービスを使うことも可能です。

本記事を参考に、葬儀用のスーツの特徴やマナー、選び方のポイントなどを理解していただければ幸いです。